フェルマーの最終定理は、nが2より大きい自然数であれば Xn+Yn=Znを満たす、自然数X、Y、Zは存在しないと言う内容です。
n=2の時、3×3+4×4=5×5が存在します。しかし、nが3以上なら数式を満たす自然数はないと言うものです。
エクセルを使って説明します。
シートTのA列に1・2・3・4・5・・・16と入力します。B列にはA列を1乗する式(B1=A1等)、
C列には2乗する式(C1=$A$1×B1等)、D列には3乗する式(D1=$A$1×C3等)、・・・・K列には10乗する式
(K1=$A$1×J1等)を入力します。1の1乗から16の10乗までの数値が出来ました。
次にシートTのC列(2乗列)を、シートUのA列に貼り付けます。B列には、A列の前後数値の差を計算する式
(B1=1 B2=A2−A1 B3=A3−A2等)を入力します。
更に、C欄にB列の前後数値の差を計算する式
(C1=1 C2=B2−B1 C3=B3−B2等 1行目は常に1)を入力します。C列は1・2・2・2・2・・と2
(この連続する数を、連続基数と呼ぶ)が続きます。シートTのD列(3乗列)を別シートのA列に貼り付けます。
A列の差額を求める式をB列に、B列の差額を求める式をC列に、C列の差額を求める式をD列に(1行目は常に1)入力します。
D列は1・5・6・6・6・6・・・と以後6が続きます。同様に4乗列は差額を求める計算を4回繰り返すと、
E列に1・12・23・24・24・24・・・と24が続きます。10乗列は10回繰り返しで1・1014・48854・504046・1814400・3124754・3579946・
3627786・3628799・3628800・3628800・・と3628800が続きます。つまり、10乗した数は、この数値(基数と呼ぶ)を何倍かして足せば、
表せることになります。他の累乗の場合も同じで、基数が算出されます。
10乗では、連続する数は、1×2×3×4×5×6×7×8×9×10=3,628,800です。
そして、両端から2つづつ足せば連続する基数となります。
つまり、1+3628799=1014+3627786=48854+3579946=504046+3124754=1814400+1814400=3,628,800となります。
そして、どの乗においても1つ目の基数は1、2つ目の基数は2のn乗−n(nは乗数を表す)、連続基数の前の基数は、
連続基数から1を引いた値になります。下記で再度説明します。
次に、基数を何倍すれば良いかを計算する表を作成します。
では、2乗した数値を求めましょう。
2乗の場合、基数の1と2を何倍かして足します。新シートのA1に1を、A2に2を入力します。
累計シートの2行目(1・2・3・4・・13)をB1から貼り付けます。累計シート3行目(1・3・6・10・15・21・・・78)
をC2から貼り付けます。例えば、E列は4を2乗した値となります。1×4+2×6=16=4×4です。
3乗の場合は、A1に1、A2に5、A3に6(3乗の差額を求めたシートの基数)を入力します。累計シートの3行目(1・3・6・・91)をB1から、
同じく3行目をC2から貼り付けます。累計シートの4行目(1・4・10・20・・・286)をD3から貼り付けます。例えば、
I列は8を3乗した値です。1×36+5×28+6×56=512=8×8×8です。
4乗はA列に基数を1・12・23・24と入力し、累計シート4行目(1・4・10・20・・・364)をB1・C2・D3から、
5行目(1・5・15・35・・715)をE4から貼り付けます。
5乗は基数の1・27・93・119・120をA列に入力し、累計シートの5行目を、1から119の行に一列づつずらして貼り付けます。
120の行には、6行目を一列ずらして貼り付けます。この場合のルールは、その乗の基数をA列に貼り付け、それぞれの基数の行には、
累計シートの対応する行(2乗は2行目、3乗は3行目、4乗は4行目、以下同じ)を、1列づつずらしてそれぞれの基数の行に貼り付けます。
そして、連続基数の行には、累計シートの次の行(2乗は3行目、3乗は4行目、4乗は5行目、以下同じ)を1列ずらして貼り付けることです。
フェルマーの最終定理は、前記の「B10乗の値を求める表」の、何列目かと何列目かを足すと何列目かになる場合があるかと 言い換えることが出来ます。
その為にはまず、基数について分析して見ましょう。2乗の基数は1と2です。3乗の基数は1と5と6です。4乗は1・12・23・24です。
10乗は1・1014・48854・504046・1814400・3124754・3579946・3627786・3628799・3628800です。基数の数は2乗なら2つ、
3乗なら3つ、・・・10乗なら10個となります。
連続基数は2乗なら1×2=2、3乗なら1×2×3=6、4乗なら1×2×3×4=24、
・・・10乗では、1×2×3×4×5×6×7×8×9×10=3628800です。
そして、両端から2つづつ足せば連続基数になります。
10乗では、1+3628799=1014+3627786=48854+3579946=504046+3124754=1814400+1814400=3628800となります。そして、
どの乗においても1つ目の基数は1、2つ目の基数は2のn乗−n(nは乗数を表す)、連続基数の前の基数は、
連続基数から1を引いた値になります。
次に、基数の倍数を分析してみます。「B10乗の値を求める表」の縦列は、累計シート10行目を逆にした数列です。
等差数列ではないので、ある列のそれぞれの基数の数と、ある列のそれぞれの基数の数を足すと、
別列のそれぞれの基数の数に丁度なると言う事はありません。
2乗の場合は、基数が1と2のみであり、全ての基数が倍数の関係にあるので、それぞれの基数の数は異なっていても、
全体が等しくなる場合があります。例えば3×3+4×4=1×3+2×3+1×4+2×6=1×5+2×10=5×5(1が7つと2が9つは、
1が5つと2が10個と等しい)となる場合があります。これは、全ての基数が倍数の関係にある場合にしか、起こりえません。
3以上の乗で、全ての基数が倍数の関係にある場合があるか検証してみます。2番目に小さい基数は、2のn乗−nです。
連続基数である1×2×3×4×・・・×nが、2のn乗−nで割り切れるのは、連続基数の丁度半分の値である時の1度のみです
(3乗以上の場合)。また、連続基数が、1×2×3×4×5×6×7×8×9×10ですので、2番目に大きい基数はこれから1を引くことになり、
素数になります。ですから、3乗以上では、全ての基数が倍数の関係にある場合はありません。
では、基数を端から2つ取って足した場合、連続基数になるのですから、それぞれ対応する基数の数が等しければ
全体が連続基数の倍数となるので、それぞれの基数の数は異なっていても、ある列とある列を足せばある列になることが、
あるかも知れません。しかし、表を見るとおり、小さい基数の数の方が多いことが分かります。全体が、
連続基数の倍数になることはありません。
以上述べた事は、3乗以上であれば、何乗の時でも当てはまります。従って、nが2より大きい自然数であれば
Xn+Yn=Znを満たす、自然数X、Y、Zは存在しません。