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  • 双子の素数問題

     「双子の素数問題」とは、3と5・5と7・11と13・17と19の様に、その差が2である素数の組は無数にあるのかと言う問題です。

     素数が無限にあることは、以下のとおり証明されています。
     ある素数をpとします。そのpとpより小さい全ての素数を掛けた数をqとします。qはpとpより小さい全ての素数の倍数です。
     そして、qに1を足します。q+1はpより小さい全ての素数で割ることは出来ません。なぜなら倍数に1を足すと元の数で割ることが出来ないからです。ですからpが幾ら大きな数であっても、pより大きいq+1の素数が存在します。したがって、素数は無限に存在します。

     しかし、「双子の素数」が無限にあるかと言う問いに、まだ結論は出ていません。そこで、このホームページでそれを探求します。

     ここでは、上記の証明と類似した手法を採用します。
     ある素数をpとします。そして、q+1と言うpより大きい素数は必ず存在することは証明されています。q+1の双子の素数はq+3です。
     しかし、
    @2×3×5×7×11×13×・・・・×p+1
    A2×3×5×7×11×13×・・・・×p+3
    では、Aは常に3の倍数になります。(2×3×5×7×11×13×・・・・×p)と3は3で割り切れます。「3の倍数+3の倍数=3の倍数」なので、Aは素数ではありません。

     したがって、双子の素数を@とAと表現することは出来ません。
     そこで、@とAから「×3」を除きます。すると
    B2×5×7×11×13×・・・・×p+1
    C2×5×7×11×13×・・・・×p+3
    です。そして、BとCが3の倍数でなければ、BとCは双子の素数です。何故なら、BとCは3以外の素数では割り切れないからです。このことを説明します。
     D(2×5×7×11×13×・・・・×p)に1や3を足しても、5からpまでの素数では割れません。それらの素数で割っても余り1と3になるからです。
     また、2で割っても余り1となります。故に、BとCは3以外の素数では割り切れません。

     では、次に進みます。
     D(2×5×7×11×13×・・・・×p)≠3の倍数です。何故なら、Dは3で割り切れない素数のみを掛けた数値だからです。ですから
     D(2×5×7×11×13×・・・・×p)÷3の余りは1か2です。
     まず、「余り1」のケースを考察します。
    B(2×5×7×11×13×・・・・×p+1)÷3の余りは、(1+1)÷3=0余り2です。
    C(2×5×7×11×13×・・・・×p+3) ÷3の余りは、(1+3)÷3=1余り1です。
    ですから、BとCは3で割り切れず双子の素数です。

     次に、余り2のケースを考察します。
    B(2×5×7×11×13×・・・・×p+1)÷3の余りは、(2+1)÷3=1余り0です。
    C(2×5×7×11×13×・・・・×p+3) ÷3の余りは、(2+3)÷3=1余り2です。
     したがって、Bは3の倍数であり素数ではありません。故に、BとCは双子の素数になりません。

     この様に「双子の素数」になる条件は、D(2×5×7×11×13×・・・・×p)÷3の余りが1になることです。
     pが大きくなっても、どこまでもD(2×5×7×11×13×・・・・×p)÷3の余りが1であれば、「双子の素数」は無限にあることになります。
     しかし、どこかで余りが2になり双子の素数でなくなったとします。それ以降必ず余りが1になるものが現れることが証明されれば、「双子の素数」は無限にあることになります。

     それを検討します。
     あるところでD(2×5×7×11×13×・・・・×p)÷3の余りが2になりました。次の素数はqです。qを3で割って余りが1であれば、E(2×5×7×11×13×・・・・×p×q)÷3の余りも2になり、双子の素数は現れなくなります。
    D(2×5×7×11×13×・・・・×p)÷3=3n+2、q=(3m+1)と置くと
    E(2×5×7×11×13×・・・・×p×q)= (3n+2)( 3m+1)=9mn+3m+3n+2=3(3 mn+m+n)+2
    だからです。
     一方、qを3で割った余りが2であれば、E(2×5×7×11×13×・・・・×p×q)÷3の余りは1になり
    E(2×5×7×11×13×・・・・×p×q)+1もE(2×5×7×11×13×・・・・×p×q)+3も素数になり、双子の素数になります。
     ですからあるところ以降、3で割って余りが1の素数のみが現れる様になると、それ以降双子の素数は現れないことになります。
     しかし1から無限までの数を、素数2は2から1つ置きに、3は3から2つ置きに、5は5から4つ置きに、7は7から6つ置きに・・・、素数でなくして行きます。  この様にイメージすると、3の倍数より2つ大きい数(3n+2)を永遠に素数で無くする素数はないことが分かります。

     つまり、あるところ以降の素数が永遠に3n+1のみとなることはないので、双子の素数は無限にあると言えます。