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創造的進化論

T.ダーウィンの進化論

 ダーウィンの進化論は、次の通り説明される。
 自然界に存在する放射線で遺伝子が傷つき変形し、その変形した遺伝子を持つ子が生まれる。生まれた子に現れたその遺伝子による肉体的形質が、その子の生きて行く環境に適したものであれば、その子は生き残り子孫を残し、遺伝子を後世に伝える。肉体的形質が環境に適さないものであれば、その子は生き延びることは出来ず、遺伝子を後世に残す事は出来ない。こうして、環境に適した遺伝子のみが残って行く。これを、突然変異と自然淘汰と言う。
 しかし、遺伝子が壊れて、たまたまそれが環境に適するものである可能性は限りなく低い。また、殆どのものが死滅し、僅か0.000何%のものが生き残り、子孫を残すこととなる。だが、現実はその様になってはいない。

U.日本人の変化

 日本人はここ二千年の間に、長頭形から短頭形に変化している。長頭形とは、前後に長く左右に短い形の頭である。短頭形とは、前後左右に余り差のない、円形の頭である。西洋人は長頭形である。そして、顔の幅が狭い。
 何故、西洋人は、顔や頭の幅が狭く前後には長いのか。それは、顔や頭には非常に大切な器官があるからである。正面からの攻撃を、出来る限り受けない様にする為である。幅を狭くすることで、正面から来た攻撃が当たる確率が低くなる。
 狩猟民族は、狩に出た時、獲物の反撃を受け、又は野獣に攻撃される可能性がある。顔や頭の正面の面積を減らすことで、攻撃がヒットする確率を少なくしている。それに比べて、農耕民族は、獲物の反撃を受けることもなく、集団で行動するので、野獣の攻撃に晒される可能性も低い。従って、頭の幅を狭くする必要はなくなり、頭は普通に円形となる。
 日本では、二千年位前から稲作等の農耕が始まり、急速に短頭形となった。その間に、生まれた者の99.9999%の者が、子孫を残せずに死んだとは考えられない。また、偶然な遺伝子の変形の累積で、長頭形から短頭形に変化するには期間が短すぎる。
 生物には、親の生きた環境に適した肉体的形質を持った子が生まれる機能が備わっている。

V.遺伝子の活性化と休眠

遺伝子の活性化と休眠

 図で、具体的に説明する。長頭形の遺伝子を長1から7とする。短頭形の遺伝子を短1から7とする。それぞれ、7つの遺伝子が繋がっていると仮定する。親が狩猟生活をすると、長頭形遺伝子が優性となり、短頭形遺伝子は劣勢となる。長頭形遺伝子と短頭形遺伝子が合わさって子が生まれても、その子は長頭形となる。また、長頭形遺伝子は1から7番までが活性化する。活性化した遺伝子の数が多いほど、長頭形となる。短頭形の遺伝子は、全てが休眠する。

 農耕生活を送る様になると、短頭形の遺伝子が優性となり、その遺伝子が活性化する。活性化した遺伝子の数が多いほど、短頭形となる。逆に、長頭形の遺伝子は劣勢となり、その遺伝子は休眠する。
 この様にして、体の各部分のサイズや形は、環境に合わせて自在に変えることが出来る様になっている。高い木の葉を食べる為に、必要があったので、キリンの首はどんどん伸びたのである。首の短いキリンが、子を残せず全て死滅した訳ではない。水の中でも息が出来るように、鼻が長くなる必要があったので、象の鼻はどんどん長くなったのである。人は、衣服を着るようになり、必要がなくなったので体毛は無くなったのである。人も水中で生きる必要が出てくれば、水かきが出来る。
 精子又は卵子の生殖細胞の遺伝子が作られる際に、その優性・劣勢・休眠・活性化が決まる。その仕組みは今後研究して見たい。

W.創造的進化

 この様に、生物が環境に合わせて自分の体を自在に変えてゆく進化を、ダーウィンの進化論に対して、創造的進化と呼ぶ。