• CATBIRD日記 (物理・数学・歴史・哲学・宗教の未解決問題を扱ってます)
  • 人は何故夢を見るのか

    夢を見た

     今、目が覚めた。寝ている間に、色々な夢を見た様に思うが殆ど憶えていない。しかし、その夢の中で感覚の赴くままに自由自在に、しかもかなり集中して行動していた様に思う。哺乳類は夢を見る。爬虫類は夢を見ている事実は確認されてはいない。何故、人は夢を見るのであろうか。

    睡眠中の情報処理

     眠っている間には、起きている間に蓄えた短期記憶を長期記憶に置き換え、様々な情報処理を行っている。短期記憶はすぐに思い出せるが、その容量が限られているので多くは記憶出来ない。長期記憶は思い出すのに時間が掛かるが、その容量は多く人は一生分を全て記憶しているとも言われる。

    単なるノイズか

     夢は、その情報処理の際に生じるノイズであるとする説もある。しかし、ノイズであるならば、断片的な記憶が意識の上に現れるだけである。夢はむちゃくちゃではあるがストーリーがあり、その中で私は現実世界では起こりえない程、自由自在に行動している。時には空を飛び、水面すれすれに滑走しながら上昇し木をかすめて飛ぶ。起きている時には、上手く説得出来なかった人とも話しをしている。実に様々なことをその人と話している。時には、その人を激怒させてしまう様なことも言ってしまう。しかし、それは夢なので実害は無い。

    シミュレーション

     この様に、夢の中では実に様々なシミュレーションを行っている。現実世界で体験出来ることは限定されているが、夢の中ではその限定に縛られずシミュレーションを行っている。そして、原因に対する結果、即ち自分がこう行動したらどうなるか、相手を激怒させるか等を試している。この様に、現実世界で起こった未解決問題が夢の主題となっていることが多い。

     現実世界で起こるのは、因果関係の一例のみである。様々な状況で様々な因果関係をシミュレーションし、全体を把握してから長期記憶としてしまうのである。これにより、様々な状況における対応行動を、夢の中で練習することが出来る。夢の中で練習をしているので、現実には経験していない場面に遭遇しても、とっさに適切な行動が取れるのである。

    パイロットの飛行訓練

     この様にして、哺乳類は経験したことの無い場面にも対応する能力を持っている。爬虫類も短期記憶を長期記憶に置き換える必要はあるので、ノイズであるとすると夢を見ることになる。しかし、爬虫類は脳波を調べても夢を見ている証拠は無い。爬虫類は、夢により経験したことのない場面をシミュレーション出来ないので、複雑な状況には対応することが出来ないのである。

     哺乳類は、パイロットがシミュレーション装置で飛行訓練をする様に、体験していない状況を夢でシミュレーションして安全に練習する能力を、進化により獲得したのである。これをCATBIRDのシミュレーション説と呼ぶ(2013/5/6AM8:40)。様々な状況をシミュレーションするので、実際に夢の中で問題を解決することもある。