地球は全ての場所で、1回/日の周期で自転します。一方太陽は、赤道付近の方が高緯度付近よりも自転周期が速いのです。これはなぜでしょうか。
太陽は宇宙のガスや塵が一か所に引き寄せられ形成されました。遠方から引き寄せられたので、一か所に集まった粒子は、様々な移動速度を持ちます。
そして、速度の速い粒子は低緯度(赤道付近)に、速度の遅い粒子は高緯度に移動し、全体がまとまって自転出来るようになります。
太陽が形成される前、ガスは宇宙に均一分布しており、それが重力により一か所に集まったとします。
集まったガスの移動速度は、落下距離(移動距離)の平方根に比例します。また速度別の粒子の割合は落下距離(移動距離)の3乗に比例します。球の体積は半径の3乗に比例するからです。
これを基礎として、実際の太陽の粒子の速度別構成割合を示したのが、下図の粒子の移動距離別速度(青)です。
一方、@固体の惑星の様に全体が同じ周期で自転すると仮定すると、緯度別自転速度はcos(緯度)で求まります。また、速度別の粒子の割合もcos(緯度)で求まります。円周は半径に比例するからです。
これを基礎として、@のケースで粒子の速度別構成割合を示したのが、下図の粒子の緯度別速度(茶)です。
御覧になって分かるように、@全体が同じ周期で自転するよりも、実際に太陽を構成する粒子は速度が速いものの割合が多いのです。
すから、低緯度の粒子は@のケースよりも速く自転し、高緯度の粒子は@のケースよりもゆっくりと自転するのです。
一方星が固体だと、低緯度の粒子が高緯度の粒子を引っ張る形となり、全体が同じ周期で自転します。