太陽の熱核反応

熱核反応

 太陽が発する光のエネルギーは、(1)(2)(3)のとおり、水素原子核(陽子p)同士が直接結合してヘリウムになる熱核融合反応により生じます。酸素を使って燃焼しているのではありません。
(1) p + p → 2H + e+ + νe
 先ず、2つの陽子(p)が融合して重水素(2H)となり、陽電子(e+)とニュートリノ(νe)が放出されます。
(2) 2H + p → 3He + γ
 そして、重水素(2H)と陽子(p)が融合してヘリウム3(3He)が生成され、ガンマ線(γ)としてエネルギーが放出されます。
(3) 3He + 3He → 4He + p + p
 更に、ヘリウム3(3He)とヘリウム3(3He)が融合してヘリウム4(4He)が生成され、2つの陽子(p)が放出されます。
 この様にして、太陽は熱核融合反応により、大量のガンマ線をエネルギーとして放出しているのです。

 この熱核反応は、太陽の中心核で起こります。太陽の中心には半径約10万qの中心核があり、2500億気圧・温度は1500万Kに達します。その為に、物質はプラズマ状態にあります。
 地上でこの熱核反応を起こすには、高い温度と圧力が必要となります。水素爆弾は、その高温高圧を得る為に、核分裂反応を利用して起爆しています。
 熱核融合炉は、この様な高温高圧のプラズマを封じ込める必要があるので、困難を極めているそうです。

 この熱核反応により太陽の中心核では、1秒間に430万トンの質量がエネルギーに変換されています。このエネルギーの大部分は、上記のとおりガンマ線に変り、一部はニュートリノに変ります。ガンマ線は周囲のプラズマと衝突・吸収・屈折・再放出等の相互作用を繰り返し次第に電磁波に変換され、数十万年を掛けて太陽表面に達し、宇宙空間に放出されます。
 一方、ニュートリノは物質との反応が非常に低いため、太陽内部で物質と相互作用することなく宇宙空間に放出されます。その為に、太陽ニュートリノの観測は、太陽中心部での熱核反応を知る有効な手段となっているそうです。

 では何故、物質がエネルギーに替わるのでしょうか。以下は、私のオリジナルです。
 現在では、超ひも理論が最も有力視されています。超ひも理論では、物質も光も、物質を動かす重力・電磁力・強い力・弱い力の4つの力も、超ひもの振動として表されます。つまり、物質として振動する超ひもは物質と見え、振動を止めると真空と見えます。物質としての振動が、物質を動かす4つの力としての振動に替わります。逆に、4つの力としての振動が物質としての振動に替わるのです。
 物質もエネルギーも超ひもの振動なので、物質がエネルギーにエネルギーが物質に替わるのです。