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思考の道具のアウトライン

1.物質の作用から精神の機能へ

 物質は、4種類の力により結合又は反発をし、何らかの構造を有し、その構造から他の物質に作用する。それは、物質同士の機械的作用である。その作用に仕方は様々である。他の物質の構造を、破壊し又は保護する作用・自己の構造保持の為に他の物質構造を変形し利用する作用・お互いに自己の構造保持の為に協力し合う作用等々である。
 その相互作用の中で、争いに勝利した構造のみが、後世に残る。次第にその構造は高度なものとなり、自己の構造を保存する機能を持つ様になる。
 高度な機能の殆どは、電磁力に依っている。電磁力による化学反応により、物質は複雑な作用をする様になる。電磁力による作用が高度になるにつれ、物質は蛋白質から生物の肉体となる。
 蛋白質の段階では、まだ物質単体である。ウィルスは蛋白質であり、高度な自己保存機能を有するが、未だ精神と結合していない。終に物質は、精神を利用して自己構造の保存を計る様になる。複雑な外界を再現し、その中でシュミレーションし、目的達成に成功した手段を外界に適用することにより、複雑な状況に対応出来る様になる。

2.作用とその対象の限定

 下位の物質作用から、上位の精神機能に至る過程を補足する。
 物質の最も下位の規定は有無である。その作用は、有が隣の有を押しのけ、移動させることである。有は接触する全ての有に対して、隣に移動させる作用をする。全ての対象に対して、最も単純な働きかけをする。
 次に、物質作用は引力・斥力により、離れた対象に対して、引き付ける又は遠ざける作用をする。重力や電磁力の様に、引き付ける対象、遠ざける対象、作用を与えない対象の3種類に対象を区分して、作用する。
 引力・斥力及び物質の機械的接触による作用を利用し、物質は複雑な構造を持つ様になり、より対象の種類を限定して、自己の構造の保存に適する作用を与える物質的機能を有する様になる。
 終に物質は精神と結合し心を作り、その中でシュミレーションする。シュミレーションする為には、現在の状況の把握・自己の特定・因果関係の設定の3つが必要となる。これにより、現在の状況が自己の保存にどの様な影響を与えるかを理解する。そして、どの対象にどの様に働きかければ良いかを選択する。機能は高度になるにつれ、対象と作用をより特定する様になる。

3.機能の目的の収束

 肉体の物質的・精神的機能は、より基本的な機能を保存する目的を有する。
 肉体の物質構造を保存する為に、食べ生殖する。生殖する為に愛がある。最適な相手と愛し合う為に、最適か否かを思考する。思考する為に学習する。
 又、食べる為に食物を探す。食物を見つける為に考える。考える為に学習し情報を蓄える等々である。
 これらの諸機能は、自己の物質構造の保存と言う目的に収束する。

4.快不快と中性な感じ

 精神的感じは、快・不快と中性に分類される。
 中性である感じは、空間・時間・物質・光・引力・斥力と言った、対象の有する時空間に於ける動きを心の中に再現する。中性である感じにより、因果関係が再現される。これより高度な機能に対しては、更に高度な因果関係の形式を当て嵌めていく。
 自己保存に適する場合に快が起こり、適さない場合に不快が起こる。快を近づけ不快を遠ざける様に、対象に対して行為する。
 感覚や感情と言った快・不快な感じの下位のものは、十分な状況・因果関係・自己の把握をせずに起こる。真実や道徳と言った上位の感じになるにつれ、十分なシュミレーションを行い、目的に沿ったものが起こる様になる。

5.下位の心的動因から、上位の心的動因へ

 5感から感じる快不快の感覚は、最も下位の感じである。それはシュミレーションを全くせず起こる。反射は全く感じずに動くと言う意味で、精神的な機能ではない。現在のここに於ける状況が理解され、その範囲内でのみシュミレーション出来ると、喜怒哀楽の感情が現れる。今の自分のみ考慮している。喜怒は快と不快であり、目的達成に要する労力が少なくて済む時に現れる。哀楽も不快と快であるが、目的達成に労力を多く必要とする時に現れる。
 シュミレーションする時間と空間が広がると、善悪と言った道徳的感じが生じる。一生を通した自分や家族・同族を含めたところの自分が真実の自己であり、長い時間・広い空間でシュミレーションして見た場合、プラスとなる場合善が現れ、マイナスとなる場合悪が現れる。善悪は、目的達成に労力が必要な場合に起こる。労力を要さない時は、喜怒哀楽に戻る。
 他人と共にある自分を真実の自己と認識すると、正義不正・公平不公平・平等差別と言った法的感情が現れる。他人にとっても自分にとっても、即ち全体の保持にとりプラスになるものか、マイナスになるものか感じる様になる。

6.自己と他者の区別

 真実の自己及び真実の目的を認識してシュミレーションすると、真偽の感じが起こる。
 本当の自己はこの肉体なのか。この肉体を少しでも長く保持することが目的なのか。
 本当の自己は肉体と言う物質の構造であり、子孫を通じてその構造を残すことが目的なのか。
 本当の自己は精神なのか。自己である精神は何を目的としているのか、又は目的は無く唯存在しているのか。
 精神である自己は、精神の全体である神の一部なのか(物質の全体を宇宙と呼び、肉体は宇宙の中で循環している様に)。神は何かを目的としているのか、或はいないのか。

7.心的動因の種類と強さ

 感覚(美醜)→感情(喜怒哀楽)→道徳(善悪)→法的感覚(正義平等)→真偽へと感覚が高まるにつれ、より強く意思に影響し決定を左右するようになる。上位の快不快の感じは下位の快不快の感じを退ける。
 下位の快不快の感じは、上位の快不快の感じにより否定されると、笑って済ますことが出来る。喜怒哀楽が一時的に生じたが、熟慮して見るとそれは自己の誤解や誤りであった場合、喜怒哀楽と言う心的動因を解消し、その感じに動かされた行動はしない様にする必要がある。生じた喜怒哀楽と言う心的エネルギーは、笑いとなって消えていく。
 原因が相手の誤解であっても、同じく笑いが起こる。相手方の十分に意図した行為であれば、怒り基づき報復しておかないと、同じ行為が繰り返される。しかし、それが相手の単純な誤りに基づくものであった時、繰り返される恐れはない。怒りは笑いとなって解消される。同時に相手は、笑われた恥ずかしさから、同じ誤りは繰り返さない様になる。
 同じ相手を笑うことでも、それは軽蔑とは異なる。軽蔑は、同じ行為を繰り返さない様に、相手に報復している。
 悪も正義も真実には劣る。

8.言葉による状況把握

 言葉により、現在の状況が表現される。5W1Hの要素を持つ。時、空間、主体たる物質、客体たる物質、主体の形容、客体の形容、主体の行為、主体の目的、行為の副詞、その結果を要素とする。その要素間の関係の変化により、表わされる状況が変化する。
 上位の精神及び物質の結合した存在の規定は、下位の物質的規定を含む。
 主体及び客体たる物質は、名詞で表現されるが、動詞に還元される。物そのものを把握する能力はなく、物は物自体の動きや対象に対する影響の仕方等、動詞の集まりとして把握される。

9.因果関係の把握

 因果関係を認識するには、対象を把握する必要がある。
 下位の物質的なものであれば、この物質はどの物質の時空間に於ける位置を、どれだけ変えるのかと把握される。それは数学により表現される。最下位の無は、把握の仕様がない。
 次第に上位の存在になるに連れ、どの対象のどの機能に、どの様な影響を与えるのかと把握される。下位の作用を組み合わせて、次第に高度な作用が生ずる様になる。
 上位の精神的なものは、逆に制約によって把握される。意思は何らかの心的動因に支えられており、心的動因は、現在の状況の把握・因果関係の理解(育った環境や過去の経験によるところが大きい)・自己の区別により導かれる。その3つに於ける制約(機能の不十分さ)により精神は把握される。
 心的動因の無い時、全くの自由意思となる。自由意志が完全な情報を有している時、全知全能となり、もはや把握の仕様がない。
 物質の機械的因果関係においては、働きかけと結果は数学で求めることが出来る。しかし、意思は自ら動き、それに対する働きかけは情報の提供と言う形を取る。意思は状況の把握・因果関係の理解・自己の区別より目標を設定する。その意思へ、現在の状況・因果関係・自己に関する情報を提供し、望む行動を取らせる。その情報は真実のこともあり、見せ掛けだけの虚偽の場合もある。

10.因果関係の把握の精度

 因果関係の把握には、荒いものと精密なものとがある。
 対象を全く特定出来ず、唯影響を与えるとしか言えない最も荒い把握の仕方(有が有にぶつかり隣に動かすと言う因果関係)から、対象を特定し、その作用を正確な数式で表された精密なものまである。
 社会での役割分担が生じることにより、各人はその役割分担に応じた振る舞いが要求される。老若男女・社会的地位・家庭内での役割に応じ様々なものがある。その役割分担の形式を当て嵌め、シュミレーションを行っている。

11.目的の優先順位と選択後の評価

 肉体には多数の機能があり、その数だけ目的がある。目的に優先順位をつけ、優先順位の高いものから順に達成していく。機能が有する目的達成への貢献度により、対象は価値を有する。
 意思決定は一旦為されても、また同様なケースが生じるかも知れず、その後もその選択に対する後悔・迷い・誇り・肯定・否定等様々な感じを持っている。その判断に対する自己評価の仕方も価値を持つ。

12.概念の発生

 一々細かくシュミレーションしていては、時間及び労力が幾らあっても足りない。一定の状況が読み取れれば(全部を正確に把握しなくても)、自動的に概念が生じ行動出来る機能が生じる。付け加えられる。
 概念とは、画一的な、状況・因果関係・自己の設定・心的動因・行動様式の5つが結合した、心のソフトウェアである。しかし、正確ではない為、概念通りの行動を取ったのでは、誤りとなり固定概念となることがある。

13.概念の物質化

 個人は自己の意思にのみ拘束される。自己の意思に基づく契約行為のみにより、義務を負う。行為が成立したか否かは、行為が完成したか否かによる。有効か無効かは、意思があったか否かによる。意思があったものは有効であり、意思がなかったものは無効となる。意思が無かったものは、基本的には無効であるが、意思が十分ではなかった場合、有効ではあるが取消し得るものとなる。取消した事を対抗する為の要件を得ないと、善意の第三者に対して取消しを対抗することが出来ない。善意無過失で他人に損害を与えても、賠償する必要はない。故意又は過失のある場合にのみ、損害賠償の責任を負う。
 この様に、利益を実現する為に、権利が与えられているか否か(逆に、義務を負うか否か)と思考する。国家からの取り扱われ方を、有るとか無いとか、与えるとか剥奪するとか、物質化した概念を使って、画一的に思考する。

14.方針

 以上記したのは,ほんのアウトラインであるが、それに従って言葉と数学に導かれ、思考の道具を探求して行く。

15.言葉による探求

 哀(あい)
 喜怒哀楽は感情であり、自己が置かれた状況に対するマイナスの感覚であり、その状況から逃れたい。逃れるにも相当な労力を必要とする。余り労力を要しない場合は、悲みになる。非難を向ける相手は居ない。相手が居る場合は、恨みになる。恨みが目標達成に労力を必要としない場合、怒りとなる。自己に責められるべき点があれば、それを避ける為に労力を要した時罪であり、労力を要しなかった時恥である。

 愛(あい)
 愛が望む状態を達成する為には、相当の労力を要する。達成する為に労力を要しない時、欲となる。対象が意思を有しない時、好むとなる。


・・・等々
 今後へ続く

16.数学による探求

 物質的因果関係は、作用や操作の結果、対象がどの様に変化するかで表わされる。2回足したら幾らになるか。2回引いたら何個残るか。何回引けるのか。物質を押し続けたら、速度はどう変化するか。
 操作の対象や操作自体の要素をx・y・zとする。xとy及びz・・・等多数の数字を足す・引く・何回も足す(掛ける)・何回も引く(割る)・自己と同じ数だけ足す(累乗する)・自己と同じ数だけ引く(平方根等)・・等の操作を繰り返した時、x・y・z間に全く関係が無ければ、1つ1つ計算しなければならない。しかし、x・y・z間に一定の関係があれば、その関係を利用して、一部の要素のみを使って結果の数値を導くことが出来る。
 その関係とは、物質の加速運動の際の、時間の2乗に速度が比例する関係、光や物質を動かす4種類の力の出発点から等しい距離にある円周上を運動する物質に於けるX軸上の値とY軸上の値に見られる、2乗して足すと一定値となる関係、重力に見られる距離の2乗に反比例する関係等々がある。自然界の因果関係にはこの様な簡素な関係がある。


・・・等々
 今後へ続く