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√(ε0×μ0)=1/ c「誘電率×透磁率の平方根が1/光速」となる理由

T.2種類の電荷

2種類の電荷  電気(電荷)には、プラスとマイナスの2種類があります。同種類の電気(電荷)は反発し合い(斥力)、異種類の電気(電荷)は引き合い(引力)ます。

U.1クーロンの電子数

クーロン力  そして、2つの静止している電荷の間に働く力を「クーロン力」と言います。
クーロン力F=k(q1q2)/r2 {k=クーロン定数、q1=電荷量(単位:[C]クーロン)、q2=電荷量(単位:[C]クーロン)、r=2つの電荷の距離(単位:[m]メートル)}
です。この式のとおりクーロン力は、2つの電荷の積に比例し、2つの電荷の距離の2乗に反比例します。

1Cクーロン  1C(クローン)は、6.2451×1018個の電子又は陽子の電荷を合わせた量です。ですから、
1粒の電子又は陽子の電荷=1[C]/(6.2451×1018)個=(1.602176×10-19)[C]
です。これを「電子素量」と言います。

V.クーロン力

1mのクーロン力  真空中の場合、k0=8.9876×109[Nm2/C2]です。つまり、真空中で6.2451×1018個の電子1[C]の塊aと6.2451×1018個の陽子1[C]の塊bが1m離れている場合、ab間に働く力は
クーロン力F= k0(q1q2)/r2=8.9876×109[Nm2/C2]×1[C]×1[C]÷1[m]÷1[m]=8.9876×109[N]ニュートン
となります。
 1[N]ニュートンは「1キログラムの物体を1メートル毎秒毎秒 (m/s2) 加速させる力」です。ですから、この時2つの電荷間に働く力は1sの物質を8.9876×109[m/s2]加速させる力です。

 一方、
真空のクローン定数k0=1/{4π(1/4πc2×10-7)}= c2×10-7=(2.997924×108)2×10-7=(8.987554×109)です。
 つまり、真空中でプラスとマイナスの電荷x個が1メートルの距離で引き合う強さが8.9876×109[N]=c2×10-7[N]になる様にxの個数を(6.2451×1018)個と決定したのです。

 1/(4πc2×10-7)=ε0(真空の誘電率)とします。すると
真空のクローン定数k0=1/4π(1/4πc2×10-7) =1/4πε0
です。

プランク距離のクーロン力  また、距離の最小単位はプランク距離lp= (1.616229×10-35)mです。ですから、1[C]の2つの電荷がプランク距離lpまで近づくと最大の力で引き合います。
プランク距離lp の1[C]の2つの電荷間のクーロン力F= k0(q1q2)/r2= (c2×10-7)×( 1[C]×1[C])÷lp2=(c/lp)2×10-7={(2.997924×108)÷(1.616229×10-35)}2×10-7N=3.441587×1079[N]
です。

W.電気力線

電場  静止している電荷からは電気力線が放出されています。プラスの電荷から放出された電気力線(+)とマイナスの電荷から放出された電気力線(-)は引き合います。電気力線(+)同士・電気力線(-)同士は反発します。

電気力線  電気力線は図の様に四方八方へ放出される(発散する)ので、力は距離の2乗に反比例します。電気力線が放射されている空間を電場と言います。

X.ローレンツ力

電子の移動と磁力線  これまで、静止している電荷について説明しました。次は、移動する電荷です。ここでは、平行な2本の導線を流れる電子間に働く力=「ローレンツ力」を説明します。
 電荷が移動すると磁場が生じます。つまり、導線の中を電子が一方向へ流れる(直流電流Iが流れる)と直流電流の周りに同心円状に磁力線を生じます。磁力線の通っている空間を磁場と言います。前記のとおり電気力線は電荷から放射状に放出されますが、これに対して磁力線は電流を中心とした同心円状となります。
 磁場の強さは
磁場の強さH=I/2πr (I=電流[A]アンペア・r=電流からの垂直距離[m]}
です。

Y.1アンペアの定義

1Aの定義  1[A]アンペアは導線の全ての断面を1秒間に1[C]の電子つまり(6.2451×1018)個の電子が通過する電流と定義されます。直流電流から生じる磁場の強さは、電流に比例し電流を中心とした半径rの円周の長さ(磁力線の長さ)に反比例します。

Z.ローレンツ力の生じる仕組み

ローレンツ力  そして、磁場の中を電子が移動すると、ローレンツ力がその電子に働きます。図では磁場の中を電子が左に動くと上向きに電子にローレンツ力が働きます。

2本の電流とローレンツ力  ですから、2本の導線の中を同じ方向へ電子が流れるとお互いに磁場を生じ、相手の磁場の中を電子は上方向へ進むので、お互いに引き合う方向へローレンツ力が生じるのです。

ローレンツ力の仕組み  電子が移動すると磁力線が生じ、空間にある相手の電流が生んだ磁力線と反対方向(下部)では弱め合い・同じ方向(上部)では強め合い、空間の磁力線は同じ密度になろうとして電子に下方向の黒矢印の力が働くのです。
ローレンツ力F=qvB (q=電子の電荷[C]・v=電子の速度[m/s]・B=磁束密度[Wb/m2])
です。磁束密度とは磁力線の密度のことで、磁場の強さH×透磁率μです。つまりB=μHです。

[.二本の電流間に働く力

電流間に働く力  そして、1m離れた2本の平行な導線を同じ方向へ1Aの電流が流れる時、お互いに相手の磁場により導線を移動する電子にはローレンツ力が生じます。こうして2本の導線は引き合います。
 導線の長さを1mとした時、この2本の導線は2×10-7[N]の力で引き合います。これは何故でしょうか。

 それは、真空中でプラスとマイナスの電荷x個が1メートルの距離で引き合う強さが8.9876×109[N]=c2×10-7[N]になる様に、xの個数を(6.2451×1018)個と決定したからです。

\.電気力線と磁力線

電気力線と磁力線  電気力線と磁力線は共に電磁波です。電子が静止していると電気力線(赤)として四方八方へ放出し、導線の中をvで移動すると静止時の電気力線(赤)のv/cを同心円状の磁力線(青)を放出します。

電気抵抗の仕組み  電子は加速運動をすると、磁力線を放出します。導線の中では、電子は加速運動をしますが、陽イオンにぶつかり跳ね飛ばされ、また加速し跳ね飛ばされるとくり返している内に、陽イオンにぶつからずに通り過ぎることが出来ます。その為、電圧に応じた等速度で電子は導線の中を移動します。この為に、同じ速さに見えても電子は加速運動しているので磁力線を出すのです。

磁力線と電気力線の広がり方  電子が一方向へ直線上をどんどん流れる為、磁力線は電流からの距離に反比例した強さとなります。
 そして、生じるローレンツ力は、導線の中の電子の電荷・移動速度・導線を取り巻く磁場の強さに比例します。2本の導線間に働くローレンツ力は、片方の電流が磁場を生じ他方の電流を構成する移動する電子にローレンツ力が作用することで生じます。

電流  また、電流は電子の数と速度に比例します。従って
I=qv (I=電流・q=電荷・v=電子の速度)
です。何故なら、1Aの電流は導線の断面を1秒間に(6.2451×1018)個の電子が流れることであり、流れる電子の数が2倍になると導線の断面を通過する電子の数が2倍となり電流も2倍となります。電子の速度が2倍になっても同様だからです。

電流=電荷×速度
 1m離れた2本の平行な導線を同じ方向へ1Aの電流が流れる時の導線間に働く力は2×10-7[N]です。
 流れる電流は1Aなので、1mの導線の全ての断面を1秒間に(6.2451×1018)個の電子が通過します。導線の断面は最小距離のプランク距離lp毎にあります。故に、1mの導線の断面の数は1/lp枚です。

 ですから、左の様に@(6.2451×1018)個の電子の塊がプランク距離lp毎に並んで速度lp[m/s]で移動すれば、1秒間に全ての断面を(6.2451×1018)個の電子が通過し1Aの電流となります。この時、片方の導線に働くローレンツ力=10-7[N]です。

 今度は、右の様にA導線に(6.2451×1018)個の電子の塊が1m置きに並んでおり、速度1[m/s]で移動するケースを考えます。ローレンツ力F=qvB、磁場の強さH=I/2πr=qv/2πrなので、Aのローレンツ力は
 片方の導線に働くローレンツ力=10-7[N]×lp(電荷)×1/lp(速度)×lp(電荷)×1/lp(速度)=(10-7)[N]です。
 電子の速度は@の1/lp倍の1[m/s]・他方の導線の電子の速度も1/lp倍の1[m/s]です。電荷は、@が導線1[m]間に(6.2451×1018)÷lp[個]に比べ、Aではその双方導線1mにある電子の個数はlp倍の(6.2451×1018)個になります。
ですから、平行な電流1m間に働く力F=2×(10-7)×(I1×I2)/(2πr)=4π×(10-7)×(I1×I2)/r
です。

 次に、2本の導線の中を(6.2451×1018)個の電子がMAXの光速cで移動し、電気力線の全てが磁力線となった場合どれ位のクーロン力となるでしょうか。
 クーロン力F=(10-7)[N]×c×c=c2(10-7)[N]です。
 電子の速度がc倍・他方の導線の電子の速度もc倍です。

 電気力線と磁力線は同じ電磁波であり、静止していると全てが電気力線となり、光速cで移動する時磁力線となります。従って、
1[m]離れた2つの1[C]の静止電荷に働く力=1[m]離れた2つの1[C]の光速cで移動する電荷に働く力= c2(10-7)[N]
です。
 つまり、1m離れた1mの導線に電流が同じ向きに流れ、導線同士が2×10-7[N]の力で引き合う時の電流を1Aと定義しています。その時導線の断面には1秒当たり(6.2451×1018)個の電子が流れるのです。

]. √(ε0×μ0)=1/ c

クーロン力F= k0(q1q2)/r2={1/4π(1/4πc2×10-7)} (q1q2)/r2=(1/4πε0) (q1q2)/r2
真空の誘電率ε0=1/(4πc2×10-7)
です。
平行な電流1m間に働く力F=2×(10-7)×(I1×I2)/(2πr)=4π×(10-7)×(I1×I2)/r=μ0×(I1×I2)/r
真空の透磁率μ0=4π×10-7
です。従って
√(ε0×μ0)= √[{1/(4πc2×10-7)}×(4π×10-7))]=√(1/c2)=1/c
となります。

 電気力線や磁力線の速度に比例した強さの電磁力が生じます。一方、電磁波は真空中を光速で伝わりますが、物質中では伝わる速度が遅くなります。物質中での電磁気力の強さが、物質中での光の速度の遅れと比例したので、電気力線及び磁力線は光の一種の電磁波であることが分かったのです。