遠くにある惑星の観測方法

惑星の表面温度

 その惑星から届く光を観測すると、実に多くのことが分かります。
 例えば、その惑星の大気の成分を知ることが出来ます。その惑星が、主星の前を通過する時、主星の発した光は惑星の大気を通過して地球に届きます。その光に、大気の組成情報が刻まれます。その光を分析することで、惑星の大気の組成を知ることが出来るのです。
 しかし、主星から届く光の内、僅か0.01%が惑星の大気を通過したものです。その為に、観測は困難を極める様です。大気の成分が分かれば、惑星大気に占める一酸化炭素の量が求まり、主星からの距離から、惑星表面の温度変化を知ることが出来ます。単に、恒星からの距離で、惑星の表面温度を計算することは不可能でしょう。

惑星を構成する物質

 また、惑星は、公転することで主星を僅かにふらつかせます。その主星のふらつきを観測して、その惑星の質量を求めることが出来ます。惑星の質量が分かれば、その大きさから密度が求まり、惑星を構成する物質が分かります。科学者は、惑星の見た目の大きさが地球位なので、恐らくこの惑星は岩で出来ているのだとだいたいのところで判断している訳ではありません。

重力レンズ

オレスト・フヴォリソン

 惑星から届く光の量は、恒星に比べると僅かです。その為に、様々な観測方法が工夫されています。通常の望遠鏡では、惑星から届く僅かな光を観測するには、巨大なレンズや凸面鏡を必要とします。
 そこで、重力レンズを利用して観測する方法が開発されています。一般相対性理論によると、光も重力により曲げられます。レンズにより光が曲げられ、惑星が発した光を一点にまとめると、その惑星の姿が映り出されます。重力レンズを使うと、超巨大なレンズを使って光を集めたのと同じ現象になります。巨大な質量を持つ星の強い重力により、観測しようとする惑星が発した光が曲げられ一点に集まると、そこに惑星の鮮明な映像が映し出されます。これを使えば、より精度の高い観測が可能となります。ただ、惑星からの光を、都合よく地球上の一点に集める様な巨大な星を発見することが難しいのです。

地球のデータとの比較

 観測で得られた様々なデータと、実際の計測により得られた地球のデータを比較して、惑星表面の環境を導き出すことが可能なのです。これは、推測や予測ではなく、その惑星が太陽系と同じ水素からウンウンオクチュウムまでの118の元素で組成されていると仮定すると、必然的に導かれる結論なのです。