宇宙は無限か有限か

宇宙の端

 宇宙とは、この世の全てでしょうか。それとも、その一部でしょうか。

 先ず、宇宙は有限か無限かを考察します。
 ビッグバンの爆発力により、点から宇宙空間自体が膨張しているのなら必ずその端はあります。しかし、宇宙は地球から離れるに従って速い速度で遠ざかっています。この宇宙で因果関係の伝わる速さの上限は光速です。即時に伝わる因果関係はないのです。
 宇宙の端は、光速を遥かに超えた速度で地球から遠ざかっています。ですから、宇宙の端からはいかなる因果関係も地球に届きません。逆に、地球からの因果関係も届きません。

マルチバース

 次に、我々の宇宙とは別の宇宙があるかについて考察します。別の宇宙を「マルチバース(多元宇宙)」と言います。「マルチバース」とは、お互いに影響力を及ぼすことが出来ない多数の宇宙がこの世に存在すると考える理論です。影響力を及ぼし合うのであれば、それは一つの宇宙と考えることが出来ます。

 この考え方は、「インフレーション理論」から生まれました。宇宙の始まりにおいて、宇宙は光速を遥かに超えるスピードで膨張した為、多数の宇宙に分かれた可能性があるのです。それぞれの宇宙は、光速を超える膨張が終わると、距離が離れすぎている為、因果関係の最速である光速をもってしても、お互いに影響を及ぼし合うことが出来なくなります。親宇宙から子宇宙が分かれ、子宇宙から孫宇宙に分かれ、お互いに影響を及ぼさない多くの宇宙が存在すると考えます。

物理計算

 しかし、我々の住む宇宙に全く影響を与えない「宇宙の端」や「マルチバース」が存在するか否かは哲学上問題とはなります。
 したがって、物理学上は全く影響を与えないので、それらは無いものとして計算します。

 この様に物理学上は我々に影響を与える存在の全体を宇宙と言います。