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天動説と地動説どちらが正しいか


地球と宇宙どちらが回転しているか

 実は、現在でも@地球が回転しているのか、A宇宙が逆方向へ回転しているのか結論が出ていないのです。どちらかを決めるには、確実に静止していると言う一点(絶対静止の一点)を示す必要があるのですが、それを現在の科学では示せないからです。
 例えば、バケツに紐を付けて天井に吊るし回転させます。バケツが回転しているのか或は宇宙が逆方向へ回転しているのかを判断する為に、何を基準(静止系)としたら良いでしょうか。
 相対性理論では、物質も光も全て粒子と考えます。空間は何もない入れ物とします。そうすると、どの粒子が静止しているのか分かりません。この粒子が静止しているとすると、あの粒子は移動しているとしか言えません。こう言う意味で、相対性理論では「静止系」は否定され、運動は物質と物質との相対的位置関係の変化に過ぎなくなります。つまり、物質の絶対速度は決められず、ある物質を静止とした時のある物質に対する相対速度しかないとします。

 逆に光が波であれば、その媒体があります。そうするとその媒体が「静止系」なので、粒子の運動はそれを基準として客観的に決定され、運動は絶対的となります。しかし、相対性理論では、光は粒子でありその媒体がないので、運動の基準となる「静止系」がなく、運動は相対的とします。

 そうすると静止系がないので、バケツが回転しているのか宇宙が逆方向へ回転しているのか、決める基準がなくなり判断出来なくなります。

ニュートンのバケツ

 以下で、「静止系」はあるのかないのかを考察します。
 1543年にニコラウス・コペルニクスは「天体の回転について」を刊行し、地動説を唱えました。それまで、地球は静止しており天体が動いているとする天動説が、長く支持されていました。古代ギリシャの天文学者・数学者のアリスタルコス(紀元前310年から紀元前230年)は、既に「太陽中心説」を唱えていました。これは、太陽が中心にあり、5つの惑星が自転しながら太陽の周りを回ると言う考え方です。この考え方は常識的感覚からかけ離れていたので、長い間広く受け入れられることはなかったのです。しかし、約1800年後、コペルニクスにより再び唱えられ、発展することになります。

 そして、ニュートンは、地動説に基づき、天体の運動を絶対空間と絶対時間を使って記述することに成功しました。絶対空間とは、静止している空間です。絶対空間を基準とすれば、地球が回転しており宇宙は静止していることが分かると考えました。
 しかし、ドイツの天才物理学者エルンスト・マッハは絶対空間を否定しました。空間は何もない空っぽの入れ物で実体は無いと考えました。何もない空虚な空間の位置は考えることは出来ません。ここが静止していると空間の一点を指差しても、本当にその一点が静止しているのか移動しているのか誰にも分かりません。後に残るのは、動き回る粒子のみです。
 こうなると、運動は物質と物質との相対的位置関係の変化となります。この粒子が静止していると仮定するとあの粒子は移動している。逆に、あの粒子が静止しているとすると、この粒子は移動しているとしか言えません。つまり、地球が自転しているのか、宇宙が逆向きに回転しているのか分からないと指摘しました。

 ニュートンは、「ニュートンのバケツ」と呼ばれる説明で、絶対空間があることを示しました。バケツに半分位水を入れ、ひもをつけて天井に吊るします。そして回転させます。最初は中の水は回転せず、バケツのみが回転します。その時、水の表面は平らなままです。次第に中の水が回転しだし、遠心力によりバケツの端は水面が高くなり、中央部分は低くなります。そして、バケツと水の回転とが同じになった時、最も水面の凹凸の差が大きくなります。
 この事実から、水に掛かる遠心力はバケツと水との相対運動により掛かるのではなく、静止している絶対空間を基準にした水の回転速度(絶対運動)に応じて掛かっていると説明しました。

マッハ力学

 これに対して、マッハは、絶対空間や絶対運動と言うものはなく、水には宇宙にあるその他の存在と水との相対的位置関係の変化=相対運動に応じて掛かると反論しました。つまり、バケツが回転し宇宙は静止していても、逆にバケツは静止しており宇宙の方が逆向きに回転しても、水に遠心力は掛かるとしました。しかし、バケツを静止させておいて、宇宙を反対方向へ回転させる実験を行うことが出来ないので、この説の真偽は分かりません。

 この「絶対運動はない、仮に宇宙には観測者と物体のみであったとする。物体と同じ速さで観測者が動けば、その物体は静止しているのか移動しているのか判定出来ない。」との反論に対して、ニュートンは「ニュートンのバケツ」を持ち出したのです。この宇宙に水の入ったバケツと観測者のみであると仮定します。バケツと同じ速さで観測者がバケツの周りを回っても、水面の凹凸を観察すれば、バケツが回転しているのか静止しているのかが分かると説明しました。そして、静止しているのか運動しているのか分からないのは、等速直線運動をしている場合に限ると説明しました。回転運動や加速運動をしている場合は、遠心力やGを測定すれば、絶対的に移動しているか否か判定できるとニュートンは考えたのです。

 マッハは、「ニュートン力学」に対し「マッハ力学」を提唱しました。このマッハの考え方は、相対性理論に強い影響を与えました。相対性理論では、静止系を否定します。
 しかし、地球が静止していて宇宙が移動していると考えると、天体が地球から離れる程、速い速度で移動することになります。これは、天動説における未解決問題の一つでした。現在観測出来る宇宙は、半径465億光年の球体です。465億光年離れている天体の移動速度は、光速を遥かに超えた速さとなります。物質の速度の限界は光速ですから、地球が自転していると考えなくてはなりません。

M理論

 以上のとおり、回転している物体には遠心力が掛かるので、回転していないもの(静止しているもの)が真空中には在る筈です。静止しているものに対して加速運動する系が「非慣性系」です。つまり、「慣性系」と「非慣性系」を区別する「静止しているもの」が必要です。しかし、現在のところ真空の中に「静止しているもの」を発見出来ていません。

 ところで「M理論」では、神羅万象を宇宙の三次元空間を満たす「ブレーン」の振動で表し計算します。「ヒッグス機構」も「ブレーン」の振動なので、物質がこの「ブレーン」に対して動くと「ヒッグス粒子」が生じ、それが纏わり付き物質は動き難さ(質量)を与えられます。
 物質がこの「ブレーン」に対して加速すると物質にはGが掛かり、回転すると遠心力が掛かります。ですからこの「ブレーン」が運動の基準となる「相対的静止系」です。

 しかし「ブレーン」は、相対性理論が否定する「絶対静止系」ではありません。何故なら「ブレーン」自体が、空間の中をどの様に動いているか分からないからです。つまり、空間に「絶対静止の一点」の印を付けることができないので、空間の位置を考えることができないのです。

 もし「M理論」の思考様式が正しければ、上記で述べた疑問が全て解けます。「ニュートンのバケツ」は「ブレーン」に対し回転したので、中の水に遠心力が働いたのです。地球は「ブレーン」に対して自転しているので、遥か彼方の天体が光速度cを超えて回転運動することはないのです。

 「M理論」が完成し「万物の理論」に止揚されれば、地球が自転しているのか、残りの宇宙が反対方向へ回転しているのか、その回答が出るでしょう。


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according to kothimaro



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