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ウィークボゾンの質量の求め方

T.弱い力とウィークボゾン

β崩壊

 中性子nはベータ崩壊して陽子pと電子eと反電子ニュートリノになります。
β崩壊式1  湯川博士は、この反応を二段階に分けました。
β崩壊湯川式
Wはウィークボゾンの一種であるWボゾンです。質量は80.385[GeV]です。ウィークボゾンはクォーク間に働く弱い核力のケージ粒子です。

 上記の反応を、クォークのレベルで記述すると次の様になります。
β崩壊クォーク式
 中性子nは、1つのuクォークと2つのdクォークから成ります。陽子は、2つのuクォークと1つのdクォークから成ります。
 中性子nの中の1つのdクォークがWを放出し、uクォークに変わります。これで、中性子nは陽子pに変わります。
 つまり、Wボゾンは3つのクォーク間を往復して、それらを結び付ける力の1つである弱い力を生じさせます。

U.物質の質量はドブロイの式より求められる

 そして最新の研究で、クォークの半径の上限は4.3×10-19[m]との結果が出ています。この数値を使ってウィークボゾンの質量を求めましょう。 光のエネルギーE=hv (h=プランク定数・v=1秒当たりの振動回数[Hz])
です。
 ドブロイはこれが電子等の物質にも当てはまると考えました。そして物質の場合はhバー=換算プランク定数=h/2π= 1.054571726×10-34[Js]を使い
物質のエネルギーE=hバーv
です。

V.クォークの大きさよりウィークボゾンの質量を導く

ウィークボゾンの周波数

  前記のとおり、クォークの直径の上限は0.86×10-18[m]です。ここでは、クォークの直径を0.82×10-18[m]と設定します。すると、1つのuクォークと2つのdクォークが並ぶと2.46×10-18[m]です。
この間をWボゾン粒子は片道1回振動しながら往復します。一方、超ひもの振動の伝わる速さは光速cです。
 ですから
Wボゾン粒子が1回振動するのに要する時間=2.46×10-18[m]÷c[m/秒]=( 2.46×10-18)/c[秒]
です。
 したがって
Wボゾン粒子の周波数=1[秒]÷(2.46×10-18)/c[秒]=c/(2.46×10-18)[Hz]
です。
 故に
Wボゾン粒子のエネルギーE=hバー×v=1.054571726×10-34[Js]×2.997924×108÷(2.46×10-18)[Hz]= 1.285173×10-8[J]
です。

 E=mc2⇒m=E/c2なので
Wボゾン粒子の質量m=1.285173×10-8 [J]÷{2.997924×108[m/s]}2=1.429948×10-25[s]
となります。

 1[J]= 6.24151×1012[MeV]なので
Wボゾン粒子の質量=1.285173×10-8 [J]×6.24151×1012[MeV/J]= 8.021424 ×104[MeV] =80.214×[GeV] ≒80.385[GeV]
となります。