宇宙人が攻めてきたらどう対処したらよいか

戦争の原因

トマス・ロバート・マルサス

 先ず、戦争は何故起こるのかから検証してみましょう。
 その為には、マルサスの人口論が参考となります。マルサスは、二つの自明である前提を置きます。一つ目は、「食料は人間の生存に必ず必要である」です。二つ目は、「性欲は必ず存在する」です。この二つの前提から導かれるのは、人口は制限されなければ幾何級数的につまり爆発的に増加するけれども、生活資源は算術級数的につまり2倍3倍としか増産することが出来ないと言うことです。
 人口は、制限しないと人口爆発します。それに比べて、食料等の生活資源は、土地が制限されているために、その生産量は努力しても少しずつしか増産することが出来ません。従って、今は裕福でも、世代を下るに従って必然的に貧しくなり、終には生きて行く食料にも事欠くようになります。そうなると、他国の食料や資源を我が物にする為に戦争が起こります。

 この様に、戦争は生活物資の不足から起こるのです。しかし、人類も何百年か先には、食料も全自動の工場で生産する様になるでしょう。資源も、他の太陽系の惑星から無尽蔵に持って来る様になるでしょう。子供の数も適正な数に抑えられるでしょう。そうなると、共有物である全自動の工場でロボットが働き、必要なものはそこから無尽蔵に生産されるようになります。そして、人間は望むだけ働き、必要なものを必要なだけ消費することが出来るようになります。
 こうなると、戦争をする意味がなくなります。共産主義はこれを目指しましたが、無尽蔵の生産能力には程遠かったので頓挫しました。全ての人の欲望を満たすだけの生活物資を生産することが出来なければ、物資を平等に配分することになります。幾ら一生懸命働いても、或いはあまり働かなくても、配分は同じであれば、人は働かなくなります。すると、生産物はより少なくなると言う悪循環に陥ります。
 光速に近い速度で移動できる宇宙船を開発した宇宙人は、既にこの理想的な状態に達しているでしょう。

免疫機構

 また、宇宙人は、地球の空気をそのまま呼吸することは出来ません。地球に住むとしても、密閉された部屋の中で、外から病原体が入らない様にして生活しなければなりません。それでは、宇宙船の中と同じです。わざわざ、目的のない戦争をして地球を占領する必要はありません。

法律闘争

 こうなると、人間を殺戮するのはハンターのみです。鳥や獣を銃で撃ち、ゲームとして楽しむのと同じです。その様な一部の宇宙人が、人間を襲う可能性はあります。その時は、母星に居る宇宙人に訴え掛けるべきです。人類愛護法を成立させ、人類保護官を地球に派遣して貰い、ハンターが地球に侵入しない様に監視してもらうのです。そして、残念ながら人間が殺されてしまった場合には、宇宙人の裁判所に訴え損害賠償をさせるべきです。
 無闇に核兵器、細菌兵器、化学兵器を総動員して戦ったとしても、勝ち目はありません。楽しみの為に殺戮するハンターを下手に刺激すると、人類は絶滅させられる恐れがあります。