• CATBIRD日記 (物理・数学・歴史・哲学・宗教の未解決問題を扱ってます)
  • 真空の相転移前ものは光速を超えて移動出来た

     『インフレーション理論では、宇宙は誕生直後の10-36秒後から10-34秒後までの間にエネルギーの高い真空(偽の真空)から低い真空(真の真空)に相転移し、指数関数的な膨張(インフレーション)の時期を経たとする。』とされています。

     これを、私の言葉で解説します。
     宇宙の温度の低下に伴い、今まで光速を超えて飛び回っていた真空(偽の真空=エネルギーの高い真空)が、固定された真空(真の真空=エネルギーの低い真空)になった(これを「真空の相転移」と言う)のです。
     そして、偽の真空の運動エネルギーが光として放出され、真の真空に入射し物質と反物質が対生成され、それが衝突して対消滅し、膨大なエネルギーが放出されたのです。

     つまり、真空が相転移するまでの時期がインフレーションです。その時期、ものは光速を遥かに超えて飛び回ることが出来たので、宇宙は光速を超えた膨張が出来たのです。

     真空の相転移後は、真空が固定されたため、ものの速度の上限は光速となりました。