• CATBIRD日記 (物理・数学・歴史・哲学・宗教の未解決問題を扱ってます)
  • 地磁気の生じる仕組み

    方位磁石

     子供のお菓子のおまけに付いていた方位磁石を、手に取ってみた。方位磁石をどの方向へ向けても、針は北と南を示す。地球は一つの磁石となっている。北極がN極であり、南極がS極である。

     地球の中心では、溶けた鉄が対流している。この鉄の対流によりN極とS極とが生じると説明されることがある。本当にこの説明は正確であろうか。N極とS極が生じる仕組みを考えて見た。

    電子のN極とS極

    電子のN極とS極

     粒子には、電荷を持つものと持たないものとがある。そして、電荷にはプラスとマイナスとがある。電荷の最小単位は電子の電荷であり、eで表わす。陽子はプラスの電荷を帯びており、中性子は電荷を帯びていない。

     マイナスの電荷を帯びた電子は、回転している。左回転すると、電磁波が上から出て行き下から入って来る。電磁波の出る方がN極であり、入る方がS極である。

    鉄の原子のN極とS極

    鉄の原子ののN極とS極

     原子核の周りを電子が回っている。普通2個が一対となり、1つは上向きで他方は下向きである。そして、S極とN極が打消し合い、原子全体では中性となっている。しかし、鉄の原子は、上向きと上向きの電子が一対となっているものや、電子1つだけで対になっていないものがある。その時、鉄の原子は上がN極、下がS極となる。

    鉄の原子の中の電子の回転と公転の向き

    自転と公転の向き

     電子は左回りに自転している。そして、陽子の周りを公転している。 電子は、左回りに公転すると、自然に左回りに一回転自転出来る。従って、左に自転しながら左に公転する方法が自転一回転分得をし、一番省エネであり安定しているので、この動きをするケースが多い。

    電子が右に自転しながら左に公転すると、自転と公転とは打ち消し合い、自転一回転分損をする。こう言う動きをするには、より多くのエネルギーを必要とするので、この様にはあまり動かない。

    鉄の原子  鉄の原子を取り巻く電子は左に回転(以後、鉄の原子が左に自転すると表現する)し、上から電磁波が出て下から入る。従って、上がN極下がS極となる。

    溶けた鉄の塊が自転する

    溶けた鉄の塊

     鉄がどろどろに溶けた状態では、個々の鉄の原子は、バラバラの方向を向いているので、全体では中性となる。

    溶けた鉄が自転する  この溶けた鉄の塊が自転すると、それぞれの鉄の原子は左に自転をしながら、地球の自転に合わせて左に公転する様になる。ここでも、鉄の原子は、左に自転しながら左に公転する方法が、一番エネルギーが少なくて済むからである。もし、鉄が固まっていれば、幾ら全体が回転しても鉄の原子は動けない。しかし、熱せられて液体の状態なので、それぞれの原子は自由に向きを変えることが出来るのである。

    上から見ると  左図の様に、一部の鉄の原子は同じ向きに自転しながら、地球の自転に合わせて公転する様になる。

    地磁気の発生

    地磁気の発生

     ある程度の鉄の原子が、左に自転をしながら左に公転する様になると、地磁気が発生する。その地磁気に合わせて、他の鉄の原子も同じ方向を向く。上がN極下がS極となっている鉄の原子が多くなると、他の鉄の原子も、上のN極に自分のS極が引き付けられ、下のS極に自分のN極が引き付けられる。この様にして、多くの鉄の原子が同じ方向を向き、地球が一つの磁石となるのである。

     溶けた鉄が対流するだけでは、鉄の原子の回転方向が揃う事は無い様に思われる。