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  • 真空に存在するものは何か

    T.静止系は発見できるか

     相対性理論では、物質も光も全て粒子と考えます。空間は何も無い空虚なものとします。ですから、空間の位置を考えることは出来ません。後に残るのは、動き回る粒子のみです。こうなると、どの粒子が静止しているのか分かりません。この粒子が静止しているとするとあの粒子は移動している、逆に、あの粒子が静止しているとするとこの粒子は移動しているとしか言えなくなります。
     この様に、運動とは、物質と物質との相対的な位置関係の変化でしかなくなります。相対性理論では、静止系と言う特別な系は無いと考えます。
     つまり、自分の居る系は移動しているいや静止していると、自由に考えることが出来るのです。自分は移動しているいや静止していると考え方を変えただけで、観測される光の速度が変化してはなりません。従って、光速度は、常に不変でc[m/s]と観測されなければなりません。静止系がないと、必然的にローレンツ変換が導かれます。

     一方、静止系を発見出来れば、各慣性系の移動速度を特定することが出来ます。そうなれば、光速度は各慣性系で異なっても構いません。
     では、静止系はあるのでしょうか、ないのでしょうか。

    U.何故、光は真空中を一定速度c[m/s]で伝わるのか

     真空には、光を一定速度で伝えると言う特性があります。光が粒子であれば、エネルギーを加えると幾らでも速く動きそうです。しかし、現実には光は常に真空中を299,792.5[m/s](c[m/s])でしか伝わりません。これは何故でしょうか。真空中にも光を伝える実体があり、光はその中を波として伝わっていると考えると理解できます。

    V.宇宙背景輻射を基準とした地球の動き

     宇宙のあらゆる方向から、「宇宙背景輻射」と呼ばれるマイクロ波(光の一種)が、等方向に観測されます。この「宇宙背景輻射」はビッグバンの良い証拠と考えられています。
     あらゆる方向からやって来る宇宙背景輻射は、真空中をc[m/s]で伝わります。つまり、宇宙背景輻射は空間の実体の中を、波として伝わっていると考えることが出来ます。そして、これを基準にすると、地球の空間の実体に対する動きを特定することが出来ます。
     その結果、地球は「宇宙背景輻射」に対して、約370km/sで運動していることが分かっています。

    W.加速時のGは、静止系を基準とした加速度に応じた強さで掛かる

     加速する自動車の中で、この車は静止していると幾ら念じても、体に掛かっているGは消えてなくなることはありません。Gは「何か」を静止系とし、それを基準とした加速度に応じた強さで体に掛かります。その「何か」とは何でしょうか。

    X.「ヒッグス粒子のプール」を動くと物質は質量を与えられGが掛かる

     真空中にはヒッグス場があり、物質がそのヒッグス場を移動するとヒッグス粒子が生じ、物質にまとわり付きます。その為に、物質は動き難くなり質量が与えられます。つまり、物質は「ヒッグス粒子のプール」の中を動くことにより質量を与えられ、Gが掛かります。従って、その「何」かとは「ヒッグス粒子のプール」であると言えます。

    Y.私の考えに対する反論

     私の説に対して、あくまでも「静止系はない」との反論があります。その前提の上で、特殊相対性理論では、それぞれの慣性系は区別出来ないが、一般相対性理論では加速系では物体にGが生じるので、慣性系と加速系は区別出来ると主張されています。

     しかし、この言葉自体矛盾しています。静止系がなければ、特定の系は加速しているのか、直線等速運動をしているのか、又は静止しているのか分かりません。慣性系と加速系を区別出来ること自体、静止系の存在を必要としています。つまり、静止系を基準にしないと等速直線運動をしているのか加速運動をしているのか区別出来ないのです。そして、静止系を基準とした加速度に応じた強さでGは掛かるのですから。

    Z.「超ひもの網」が静止系である

     現在の物理学では、「超ひも理論」が最も有力視されています。そして、宇宙を次の様に想定します。
     宇宙開びゃくの瞬間、宇宙は非常にエネルギーの高い状態にあり、個々の「超ひも」は自由に空間を動き回っていました。しかし、宇宙のエネルギーが、100Gevになった時、「超ひも」は相転移を起こしました。相転移とは、水蒸気が冷えて氷となる様な現象を言います。水蒸気として自由に動き回っていた水の分子は、冷えて相転移を起こし氷の分子として固定され、もはや自由には動き回ることが出来なくなります。
     ここからは、私のオリジナルです。  ビッグバンの初期には、「超ひも」は光速を超えて自由に移動していました。しかし、宇宙のエネルギーの低下に伴い、宇宙は相転移を起こし、「超ひも」は固定され網状に繋がったと考えます。

     そして、その「超ひもの網」の上を、物質や光及び重力・電磁力・強い力・弱い力の4つの力は、振動として伝わると考えます。つまり、物質が移動して見える現象は、実は超ひもの物質としての振動が、次々と隣の超ひもに伝わる現象であると思います。そして、「超ひも」の振動自体が光速で伝わるので、何ものも光速以上で伝わることは出来ないのです。

     超ひも理論では、物質も光も一本の超ひもの振動として表現されます。超ひもの長さをプランク距離Lと言います。振動が超ひもの端から端まで伝わるのに要する時間をプランク時間Sと言います。超ひもの振動は光速cで伝わります。従って、
     光速c=プランク距離lp÷プランク時間tp=lp/tp= 1.616199×10-35m÷5.39106×10-44秒=299,792.5[q/s]となります。

     ここで注意したいのは、1本の超ひも上を光は光速で振動として伝わることです。そして、真空中も同じ光速で光は伝わります。これは単なる偶然でしょうか。
     真空中には、超ひもが繋がったものがあり、その上を光はそのまま光速で伝わっていると考える方が自然です。

     私はこの理由により、物質は光速未満でしか移動出来ないと考えます。相転移する前の宇宙は、超ひもが繋がっておらず、自由に飛び回っていたので、光は光速を超えて移動することが出来ました。インフレーション理論でも、宇宙開闢の一瞬あらゆるものは光速を越えた速度で飛び散ったと考えます。その後、宇宙は相転移し、超ひもが網状に繋がったので、光は光速で真空中を伝わる様になりました。

    [.空間の実体

     即ち、真空とは何も無い空虚な空間ではなく、「超ひもの網」と言う実体があります。その「超ひもの網」上を光や物質は振動として伝わります。この「超ひもの網」を静止系として基準にすれば、物体の絶対速度を特定することが出来ます。
     そして、「超ひもの網」にはヒッグス場があり、物質としての振動がその上を伝わると「ヒッグス粒子のプール」が生じます。ですから、「超ひもの網」と「ヒッグス粒子のプール」と空間自体は一致しており、これが静止系です。

    \.まとめ

     この様に、現在では静止系を発見することが出来ます。したがって、真実の変換式では、光の相対速度が慣性系ごとに異なっても構いません。しかし、物理計算を可能にするために、ローレンツ変換に方程式を変形しているのです。