人間が感じているのは心が作り出した時間です。決して、外界に流れる時間を感じている訳ではありません。
ですから、人間には時間は何か知ることが出来ません。しかし、時間そのものが変わっても、何も物理現象は変わらないのです。
DVDを早送りで見てもスローで見ても、そのストーリーや結末に変化はありません。DVDの中の人物や物質が、それに合わせて動きの速度を変化させるからです。
同様に、外界の時間の流れが速く又は遅くなっても、何も物理現象は変わりません。宇宙にある物質がそれに合わせて動きの速度を変化させるからです。
故に、高速移動する時計が遅れる現象は、時間そのものの遅れでなく、時計を構成する粒子が動き難くなることで説明しなければなりません。光速に近づく程、粒子が動き難くなる現象は、加速器の実験で実証済みです。
高速移動すると、私の体を構成する粒子が動き難くなります。私はゆっくりと動き・思考し・年を取るようになります。私が持っている時計を構成する粒子も同様なので、時計はゆっくりと時を刻みます。
私が静止している人を見ると、あたかもその人に流れる時間は速く経過しているように見えます。静止している人は、速く動き・速く思考し・速く年を取ります。静止者の持っている時計は速く時を刻んで見えます。
しかし、実際には私や私の時計の物質的変化がゆっくりとなっただけです。こう言う意味で、高速移動に伴う「主観的時間の変化」と呼びます。
ですから、時間そのものが何かは分かりませんが、時間そのものの変化を考えるのは意味のないことです。物理現象は、物質の変化で説明しなければなりません。