変換した光を、同じ変換式で逆変換して元の光に戻るべきか

逆変換とは

変換式のvを-vにし、(x',y',t')を(x,y,t)にして、一度変換した光(x',y',z',t')を再変換(逆変換) すると、元の光(x,y,z,t)に戻らなければならないかと言う問題です。CATBIRD変換式は、逆変換しても元の光には戻りません

その意味するところは

宇宙で絶対に静止している1点を示すことが出来ないと、運動は相対的なものとなります。一方が静止し他方が運動しているのか、 逆に一方が運動し他方は静止しているのか、どちらにも取れます。
静止している慣性系Aの光(x,y,z,t)を、移動する慣性系Bの光(x',y',z',t')に変換します。運動は相対的であると考えると、逆に 今変換した慣性系Bが静止しており、慣性系Aが移動しているとも取れます。
そうなると、静止系Bの光(x',y',z',t')を、vを-vにした同じ変換式により、(x,y,t)を(x,y,t)に して逆変換すると、今度は移動する慣性系Aの元の光(x,y,z,t)に戻らなければならないとの考えに基づく主張です。

本当に運動は相対的か

確かに、物質の無い空間が真に空であれば、任意の1点は、移動しているのか静止しているのか分かりません。しかし、 この考え方自体が矛盾しています。変換後の慣性系Bを静止系と見ることが出来るのなら、 慣性系Bは、更に同方向へv移動する、慣性系Dの光に変換出来ることが出来るはずです。更に、慣性系Dを静止系と見て、 又v加速する慣性系Eの光に、変換出来ることになります。

これでは、慣性系(移動する物質)を幾らでも加速出来ることとなり、光速(c)が速度の限界であることと矛盾します。 絶対静止の1点を示さないことには、光速(c)が速度の限界であることを、示すことは出来ません。
運動が相対的なものであると考えると、亜光速で移動するFを静止と見ることが出来る為、更にFを加速出来るからです。

空間は本当に真に空な空間か

「空間」とは真に空なただの空間ではなく、何らかの「実体」があり、特性を持つ存在です。
真に空な存在の位置を考えることは出来ません。そうなると、運動は相対的なものとなってしまいます。 しかし「実体」があれば、その位置を考えることが出来ます。運動とは、その「実体」との位置関係の変化であると考えます。 その「実体」を静止系と考えて、移動する慣性系を定義出来ます。これで絶対静止の1点を示せそうです。

空間の実体とは何か

その「実体」とは、何でしょうか。
宇宙は、「超ひも」で出来ているとするのが物理学の定説のようです。物質も、又それらを動かす4つの力 (重力・電磁波・強い力・弱い力)も「超ひも」の振動であるとしています。「超ひも」は宇宙を満たしています。 物質や光として振動する「超ひも」は物質と観測され、振動しない「超ひも」真空と観測されます。従って、 真空と観察される空間も、振動しない「超ひも」で満たされています。空間に、磁場や電場が生ずるのも、 物質・光・4つの力としてではなく、真空と観測される「超ひも」が、ある種の振動をすることにより起こって いるのではないでしょうか。
超ひも」がその「実体」と考えます。

超ひも自体は移動するのか

物質の移動を、物質として振動する「超ひも自体が移動すると考えると、絶対静止の1点を示せなくなります。従って、 絶対静止の1点を示す為には、「超ひも」自体は動かず、物質としての振動が、「超ひも」から「超ひも」へ伝達され、 それが物質の移動と観測されるとの「モデル」が必要となります。

簡単なイメージで表現すると、宇宙には動かない「超ひもの網があり、物質波・光波・4つの力の波がその網の上を伝わる感じです。 「超ひも」の振動自体が光速(c)で伝わるので、物質波・光波・4つの力の波は、これ以上速くは移動出来ません。
これで、光速度が限界であることを、上手に説明出来ます。「超ひもの網静止系です。その上を伝わる物質波が、 移動する慣性系です。

この「CATBIRDモデル」における移動する慣性系における2つの効果

この「CATBIRDモデル」では、運動する慣性系では、同じエネルギーを加えても、物質が単位時間内に移動する距離は、 1√(1-v2/c2と短くなります。
また、慣性系の進行方向へは、超ひもの網の上で、物質波を4つの力の波が追いかける形になるので、4つの力の波は遅く物質に到達し、 逆方向へは早く到達します。この2つの効果を数式にしたのが、CATBIRD変換です

CATBIRD変換式は、逆変換しても何故元に戻らないのか

変換式で逆変換をして、元に戻らなければならないとする考えが、上記の通り矛盾していると思えたので、静止系Aを「超ひもの網と定義し、静止系Aから移動する物質の慣性系Bへの変換を表したのがCATBIRD変換です。
変換後の移動する慣性系Bは、静止系A=「超ひも」の網の慣性系とは異なります。慣性系Bを速度v=c/2で移動すると定義すると、 同方向へは、あとc/2しか加速出来ません。物質や光は光速を超えることはありません。Bを静止系と捉え直すと、 まだ同方向へc加速出来ることになり、cを超えてしまうので矛盾します。
従って、移動する慣性系Bから静止系Aへの変換や、移動する慣性系Bから移動する慣性系Dへの変換式は異なる形になります。

ちなみに、移動する慣性系Bから静止系Aへの変換式は
@t=(t'*c*√(1-v2/c2))/√(c2-2vccosθ+v2
Ax=x' *√(1-(v2/c2)+vt
By= y'*√(1-(v2/c2)
Cz= z'*√(1-(v2/c2)
となります。
※(-2vccosθ)=(-2vx)/tと置き換えて、ローレンツ変換に合わせた表現にしても良かったのですが、第二余弦定理で表現される意味を伝えたかったので、敢えてこの表現にしました。

CATBIRD変換とローレンツ変換との比較

設例

具体的設例により、ローレンツ変換とCATBIRD変換とを比較します。
図1の通り、θは45°とします。従って、cosθ=1/√2、sinθ=1/√2です。v= c /√2とします。静止系Oの光OP=(x,y,z,t)= (ct/√2, ct/√2,0,t) (z=0の平面で考えます)を移動する慣性系Aに変換します。
ローレンツ変換では、光OPは
(x',y',z',t')=(0, ct/√2,0,t/√2)
と変換されます。
CATBIRD変換では、
(x',y',z',t')=(0, ct,0,t)
です。
ローレンツ変換の逆変換をするには、vを-vとしなければなりません。v= c /√2と設定しているので、 逆方向へ同じだけ-c /√2移動させる必要があります。しかし、変換後の空間は、1/√2となっている為、その距離は
v=(-c /√2)*(1/√2)= -c /2
です。
慣性系Aの光(x',y',z',t')=(0, ct/√2,0,t/√2)を、v= -c /2として、ローレンツ変換で逆変換すると、
(x,y,z,t)=(ct/√2, ct/√2,0,t)
と確かに、逆変換は成立します。

CATBIRD変換で元の静止系に戻すには、
@ からCに(x',y',z',t')=(0, ct,0,t)、v=- c /√2(CATBIRD変換の場合、空間と時間の長さは変換前と同じ) を代入すると、
(x,y,z,t)=(ct/√2, ct/√2,0,t)
と元に戻ります。

ローレンツ変換で慣性系Aの光(x',y',z',t')=(0, ct/√2,0,t/√2)に変換しました。この慣性系Aを静止系と見て、 再度同じ方向へv= c /√2変換させて見ます。ここでも、変換後の空間は、1/√2となっている為、v=c /2で計算します。
(x'',y'',z'',t'')=(- ct/√2, ct/√2,0,t)
変換後の慣性系Hでは、速度は
(c /√2)*2=√2 c
となり、光速(c)を超えてしまっています。変換後の慣性系を、静止系と見直すとする理論は矛盾します。