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自発的対称性の破れと超ひもの網の形成

T.宇宙背景輻射

宇宙背景輻射  私の「超ひもの網」を理解するには、先ずどうして光(宇宙背景輻射)は一定速度の光速cで真空中を伝わるのかを考えなくてはなりません。

 それぞれの光(宇宙背景輻射)が、様々な速度で移動する系を光速cで伝わっているとしたら、決して地球は宇宙背景輻射の中を370[q/秒]で移動していると観測されません。

 それぞれの光(宇宙背景輻射)は、同じ一つの空間S00(相対的静止系)を光速cで伝わっているからこそ、地球は光(宇宙背景輻射)の中を370[q/秒]で移動していると観測されるのです。

U.光速度

超ひも  では、光(宇宙背景輻射)が伝わっている特別な系S00とは一体何でしょうか。それを考えるにはどうして光速cが速度の上限なのかを考える必要があります。
 あらゆるものは1本の超ひもの振動として表されます。つまり、光も超ひもの光としての振動です。
 そして、1本の超ひもの長さはプランク距離Lp[m]です。この上を光の振動が光速c[m/s]で伝わります。この光の振動が、1本の超ひもの端から端まで伝わるのに要する時間がプランク時間Tp[s]です。ですから
プランク距離Lp÷光速c=プランク時間Tp、∴c=Lp/Tp
です。


光  この光としての振動が、真空中も同じ光速cで伝わります。このことから導かれる結論は、真空中には超ひもが繋がった網があり、光としての振動は真空中を(「超ひもの網」上を)そのまま光速cで伝わっているです。
 ですから、この「超ひもの網」が相対的静止系S00です。

V.真空の相転移

飛び回る超ひも  次に「超ひもの網」の形成について説明します。
 宇宙開闢の初期、一本一本の超ひもはバラバラで自由に光速を超えて動き回っていました。ですから、宇宙開闢の初期において、ものは光速を超えて四方八方へ飛び散ることが出来たのです。

 したがって、現在宇宙開闢後138億年しか経過していないのに、138億光年以上離れた天体から全く同じ宇宙背景輻射が届くのです。つまり、ものは一瞬光速を遥かに超える速度で飛び散ったので、138億年で138億光年以上移動することが出来たのです。

超ひもの振動  次第に宇宙のエネルギーが低下しました。そして、終に「真空の相転」移が起こり、超ひもは網状に繋がりました。
 「相転移」とは、水蒸気の水の分子がバラバラでランダムに飛び回っている状態から、温度が低下し氷の分子が規則正しく並ぶ変化を言います。水蒸気は水の分子がランダムに移動しており、それらは空間の特別な方向を選んではいません。ですから、高い対称性を保っています。
 しかし、氷は中心軸が決まると、それに従って水の分子が規則正しく並びます。この様に、氷は中心軸と言う特別な方向を選んでおり、対称性が低くなります。

真空の相転移  再度、別な角度からアプローチします。水蒸気の水の分子はランダムに動き回っているので、どの方向から見ても同じです。ですから、どこから見ても対称性が成立します。これを対称性が高いと言います。
 一方、氷の水の分子は規則正しく並んでおり、見る方向により違う形に見えます。ですから、対称性を保つには、特定の方向から見なければなりません。これを対称性が低いと言います。

 この様に、高い対称性から低い対称性に転移することを「相転移」と言います。超ひもも、宇宙開闢当初バラバラでランダムに飛び回っていたので、高い対称性を保っていました。
 しかし、宇宙のエネルギーが低下し、超ひもは規則正しく網状に繋がりました。ですから対称性が低くなったのです。こういう意味で、超ひもがバラバラで自由に飛び回り対称性が高い状態から、規則正しく並んで結びつき対称性が低い状態に転移することを、「真空の相転移」と言います。

 1本の超ひもが中心軸を選ぶと、他の超ひもは次々とそれに倣って同じ中心軸で並びます。これを「自発的対称性の破れ」と言います。

 次は、真空について説明します。光や物質として振動する超ひもは光や物質として見え、その振動が止まると真空に見えます。
 しかし、相転移前の真空は、振動していないバラバラの超ひもがランダムに飛び回っています。一方、相転移後の真空は、網状に規則正しく繋がった振動していない「超ひもの網」があります。こういう意味で、真空が対称性の高い状態から低い状態に転移したので「真空の相転移」と言います。