『質量が周りの空間を歪めるとします。宇宙は一様かつ等方であること(宇宙原理)を前提にすると、宇宙空間は均等に曲がっていることになります。つまり、球面になっています。
球面に円を描きます。円の中心P’から球面に沿った円周までの距離P’Cをrとします。すると、この円の円周の長さは2πrよりも短くなります。
何故なら、P’Cは球面上の曲線だからです。平面で、円周に沿ってスパッと切ります。切り口は円形です。その円の半径MBをr'とすると、円周の長さ=2πr'です。r>r'なので、円周の長さ<2πrです。
この仕組みにより、空間が均等に曲がると距離は短くなります。曲がり具合が大きければ大きい程球面は小さくなり、その上の距離は短くなります。
ここから、私の考えを述べます。
先ず、平面にX軸とY軸の座標を書きます。縦横1[m]間隔の線を描き、マス目を作ります。そこに原点Oを中心とした半径5[m]の円を描きます。この円の円周は31.41592[m]です。円周上に1[m]おきに点を付けます。すると、32の点で仕切られた31個の1[m]と0.41592[m]が描かれます。
では、この平面を曲げて球面にします。@曲がっていない空間がありその立場から見ると、円周は31.41592[m]よりも短くなっています。
しかし、空間を球面に曲げると、32個の点の間隔も狭くなります。そして、その曲がった空間では、点と点の長さが1[m]と0.41592[m]です。空間を曲げると同時にマス目も曲がるからです。曲がった空間では曲がったマス目の間隔が1[m]です。他に1[m]の基準はありません。
@の曲がっていない空間の立場からすると、マス目の間隔が狭くなり距離が短くなったと測定されます。
しかし、もう何処にも曲がっていない空間@はないのです。そこには、曲がってしまった空間しかありません。ですから、空間@は人間の「妄想」です。
故に、幾ら空間が歪んでも、円周の長さは31.41592[m]のままです。これが平面に戻っても31.41592[m]です。ですから、空間そのものが曲がっても距離は変化しません。
一方、一般相対性理論によると、大質量の物質は周囲の時空を歪ませます。
そして、アインシュタイン方程式は
「Gμν−Λgμν=κTμν」
です。左辺は時空の曲率を表現する幾何学上の数値で、右辺は質量やエネルギーの分布を表現する量です。右辺に質量やエネルギーを代入すると、その周辺の時空の曲がりを左辺で読み取ることができます。
しかし、時間や空間そのものには実体がなく変化しませんし、前記のとおり変化しても時間や距離の長さは変わりません。では、質量により一体何が歪んでいるのでしょうか。
ビッグバンの初期には、「超ひも」は光速を超えて自由に移動していました。しかし、宇宙のエネルギーの低下に伴い、宇宙は相転移を起こし、「超ひも」は固定され網状に繋がったと考えます。
そして、その「超ひもの網」の上を、物質や光及び重力・電磁力・強い力・弱い力の4つの力は、振動として伝わると考えます。つまり、物質が移動して見える現象は、実は超ひもの物質としての振動が、次々と隣の超ひもに伝わる現象であると思います。そして、「超ひも」の振動自体が光速で伝わるので、何ものも光速以上で伝わることは出来ないのです。
この様に、真空中に振動していない超ひもがあります。「超ひもの網」が形成される以前は、振動していない超ひもが、バラバラに飛び回っている対称性の高い状態でした。「超ひもの網」が形成された後は、超ひもは中心軸にキチンと並んで網状に結び付き対称性の低い状態となりました。相転移とは、対称性の高い状態から低い状態に転移することを言います。真空が対称性の高い状態から低い状態に転移したので、これを「真空の相転移」と言います。
宇宙のエネルギーが低下し、一本の超ひもが中心軸を決めると、他の超ひもはそれにならって次々と規則正しく並び網状に結び付きます。これを「自発的対称性の破れ」と言います。
気温が低下し水蒸気が氷の結晶となることを「相転移」と言います。この際、激しく動き回っていた水の分子が、規則正しく整列し束縛され動きが少なくなります。その為、「相転移」の際には、余分な運動エネルギーを熱等として系外へ放出します。ただし、熱以外にも光や電気の形を取ることもあります。
「真空の相転移」により、超ひもは網状に束縛され動けなくなります。そして、余分なエネルギーが光として放出され、その光により物質と反物質が対生成されたのです。
※詳細は「超ひもの網」を参照下さい。
この様に、真空中には振動していない「超ひもの網」があり、物質も光もあらゆるものはこの上を振動として伝わります。超ひもの振動数が多い程(角周波数が高い程)、質量は多くエネルギーは高くなります。
※詳細は超ひもの振動と質量の関係を参照下さい。
超ひもの振動数が多い程、質量は大きくなり、超ひもはより短くなります。
大質量はそれが位置する部分の「超ひもの網」を激しく振動させるので、「超ひもの網」は収縮し周囲の網を引っ張ります。
そのために、右の様に「超ひもの網」を歪めるのです。
光は「超ひもの網」の歪みにそって進みます。ですから、光は重力により曲がります。