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sunset0488さんとcaptain_marvelous_2011さんの「プランク長」の求め方は誤り

T.sunset0488さんの「プランク長」の求め方

sunset0488さんのプランク長

 sunset0488さんは、次のとおり主張されました。
 >プランク質量を持つ物質のシュバルツシルト半径の長さを、プランク長と決めました。<

 では、sunset0488さんの定義を使って、「プランク長」を計算して見ましょう。G=万有引力定数=6.67408×10^-11[m^3/ss^2]、Mp=プランク質量=2.17651×10^-8[s]、c=光速度=2.997925×10^8[m/秒]です。
「シュバルツシルト半径」=2GM/c^2=2×6.67408×10^-11×2.17651×10^-8[s]÷{2.997925×10^8[m/秒]}^2=3.232514×10^-35[m]=2×1.616×10^-35[m]=2×プランク長≠プランク長
です。
 このとおり、sunset0488さんの定義は誤っており、「スナフキンおじさん」は物理学の専門でないようです。

 ではどうして、プランク質量Mpの「シュバルツシルト半径」の半分がプランク長となるのでしょうか。
Cプランク長Lp=√(hバーG/c^3)、プランク質量Mp=√(hバーc/G)⇒D√(hバー)=Mp√(G/c)です。
 CとDより
プランク長Lp=Mp√(G/c)×√(G/c^2)=GMp/c^2=シュバルツシルト半径÷2
となるのです。

 CとDの導き方を簡記します。(Tp=プランク時間、hバー=換算プランク定数です) 
 詳細は、「プランク単位系の求め方」を参照下さい。
@c=Lp/Tp
Ahバー/Tp= Mp*c^2
Bc/Tp=G*Mp/Lp^2
@ABを解くと、CとDを求めることが出来ます。
 そして、@一本のプランク長Lpの超ひも上を、振動が光速cでプランク時間Tp掛けて伝わること、A一本の超ひもの取り得る最大質量である「プランク質量」は、プランク時間Tpに1回超ひもが振動すること、そして、換算プランク定数×1秒間の振動数=プランクエネルギー=プランク質量×c^2であること、Bプランク質量Mpにプランク距離Lpまで近づくと、物質はプランク時間Tpで光速cに達する加速度で引かれることを表しています。

 @ABを解くと、プランク長が「GMp/c^2」となり、一方シュバルツシルト半径は「2GMp/c^2」なので、丁度シュバルツシルト半径の半分がプランク長となるのです。

U.captain_marvelous_2011さんの「プランク長」の求め方

captain_marvelous_2011さんのプランク長

 また、captain_marvelous_2011さんは、「プランク単位系は、「『光速度、万有引力定数、プランク定数の3つがちょうど1になるようにした』単なる単位合わせで求めることが出来る」と主張されました。

 では、万有引力定数G・換算プランク定数hバー・光速度cの単位を見て行きましょう。
 captain_marvelous_2011さんは、『重力定数Gの単位が[m^3/Kg*s^2]=「長さの3乗÷(重さ×時間の2乗)」なので、EG=Lp^3/(Mp*Tp^2)が成立する。ディラック定数の単位が[Kg*m2/s]=「重さ×長さの2乗÷時間」なので、Fhバー=(Mp*Lp2)/Tpが成立する。光速度cの単位が[m/s]=「長さ÷時間」なので、Gc=Lp/Tpが成立する』とのご主張です。

 しかし、EG=Lp^3/(Mp*Tp^2)が成立するので、重力定数Gの単位は[m^3/Kg*s^2]なのです。Fhバー=(Mp*Lp^2)/Tpが成立するので、ディラック定数hバーの単位は[Kg*m^2/s]なのです。Gc=Lp/Tpが成立するので、光速度cの単位は[m/s]なのです。
  決して、その逆ではありません。EFGの方程式の意味を考えて下さい。単位から導かれるのではありません。単位の元となった方程式@ABから求められるのです。

 そして、@ABを解くと、Hプランク長Lp=√(hバーG/c^3)、Iプランク時間Tp=√(hバーG/c^5)、Jプランク質量Mp=√(hバーc/G)となります。この様に表せるので、Lp・Tp・Mpを1とする(Lp・Tp・Mpを単位とする)と、hバーとGが1になります。
 つまり、c=Lp/Tp=1/1=1、1=√(hバーG)、1=√(hバー/G)⇒√(hバー)=√(G)、∴hバー=1、G=1です。

 決して、hバーとGを1にするために、Lp・Tp・Mpを単位とするのではありません。結果的にそうなるだけです。
 もし、方程式がHIJでなかったら、幾らLp・Tp・Mpを単位としても、hバーとGは1にはなりません。

 これで、プランク単位系はcaptain_marvelous_2011さんが仰る様な「『光速度、万有引力定数、プランク定数の3つがちょうど1になるようにした』単なる単位合わせ」で求まるのではないことが分かりました。
 HIJは@ABを解いて「プランク長」は求められます。そして、@ABの方程式の意味は上記のとおりです。