• CATBIRD日記 (物理・数学・歴史・哲学・宗教の未解決問題を扱ってます)
  • 考え事をする時、何故腕組みするのか

     似たような例として、困難な問題に直面した時、頭を抱え込んでしまうことがあります。
     空間操作能力は、体を動かす時と頭の中で物を考える時双方で使います。つまり、頭の中で5個と3個を足して8になるとかをイメージする時空間操作能力を使います。また、手を動かして編み物をする時にも、複雑な手の動かし方をイメージするのに、空間操作能力を必要とします。その操作能力は同じものです。

     この様に、手を動かすには高度の空間操作能力が必要です。体の中では、手がもっとも複雑な操作をするからです。そして、物を考えている最中は、その空間操作能力は手から脳に移っています。その時、頭の中では、様々に空間を操作して思考しています。手を頭に持ってくると、手の空間操作能力と頭の中の操作能力とを、一致させることが出来ます。即ち、最もスムーズに考えることが出来る様になります。
     こう言う意味で、座禅では手の位置と形が重要となります。手をどの位置にどの様な形で置くかにより、人の思考が影響されるからです。

     考え事の最中に腕組みすることも、これに似ています。手をぶらぶらさせていると、時々手に意識が向かってしまいます。そうすると、空間操作能力は脳から手に移り、思考が妨げられます。腕組みをすると、手は固定され、手に意識を向けなくても済みます。従って、思考を妨げることもなくなります。