• CATBIRD日記 (物理・数学・歴史・哲学・宗教の未解決問題を扱ってます)
  • 太陽の自転周期が赤道付近ほど短い理由

     地球は全ての場所で、1回/日の周期で自転します。一方太陽は、赤道付近の方が高緯度付近よりも自転周期が速いのです。これはなぜでしょうか。

     太陽は宇宙のガスや塵が一か所に引き寄せられ形成されました。遠方から引き寄せられたので、一か所に集まった粒子は、様々な移動速度を持ちます。
     そして、速度の速い粒子は低緯度(赤道付近)に、速度の遅い粒子は高緯度に移動し、全体がまとまって自転出来るようになります。

     太陽が形成される前、ガスは宇宙に均一分布しており、それが重力により一か所に集まったとします。
     集まったガスの移動速度は、落下距離(移動距離)の平方根に比例します。また速度別の粒子の割合は落下距離(移動距離)の3乗に比例します。球の体積は半径の3乗に比例するからです。
     これを基礎として、実際の太陽の粒子の速度別構成割合を示したのが、下図の粒子の移動距離別速度(青)です。

    緯度による太陽の自転周期の違い  一方、@固体の惑星の様に全体が同じ周期で自転すると仮定すると、緯度別自転速度はcos(緯度)で求まります。また、速度別の粒子の割合もcos(緯度)で求まります。円周は半径に比例するからです。
     これを基礎として、@のケースで粒子の速度別構成割合を示したのが、下図の粒子の緯度別速度(茶)です。

     御覧になって分かるように、@全体が同じ周期で自転するよりも、実際に太陽を構成する粒子は速度が速いものの割合が多いのです。
     すから、低緯度の粒子は@のケースよりも速く自転し、高緯度の粒子は@のケースよりもゆっくりと自転するのです。

     一方星が固体だと、低緯度の粒子が高緯度の粒子を引っ張る形となり、全体が同じ周期で自転します。