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プランク単位系の求め方を言葉で説明する

プランク単位系を求める連立方程式

 プランク単位系は、次の方程式を解いて求めます。
@プランク距離lp÷プランク時間tp=光速c
Aプランク力Fp=万有引力定数G×プランク質量mp2÷プランク距離lp2
BプランクエネルギーEp=換算プランク定数hバー×角周波数1/tp[rad/s]=プランク質量mp×光速c2
です。

この連立方程式を言葉で表す

 これを言葉にして見ましょう。
@は、『光はプランク時間tpにプランク距離lp伝わる』です。
Aは万有引力の法則です。『プランク質量mp同志がプランク距離まで近づくと、プランク力(mp*c/tp)の万有引力で引かれる』です。
Bはドブロイの物質波『ω=E/hバー⇒E=hバーω(エネルギー=換算プランク定数×物質波の周波数)』とアインシュタイン博士の『E=mc2(エネルギー=質量×光速の2乗)』を合体した方程式です。
 つまり、『プランクエネルギーEpは、ディラック定数hバー×プランク時間に1回する波の周波数(1/tp[Hz])とプランク質量mpに光速の2乗を掛けた値に等しい』です。

連立方程式を解く

 まとめると
@c=lp/tp=2.99792458×108[m/s]
Amp*c/tp=G*mp2/lp2⇒lp/tp2=G*mp/lp2⇒CG=lp3/mp*tp2=6.67384×10-11)[m3/Kg*s2]
Bhバー/tp=mp*c2⇒hバー/tp=mp*lp2/tp2⇒Dhバー=lp2*mp/tp=1.054364×10-34[J*s]
です。

 この@CDの連立方程式を解くと
プランク距離lp=√(hバーG/c3)= 1.616229×10-35[m]
プランク時間tp=√(hバーG/c5)= 5.39116×10-44[s]
プランク質量mp=√(hバーc/G)= 2.176510×10-8[s]
 このとおり、プランク単位系が求まります。

 @CDの条件を満たす距離・時間・質量を言葉で表すと
『光はプランク時間tpにプランク距離lp伝わる。プランク質量mp同志がプランク距離lpまで近づくと、プランク質量mpをプランク時間tpで光速cまで加速するプランク力Fpで引き合う。プランク質量mpに光速の2乗を掛けるとプランクエネルギーEpとなる。また、プランクエネルギーEpは、換算プランク定数hバーにプランク時間tpに1回振動する波の周波数(1秒間当たりの振動数)を掛けると求まる。』
です。

プランク単位系は単位合わせで求まるのではない

 一部に『c=1、G=1、hバー=1とする為に、プランク距離lp・プランク時間tp・プランク質量mpを単位とする』との考えがあります。それを検証します。
@c=lp/tp
CG=lp3/mp*tp2
Dhバー=lp2*mp/tp
と表されるので、lp=1、tp=1、mp=1となる様に単位を取り、lp=1、tp=1、mp=1とすると、c=1、G=1、hバー=1となります。
 しかし、これはcとGとhバーが、lpとtpとmpの累乗の掛け算と割り算で表現されるから1になるのです。仮にcとGとhバーを表わす方程式に係数が付いていたら、またlpとtpとmpの足し算や引き算で表されていたら、決してc=1、G=1、hバー=1とはなりません。
 ですから、c=1、G=1、hバー=1にするために、lpとtpとmpを単位にしたのではありません。
 cとGとhバーがlpとtpとmpの累乗の掛け算と割り算で表現されたから、プランク距離lp・プランク時間tp・プランク質量mpを単位にしたら、c=1・G=1・hバー=1にたまたまなったのです。

プランク単位系の意味を言葉で考察する

 では、ここで@CDの条件を満たす距離・時間・質量の意味を考察します。
 プランク質量mp同志がプランク距離lpよりも近づくと、2つの質量は永遠に離れることが出来なくなります。2つの質量の引き合う力が、1つの粒子の受ける最大力であるプランク力Fpよりも大きくなるからです。
 ですから、物質同志はプランク距離よりも近づくことは出来ません。1本の超ひもはプランク長です。従って、2本の超ひもの中心と中心は、プランク距離lpより近づくことが出来ないのです。ですから、距離の最小単位はプランク距離lpです。
 最速の光速cで移動すると、距離の最小単位であるプランク距離lpをプランク時間tpで伝わります。ですから、時間の最小単位はプランク時間tpです。
 時間の最小単位のプランク時間tpに1回振動する超ひもは、最も重いプランク質量mpです。1本の超ひもで最も重いプランク質量mpに光速の2乗を掛けると、1本の超ひもの最も高いエネルギーであるプランクエネルギーが求まります。
 時間の最小単位であるプランク時間tpで最速の光速cに加速するのが最も高いプランク加速度(c/tp)です。力=質量×加速度です。従って、プランク質量mpにプランク加速度(c/tp)を掛けると、一本の超ひもが受ける最も強い力であるプランク力(mp*c/tp)が求まります。