真空に高いエネルギーの光であるガンマ線を入射すると、電子(物質)と陽電子(反物質)が対となって現れます。この[γ→e-+e+]を「対生成」と言います。
電子対生成に必要なガンマ線のエネルギーは1.02MeV以上で、これは電子と陽電子の静止エネルギーの和に相当します。
また、電子と陽電子を衝突させると、電子と陽電子は消滅してガンマ線となります。この[e-+e+→γ]を「対消滅」と言います。観測されるγ線のエネルギーは、電子と陽電子それぞれの静止エネルギー(それぞれ511keV)と、それらのもつ運動エネルギーの和です。
どうして、真空から物質と反物質が対となって現れるのでしょうか。どうして、物質と反物質が接触するとエネルギーとなり物質は消滅するのでしょうか。
それは、質量がエネルギーに、エネルギーが質量に換わる仕組みを考えると分かります。
物質も光も物質を動かす4つの力(重力・電磁力・強い力・弱い力)も、一本の超ひもの振動として表現されます。一本の超ひもが物質や光として振動すると物質や光と見え、超ひもの振動が停止するとそれは真空と見えます。
つまり、真空中は何もないのではなく、振動していない超ひもが詰まっているのです。振動していない超ひもに高エネルギーの光を入射すると、光としての振動は物質と反物質としての振動に換わります。これが「対生成」です。
物質と反物質の振動は正反対なので、これが一本の超ひもに含まれるとお互いに打ち消し合い、振動は光の振動として放出されます。ですから、物質と反物質を衝突させるとエネルギーとなるのです。これが「対消滅」です。
物質も光もエネルギーも、一本の超ひもの振動として表されます。ですから、物質としての振動がエネルギーとしての振動に換わり、逆にエネルギーとしての振動が物質としての振動に換わるのです。