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相対性原理を満たす時間と空間の変換式

T.相対性原理

 ニュートン力学では、時間と空間は変化しないとしました。つまり、絶対時間と絶対空間があると考えました。

 一方、相対性理論では、時間と空間は変化すると考えます。ここでは、「相対性理論」について説明します。

 どれ位の速度で移動する慣性系でも、またどれ位の強さの重力場(=加速度系)でも、物理現象を表す方程式は同じとなります。前者を「特殊相対性原理」、前者と後者を含めて「一般相対性原理」と言います。

 この原理に従うと、全ての慣性系と加速度系で、観測者に物理現象が同じと測定されます。つまり全ての系で、真空中を進む光の速度は光速度cであり、磁石や電磁石により生じる電磁気力の強さ・強い力・弱い力・重力は同じです。

 電磁気力も強い力も弱い力も、ゲージ粒子が光速度cで粒子間を往復して生じます。重力も、量子力学ではそう理解されています。つまり、この宇宙の最高速度は光速度cであり、それが全ての系で同じなら、生じる電磁気力・強い力・弱い力・重力の強さは同じになり、物理現象は同じ方程式で表されます。

 ですから「相対性原理」が成立するには、光速度cが不変となるように、時間と空間の座標が変化する必要があります。

U.高速移動による時間と空間の変化

 では、特殊相対性理論から説明します。
vq/秒で移動すると、空間と時間の座標が次の「ローレンツ変換」のとおり変化します。
@x'=(x-vt)/√(1-v2/c2
Ay'= y
Bz'= z
Ct'= (t-vx/c2) / √(1-v2/c2

 高速移動する物質は、「動き難く」なり、また「ローレンツ収縮」します。
物質は、光速に近づくほど加速し難くなります。したがって、高速移動する時計は遅れます。

 次に「ローレンツ収縮」です。vq/秒で移動すると、物質は横方向へ√(1-v2/c2)倍収縮します。これを「ローレンツ収縮」と言います。電子は、原子核の周りを高速で回転し、その遠心力と原子核に引き付けられる電磁力の釣り合う一定距離を保っています。原子が高速移動すると、電子は回転し難くなり遠心力は弱まり電子は原子核の電磁気力に引き付けられ、原子自体が横方向へ「ローレンツ収縮」します。

 この様に、v慣性系では、物質である定規が√(1-v2/c2)倍「ローレンツ収縮」する為、距離は逆に1/√(1-v2/c2)倍長く測定されます。また、その間に観測者自身がvtq移動しているので、その分距離は短く測定されます。上下左右方向(縦方向)には変化はありません。従って、これを方程式で表わすと
@x'=(x-vt)/√(1-v2/c2)
Ay'=y
Bz'=z
です。

 光の座標を便宜上平面で、P(x,y,z)=(ct*cosθ,ct*sinθ,0)とします。光は、原点Oを発してt秒後にPの位置に到達します。光が移動した時間はt秒です。光の移動した距離は、√(x2,y2,z2)=√{(ct*cosθ)2+(ct*sinθ)2+02}=c[m]です。従って、静止者が見た光の速度は、c[m]÷t[s]=c[m/秒]です。
 今度は、v[m/秒]で移動する観測者Aが同じ光を見ると、その速度は幾らと観測されるか、時間と空間の座標の変換式@ABDを使って計算します。
v慣性系で光の進んだ距離√(x'2+y'2+z'2)=√{(( ct*cosθ-vt)/√(1-v2/c2))2+( ct*sinθ)2+02}=(c-vcosθ)t/√(1-v2/c2)[m]

 光速度が不変となるためには
光の移動時間Ft'=(c-vcosθ)t/c√(1-v2/c2)[s]
でなければなりません。これで
v慣性系における光の速度=(c-vcosθ)t/√(1-v2/c2)[m]÷(c-vcosθ)t/c√(1-v2/c2)[s]=c[m/秒]
と「光速度不変」になります。

 光のX軸の座標x=ct*cosθなので、cosθ=x/ctです。これをFに代入すると
Ft'=(c-vcosθ)t/c√(1-v2/c2)= (c-vx/ct)t/c√(1-v2/c2)=C (t-vx/c2) / √(1-v2/c2
です。まとめると
@x'=(x-vt)/√(1-v2/c2)
Ay'=y
Bz'=z
Ct'= (t-vx/c2) / √(1-v2/c2
と「ローレンツ変換」となります。

V.重力による時間と空間の変化

 次は「局所慣性系」における、重力による時間と空間の座標の変化を説明します。
先ず、重力による空間の曲率を求めます。
例えば、重力により半径rの円周と同じだけ光が曲げられたとします。そして「空間の曲率=1/半径r」です。
つまり
光が半径rの円周に沿って進む時の空間の曲率=1/r
です。

 この曲率を、質量mと距離rで表現します。先ず、光の加速度を求めます。
この宇宙で最も大きな加速度は、最短時間であるプランク時間tpで最速である光速cに達するものです。これを「プランク加速度ap」と言います。したがって
プランク加速度ap=c/tp
です。
そして、光の加速度もプランク加速度apです。

 一方 重力加速度g=Gm/r2 (G=万有引力定数、m=質量、r=距離)
です。重力が光に作用すると、光自身の推進力であるプランク加速度apと物質からの万有引力による重力加速度gの合成により、光の進路が決まります。

プランク質量mpからプランク距離lp離れた地点の重力加速度g=Gmp/lp2=(lp^3/mp*tp2)×mp÷lp2=lp/tp2=c/tp=プランク加速度ap
です。
 ※G= lp^3/mp*tp2、c=lp/tpを使いました。

 そして「等速円運動の加速度a=v2/r」なので
半径がプランク距離lpの円周を等速円運動する光の加速度a=c2/lp=lp/tp2=c/tp=プランク加速度ap
です。
 ※c=lp/tpを使いました。

 これで、重力加速度と光の円運動の加速度が同じになりました。つまり、光はプランク質量mpからプランク距離lp離れた円周上を、万有引力に引かれ光速度cでグルグル回るのです。ですから
プランク質量mpからプランク距離lp離れた地点の空間の曲率=1/lp
です。

 重力加速度gは、質量mに比例し距離rの2乗に反比例するので
質量mから距離r離れた地点の光が進む円周の半径R=lp×c/tp÷g= lp×c/tp×r2/ Gm=(c2/G) r2/ m
です。したがって
質量mから距離r離れた地点の空間の曲率=1/R=(G/c2)m/r2
です。これで空間の曲率「1/R=(G/c2)m/r2」が求まりました。この曲率を「kothimaro曲率」と呼びます。

 そして重力に垂直な方向をX軸とすると、質量mからr離れた「局所慣性系」の重力による時間と空間の変換式は次のとおりです。
Gt'={t-(lp*x/Rc)}/√{1-(lp2/R2)} [1/R=(G/c2)m/r2=kothimaro曲率]
Hx'={x-(lp*ct/R)}/√{1-(lp2/R2)}
Iy'=y
Jz'=z
Kc'=c (光速度不変の原理)
です。これを「kothimaro重力変換」と呼びます。

光の座標  光の座標を便宜上平面で、P(x,y,z)=(ct*cosθ,ct*sinθ,0)とします。光は、原点Oを発してt秒後にPの位置に到達します。光が移動した時間はt秒です。光の移動した距離は、√(x2,y2,z2)=√{(ct*cosθ)2+(ct*sinθ)2+02}=ctqです。従って、無重力場に居る者Bが見た光の速度は、ct[m]÷t[s]=c[m/秒]です。

 今度は、質量mからr[m]離れた重力場gに居る観測者Aが同じ光を見ると、その速度は幾らと観測されるかを、時間と空間の座標の変換式GHIJを使って計算します。
g重力場で光の進んだ距離=√(x'2+y'2+z'2)=√[{x-(lp*ct/R)}/√{1-(lp2/R2)}2+y2+z2)]=√[{ct*cosθ-(lp*ct/R)}/√{1-(lp2/R2)}2+ (ct*sinθ)2+02)] =√{(R2c2t2cosθ2-2Rc2t2lp cosθ+lp2c2t2+R2c2t2 sinθ2-lp2c2t2 sinθ2)/(R2-lp2)} =√[{R2c2t2-2Rc2t2lp cosθ+lp2c2t2-lp2c2t2 (1-cosθ2)}/(R2-lp2)] =√[{R2c2t2-2Rc2t2lp cosθ+lp2c2t2cosθ2)}/(R2-lp2)]=√{(R2)(c2t2-2c2t2lp cosθ/R+lp2c2t2 cosθ2/R2)/(R2-lp2)}=ct√(1-2lp cosθ/R+lp2 cosθ2/R2)/√(1-lp2/R2)=ct(1-lp cosθ/R) /√(1-lp2/R2)=ct(1-lpx/Rct) /√(1-lp2/R2) =c{t-(lp*x/Rc)} /√(1-lp2/R2)[m]
 ※x= ct*cosθ、 cosθ=x/ctを使いました。

 一方
g重力場で光の進んだ時間Bt'={t-(lp*x/Rc)}/√{1-(lp2/R2)}[s]
なので
g重力場の観測者Bから見た光の速度c'= [c{t-(lp*x/Rc)} /√(1-lp2/R2)]÷{t-(lp*x/Rc)}/√{1-(lp2/R2)}=c[m/秒] (光速度不変)
です。このように、「kothimaro重力変換」で「一般相対性原理」は成立します。

 以上のとおり、高速移動や強い重力により、時間と空間の座標が「ローレンツ変換」や「kothimaro変換」します。