目次へ
1.ローレンツ変換とは
T.ローレンツ変換は、
@t'= (t-(vx/c2)) / √(1-(v2/c2))
Ax'=(x-vt)/√(1-(v2/c2))
By'= y
Cz'= z
Dc'=c
です。これは三角関数で表現することも出来ます。
目次へ
2.ローレンツ変換を三角関数で表わす
T.変換前の光をE(x,y,z)=(ct*cosθ,ct*sinθ,0)とし{z=0の平面で説明します。(x,y,z)はOから出発した光のt秒後の位置を表します。}
変換後の光を(x',y',z')とします。
光速度不変の原理の要請により、√(x2+y2+z2)=ct、かつF√(x'2+y'
2+z'2)=ct'と考えます。
FにAからCを代入すると、
G√{((x-vt)/√(1-v2/c2))2+y2+z2}=ct'
GにEを代入すると、
√{((ct*cosθ-vt)/ √(1-v2/c2))2+(ct*sinθ)2+02}
=ct*√{((cosθ-v/c)/ √(1-v2/c2))2+sinθ2}
= ct*√{((cosθ-v/c)2)*c2/(c2-v2)+sinθ2}
= ct*√{{((cosθ-v/c)2)*c2+ (sinθ2)*(c2-v2)}
/(c2-v2)}=(t*c/√(c2-v2))*√(c2*cosθ2
-2cv*cosθ+v2+c2*sinθ2-v2*sinθ2=(t/√(1-v2
/c2))*√(c2*cosθ2+c2*sinθ2-2cv*cosθ+v2
-v2*(1-cosθ2)= (t/√(1-v2/c2))*√(c2
-2cv*cosθ+v2*cosθ2)= (t/√(1-v2/c2))* (c-v*cosθ)
= (c-v*cosθ)* t/√(1-v2/c2)=ct'
∴Ht'=t*(c-v*cosθ)/{c*√(1-v2/c2)}
となります。
U.従って、ローレンツ変換は三角関数で、
It'=t*(c-v*cosθ)/{c*√(1-v2/c2)}
Jx'=(x-vt)/√(1-(v2/c2))
Ky'= y
Lz'= z
Mc'=c
と表すことが出来ます。
目次へ
3.正しい変換式
T.Iを見て分る通り、時間t'はcosθの値により変換される率が異なります。(c-v*cosθ)/cだけ、
方向により変換率が異なることが分ります。
U.しかし、並走する光を観察すると時間はゆっくりと経過し、対面する光を観察すると時間は速く経過する様になる仕組み
については、想像することも出来ません。
V.高速移動するGPS衛星に内臓されている時計は、√(1-v2/c2)秒に1秒を刻む様に設定されています。
軌道上では、
√(1-v2/c2)/√(1-v2/c2)=1秒
となり、地上の時計と同じ速さで時を刻む様になります。この様に実用例では時間の変換式は
t'=t/√(1-v2/c2)
となっています。IとMより
c't'=t*(c-v*cosθ)/√(1-v2/c2)
なので、
c'=(c-v*cosθ)
でなくてはなりません。
ロケットの自動操縦に使われるリングレーザージャイロ装置では、光の相対速度を
c'=(c-v*cosθ)
と設定しています。この例からもこの光速度の変換式は正しいことが分かります。
W.従って、現実の変換式は
t'=t/√(1-v2/c2)
x'=(x-vt)/√(1-v2/c2)
y'=y
z'=z
c'=(c-v*cosθ)
です。これをCATBIRD変換と呼びます。時間の経過は全ての方向において静止時の1/√(1-v2/c2)倍となり、方向による違いはありません。
目次へ
4.光速度不変の要請
T.光速度を不変と考えるのは、マックスウェルの電磁力の方程式において、物質同士が相対的位置関係を変えずに移動しながら
電磁波を交換しても、生じる電磁力の強さは静止時と同じであるとしていることに由来します。実際にその通りとなります。
電磁力は物質間の距離の2乗に反比例します。物質が移動しながら電磁波を交換すると、電磁波の往復距離は
縦1/√(1-v2/c2)横1/(1-v2/c2)と変化し、
生じる電磁力の強さも変わる様に思えます。しかし、現実にはその強さは静止時と同じです。
ここから、物質が移動しても、電磁波の相対速度は変わらず、電磁波は静止時と同じ時間で物質間を往復するので、
生じる電磁力の強さは静止時と同じであると考える必要が出てきます。
U.現実には、粒子間の距離が、縦方向へは√(1-v2/c2)、横方向へは(1-v2/c2)
収縮する為、電磁波の往復距離は静止時と変わらず電磁力の強さは不変なのです。
V.しかし、一々電磁波の相対速度の変化と粒子間の距離の収縮を計算する訳には行きません。従って、光速度は一定と仮定して、
移動する物質間に生じる電磁力をマックスウェルの方程式をそのまま使用して求めることとなります。
これが「光速度不変の要請」です。
W.この要請に基づき、ローレンツ変換は光速度が不変である式となっています。物質の移動を計算に入れなくても、
生じる電磁力を求めることが出来ます。こう言う意味で、ローレンツ変換は大変便利な変換式です。
しかし、時間の変換式は現実とは異なるので、特殊相対性理論においも、時間の変換は
t'=t/√(1-v2/c2)
としています。これで、方向による時間経過の違いは無くなります。
電磁力を計算する場合と時間の変化を計算する場合とで、2つの変換式を上手に使い分けています。
目次へ
5.方向により時間経過が異なると考えることは不合理である
T.物質が移動すると、電磁波の速度が方向により異なります。進行方向へは電磁波の相対速度が遅くなり、他の粒子に到達する時間が
長くなる為、その方向へは物質がゆっくりと変化します。進行方向とは逆の方向は、物質変化が速くなります。
この為に、方向により、時間の経過が異なると思えます。
U.しかし、電荷を帯びた粒子同士が電磁波を交換し合い、その結果作用反作用の形で、引力又は斥力が生じます。
物質が速度vで移動しても、
粒子間の距離が上記の通り収縮する為、電磁波の往復距離及び往復に要する時間は静止時と同一です。
従って、物質変化の速度は静止時と同じとなります。時間は変化していません。
このことより、方向により時間経過が異なると考える事は不合理です。
目次へ
6.以前の私の考え方
進行方向へは4つの力の相対速度が遅くなり、逆方向へは相対速度は速くなる。従って、
進行方向へは物質はゆっくりと変化し、逆方向へは物質は速く変化する。この為、進行方向へは時間はゆっくりと経過し、
逆方向へは時間は速く経過する。
以前はこの様に考えていた。しかし、4つの力を伝えるケージ粒子が粒子間を往復運動することにより、
それらの力は生じる。そして、その往復距離は静止時と同じ一定値になるまで、粒子間の距離は収縮する。
全ての方向に対して静止時と同じ時間でケージ粒子は粒子間を往復する為、4つの力の相対速度の変化によっては、
時間の経過に変化をもたらさない。
光の相対速度の方が変化すべきである。また、物質の収縮に伴う空間の定義の変化
も考慮していない式となっている。思考経過を示す資料として保管します。
T.第一変換式
t'=t/√(1-v2/c2)
x'=x/√(1-v2/c2)
y'=y/√(1-v2/c2)
z'=z/√(1-v2/c2) (t=時間・xyz=空間の3次元)
U.第二変換式
t'=t*√(c2-2vccosθ+v2)/c
x'=x-vt
y'= y
z'=z
V.統合式
t'=t*(√(c2-2vccosθ+v2)/c )/(√(1-v2/c2))
x'=(x-vt)/√(1-(v2/c2))
y'= y/√(1-(v2/c2))
z'= z/√(1-(v2/c2))
です。
W.第二変換式は、観測者の進行方向と角度θを成す方向の時間の経過を表しています。
つまり、方向により時間の経過が異なるのです。
目次へ
7.CATBIRDモデル
T.この理論は、CATBIRDモデルに基づいています。そのモデルは、物質
や光、及びそれを動かす4つの力
(重力・電磁力・強い力・弱い力)全ては、超ひもの振動であり、超ひも自体は動きません。
物質や光の移動及び4つの力の伝播は、超ひもから隣の超ひもへと次々と振動が伝わっていると言う
モデルです。分かりやすいイメージを使えば、超ひもの網があり、物質波・光波・重力波・電磁波・
強い力の波・弱い力の振動が、網の目の上を伝わっているモデルです。
※何故このモデルが必然なのかは、トップページを参照ください。
U.物質と物質との相互作用は4つの力(重力・電磁力・強い力・弱い力)のみであり、光速で超ひもの
網の目上を振動として伝わります。光も光速で、超ひも上を振動として伝わります。物質も波であり、
同様に超ひもの網の目上を速度vで伝わります(図4では右に動いています)。
V.物質Aの進行方向(右から左へ)から来る4つの力(青矢印a)は速くAに到達します(物質波Aと
4つの力の波aが向かい合うので)。逆方向(左から右へ)から来る4つの力(青矢印b)
は遅くAに到達します(物質波Aを4つの力の波aが追いかけるので)。
W.物質Aの慣性系を、静止している者が見ると、右から左には速く物質反応が進んで行き、
逆に左から右には遅く物質反応が進んでいると見えます。しかし、物質Aの慣性系に居る者には、
それは分かりません。全ての方向の物質反応は、同じスピードで進行しているとしか観測出来ません。
何故なら、右から左には物質反応が速くなることにより、物質時間
自体が速く経過し、
左から右へは遅く物質時間が経過しているからです。
従って、その慣性系においては進行方向との角度θにより、物質時間の進み方が異なって来るのです。
目次へ
8.物質を動かす力の伝播に要する時間の変化
T.a(矢印青)は物質Pからの4つの力です。観測者AはOを出発し、X軸上を速度vでプラス方向へ移動しています。本来、
観測者AがOで静止していれば、力aはt秒でAに到達します。
速度vで移動するAには、矢印青は、(√(c2+v2-2cvcosθ))
/c*t秒後にR地点において到達します(a/c=到達時間)。
U.静止していれば、t秒で届いていた力が、速度vで動いた為、(√(c2+v2-2cvcosθ))/c*t秒で届くようになりました。
このことは、観測者Aを構成する個々の粒子間においても同様です。即ち、Aにはθ方向からO方向に向かう物質変化のスピードは、
s'=s/(√(c2+v2-2cosθ)/c)に変化しており
観測者Aのθ方向の物質時間は
t'=t*√(c2 +v2-2vccosθ)/c
に変化しています。
V.(観測者Aを構成する粒子は、他の物質や、観測者Aを構成する粒子相互間の力により移動し、物質変化をして時を刻んでいます。
その力が到達する時間がAの移動により変化し、物質変化の速度が変わってきます。物質変化の速度が変われば、
物質時間が変わってきます。変化の速度が遅くなれば、時計はゆっくり時を刻み、人間はゆっくり動き・考え・年を取ります。
あくまでも時間自体は変化しません。その物質時間の変化が、進行方向との角度により異なる事は、図3より分かると思います。)
W.空間は、AがX軸方向へvt進んでいるので、QRがAにとっての距離となります。よって、
x'=x-vt
(図2のct=1では、x'=x-(vt)/ct=x-v/cとなる)
Y軸及びZ軸について変化はありません。よって、
y'= y z'= z
となります。
(説明の為に、第二変換式とは光の向きが逆になる様に、θ角を設定しました。この様にθを設定すると-2cosθの正負が逆になります。)
目次へ
9.分かりやすいイメージ
T.第二変換式による変換を、単純にイメージ出来る図で表すと、図4となります。
U.観測者Aには、光はa(=RP)進んだと見えます(観測者と光のみ考える)。Aにとって、光の移動距離は
a=t*√(c2+v2-2cvcosθ)
です。しかし、Aにとって時間の進行が
t'=t*√(c2+v2-2cvcosθ)/c
となっています。距離÷時間=速度なので、Aにとって光の速度は
a/t'=√(c2+v2-2cvcosθ)t/( t*√(c2+v2-2cvcosθ)/c)= (√(c2+v2-2cvcosθ)
t*c)/( t*√(c2+v2-2cvcosθ)=c
となります。観測者Aの速度に関係なく、光は一定に計れます。
V.第二変換は、Aが移動することにより、Aを変化させる力の到達時間が変化する事実に起因するものです。