宇宙の膨張は空間の膨張か

ビッグバンにより何が膨張しているのか

 よく「宇宙の膨張は空間の膨張である」と言う主張を耳にします。137億年前に熱放射された波長は、その間「空間自体」が序々に膨張したので引き伸ばされマイクロ波となった。まるで、風船に書いた波模様が、風船を膨らませると伸びる様に。また、137億年前3,600万光年離れたプラズマが熱放射した位置は、その間「空間自体」が序々に膨張したので137億光年に伸びたので、マイクロ波は137億年かけて地球に到達した。まるで、風船に書いた地球とプラズマの間隔が、風船を膨らませると離れて行く様に。この様に主張されている方が居られます。

相対性理論に空間の実体はない

 しかし、一般相対性理論に「空間自体」と言う概念はありません。「空間自体」が膨張するのであれば、どの様な仕組みにより膨張するのか説明出来るでしょうか。また、空間が膨張すると物質もそれに伴って膨張するのでしょうか。それなら、地球は46億年前に比べてかなり大きくなっている筈ですが、その様な話は聞いたことがありません。

天体が移動している

 やはり、宇宙の膨張は、天体が外に向かって移動していると考えるべきではないでしょうか。光の相対速度は、光源や地球の移動速度には影響されず、常にc[m/s]です。これを「光速度不変の原理」と言います。地球とプラズマが3,600万光年離れていたのなら、重力の影響を受けなければ、光は3600万年で地球に届きます。「空間自体」が膨張するので、波長が引き伸ばされ、光の到達時間が遅れるとの思考様式は、相対性理論とは相容れないものです。