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ゴールドバッハの予想の解法

1.ゴールドバッハの予想とは

 2より大きな偶数は、2個の素数の和で必ず表せると、ゴールドバッハは予測しました。例えば14は、3+11=7+7と2つの素数の 足し算で表現することが出来ます。

2.Y=X+2A

 偶数は、等しい2つの数に分けることが出来ます。偶数(2Pとする)を2つに等分した(Pとする)一方から、ある数(A)を引き (引いた後をXとする)、他方にその数(A)を足し(足した後をYとする)、XとYが共に素数である様なAが必ず存在すれば、 予測は証明されます。
 Y=X+2Aと表されます。

3.図によるイメージ

 図を使ってイメージを伝えます。横線の左端を0、右端を2Pとし、中間点をPとします。元々、XとYはP上にあります。 Pが素数であれば、XとYを動かさなくても済みます。その時、偶数(2P)=P(素数)+P(素数)と表されます。そうでない場合は、 XをAだけ0に近づけなければならず、その分YはAだけ2Pに近づきます。
 0からPまでの間には、素数が2から順番に3・5・7・11・13・17・19・23・29・・・Nと順番に並んでいます。 2Pの位置からP方向に逆向きに2から順番に3・5・7・11・13・17・19・23・29・・R(0からP間に付した素数と区別する為Rとする) と番号を付けます。この2からRまでの位置が、Yの来る位置です。2からRの位置が、0から見て必ず1つは素数の位置であることを、 証明すれば良いのです。

4.波と的のイメージ

 簡単にする為に、素数の波と的のイメージで説明します。0から発した2の波と横線が交わる2・4・6・8・・・の位置を 、2の波が当たる位置と表します。2PからP間の2からRの位置を、的と表します。波が当たる位置に的があれば、 その的を撃つことが出来ると表します。0から出発した2からNの素数の波で、2からRの的全てを、撃つことが出来るでしょうか。

5.Nの波では

 Nの波では、2の的しか撃てません。NとRの間は、2Aで偶数です。N=Rなので、RをNの位置まで移動させると、 Nの波は2Pから2AだけP方向に寄った位置に当たります。2Aは偶数なので、偶数の的にしか当たりません。 素数の中で、偶数であるのは2のみです。従って、Nの波では、2の的しか撃てません。

6.2の波では

 また、2の波では2の的しか撃てません。2の波は、N(素数)には当たらず、NとRの間は2Aの偶数なので、Rにも当たりません。 Rに当たらない2の波は、2の的に必ず当たり、それ以外の的には当たりません。

7.Rの的

 Rの的を2とNの波以外の波で、撃たなければなりません。仮に、Rに3の波が当たる様に設定します。すると、 3の波は3の的には当たりません。2PからP方向に向けて発した3の波は、3の的を通りRの的には当たりません。ですから、 3の波をRの的に当てるように動かすと、もう3の的には当たらなくなります。3の的に、仮に5の波が当たるように設定出来たとします。 そうすると、5の波は5の的には当たりません。5の的に、また別の素数の波が当たる様設定出来たとすると、今度は、 その番号の素数の的が撃てなくなります。そうして、次々と的を別の番号の波で撃つと、最後に的が1つ残ります。 的は2の的以外ですが、波は2とNの波以外だからです。

8.その他の方法

 1つの波で2つ以上の的を撃つように波を設定することや、7の波で11の的を、11の波で13の的を、13の波で7の的を撃つ様に、 波を設定したとします。しかし、それでは全ての波が0を通過することはなくなります。1つの波が1つの的を撃つのなら、 全ての波が全く偶然にも0を通過する可能性は残ります。

9.全ての波が1点に集まる位置

 1つの波で1つの的を撃つ場合、全ての的を撃つことの出来る波の配置は、2Pの位置より2からNの波を発射した形以外にありません。 それ以外では、1つの波が複数の的を撃つことになります。2の波は2の的を、3の波は3の的を、nの波はRの的を射抜きます。 しかし、この配置でも全ての波が0を通過することはありません。全ての波が1点に集まる位置は、 発射してから2×3×5×・・・×Nの位置で、0よりも遥かに先の方です。その位置から2からNの波を発射して始めて、 2からR全ての的を撃つことが出来ます。

10.結論

 従って、全ての的を撃つことは出来ず、Yは必ず素数であることが可能です。このことより、2より大きな偶数は、 2個の素数の和で必ず表せると言えます。