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プランク単位系の求め方

プランクエネルギーとは

プランクエネルギー(J)×プランク時間(s)= プランク定数(Js)/2π=換算プランク定数(Js)= ディラック定数(Js)
と定義されます。

 では、プランクエネルギーとは何でしょうか。何故h(プランク定数)÷(1秒/2πプランク時間) でプランクエネルギーが求まるのでしょうか。
 1秒/2πプランク時間=2πプランク時間に1回振動する超ひもの1秒間の振動回数です。これが、最大の振動数となります。半径がlpの円を想定します。円周を振動が光速cで伝わります。円周は2πlpです。光速でlp進むのにtp掛かります。ですから、振動が円を一周するのに要する時間は2πtp秒です。振動が円を一周することが1回の振動を表します。ですから、1本の超ひもの最大の振動数は1/2πtp(回/秒)となります。
 ドブロイは、物質も波として表現されることを示しました。超ひも理論では、一本の超ひもの振動回数が多くなる程、その質量が増加します。
 つまり、h×ν(振動数回/秒)=物質のエネルギーです。超ひもの最大振動数は1/2πプランク時間(回/秒)です。ならば、h×(1/2πプランク時間)= h×(超ひもの最大振動数)=一本の超ひもが最大振動数となった時のエネルギー=プランクエネルギーです。

光速度

 このことは、プランク単位系の求め方から考えると分かり易いと思います。
 プランク距離を@lp、プランク時間をAtp、光速をBcとします。
 この世の最短距離@lpをこの世で最速のB光速c(2.997924×108) m/秒で移動するのに要する時間が、この世の最小時間のAプランク時間tpです。ですから
Clp/tp=c
が成立します。

重力定数

 一方、物質間に働く万有引力は、質量に比例し距離の2乗に反比例します。従って、重力加速度は
Dg(重力加速度)=G*m/r2
と表されます。G(重力定数)=6.67384×10-11(単位:m3s-1s-2)・m=相手の物質の質量(単位:s)・r=物質間の距離(単位:m)です。

 そして、この世のE最大加速度は、最短時間のプランク時間tpで最高速度の光速cに達する加速度です。その加速度をg(m/s2)とすると、
Eg= c/tp
です。

 また、一本の超ひもの質量は様々です。振動の多い超ひも程、質量が大きくなります。最も質量の大きい超ひもをFMs(プランク質量)とします。
 ある物質Qが、Msの物質(プランク質量)Pに最短距離lpまで近づくと、QはPの万有引力によりこの世の最大の加速度Dで引かれます。ですから、DEFより
Gc/tp= GM/lp2
が成立します。

プランク質量とプランクエネルギー

 また、上記のとおり、プランクエネルギー(一本の超ひもが最大振動数となった時のエネルギー)は、Hh/2πtp(ジュール)=hバー/tp(ジュール)です。これをプランク質量Msで表現するとどうなるでしょうか。

 1J(ジュール)は、「1キログラムの質量をもつ物体に1メートル毎秒毎秒 (m/s2) の加速度を生じさせる力で1メートル動かした時の仕事量」です。
  一方、Msの物質Pの持つエネルギー量E(ジュール)は、上記のとおり「同じMsの質量をもつ物質Qにプランク時間で光速に達する最大の加速度を生じさせる万有引力でプランク距離動かした時の仕事量」です。物質Pはエネルギーを使っても、同量のエネルギーをQから受け取るのでそのエネルギーが減ることはありません。しかし、Qを最小距離lpは動かさなければなりません。Qは光速を越えることは出来ないので、以後Qは光速で移動し続けます。

 従って、
Msの物質の持つエネルギー量E(ジュール)=1J(ジュール)×Ms×cm/秒÷tp秒×lpメートル=1J×M×c×(lp /tp)=1J×M×c×c=Mc2ジュールです。

 故に、Iプランクエネルギー=Mc2です。HとIより
J(hバー)/tp= Mc2
となります。

プランク距離とプランク時間

 まとめると Clp/tp=c Gc/tp=GM/lp2⇒lp/tp2= GM/lp2⇒G= lp3/M*tp2
J(hバー) /tp=Mc2⇒(hバー) /tp=M*lp2/tp2⇒1h=2πM*lp2/tp
となります。GとJより
G×1h= (lp3/M*tp2)×2π (M*lp2/tp)=2π lp/tp3=2πlp2c3、lp2= G×h/(2πc3)
∴lp(プランク距離)=√{Gh/(2πc3)}=√(6.67259×10-11×6.6260695×10-34÷6.283184÷(2.997924×108)3=(1.616×10-35)m
∴tp(プランク時間)=lp/c=1.616×10-35÷2.997924×108=(5.39×10-44)秒
 そして、その数値とGよりM= (2.17651×10-8)sとプランク質量が求められます。「E=mc2」を使うとプランク質量より、プランクエネルギー=1.956149×109ジュールを求めることが出来ます。

 以上のことから、「プランクエネルギー」は一本の超ひもの取り得る最大エネルギー量であり、そのエネルギー量はhに一秒当たりの最大振動数(1/2πtp)を掛けると導かれることが分かります。

光のエネルギーと物質のエネルギー

 一本の超ひもの振動数が少ないと光と観測され、振動数が増えると物質と観測されます。
 光の場合はE=プランク定数h×v(振動数)となり、物質の場合も同様になります。

単なる「単位合わせ」でプランク単位系を求めることは出来ない

@重力定数G=lp3/(mp*tp2)=6.67384×10-11[ m3/Kg*s2](実測値)
Aディラック定数hバー=(mp*lp2)/tp=1.054364×10-34[J*s](実測値)
B光速度c=lp/tp=2.997924×108[m/s](実測値)
@ABより、lp2=G*hバー/c3→Cプランク距離lp=√(Ghバー/c3)=1.616229×10-35[m]
BとCより、Dプランク時間tp=√(Ghバー/c5)= 5.39116×10-44[s]
@CDより、Eプランク質量mp=√(hバーc/G)= 2.176510×10-8[s]
と、プランク距離lp・プランク時間tp・プランク質量mpが求められます。

 次に、Gとhバーとcの単位を見て行きます。
 重力定数Gの単位はF[m3/Kg*s2]です。@G=lp[m]3/(mp[Kg]*tp[s]2)だからです。
 一方、エネルギーE[J]=m[Kg](c[m/s])2です。故に、ディラック定数hバーの単位は、[J*s]=(Kg*m2/s2)×s=G[Kg*m2/s]です。hバー=(mp*lp2)/tp=mp[Kg]×(lp[m]/tp[s])2×tp[s]だからです。
 光速度cの単位はH[m/s]です。c=lp[m]/tp[s]だからです。

 ですから、長さをlpの何倍か(lp=1とする、長さを○○lpと表わす)、時間をtpの何倍か(tp=1とする、時間を○○tpと表わす)、質量をmpの何倍か(mp=1とする、重さを○○mpと表わす)で表現すると
@重力定数G=lp3/(mp*tp2)=13/(1×12)=1[ lp3/mp*tp2]
Aディラック定数hバー=(mp*lp2)/tp=(1×12)/1=1[mp*lp2tp]
B光速度c=lp/tp=1/1=1[lptps]
となります。これで、重力定数G・ディラック定数hバー・光速度c共に1となり、スッキリします。これが「自然単位系」です。
 このことをとらまえて、プランク単位系を求めるには、単なる「単位合わせ」で出来ると主張される方があります。

 しかし、どうして@ABの方程式が成立するのか、その意味するところを考えなくてはなりません。
 1本の超ひもの長さはプランク長lpです。その上を振動が光速cで伝わります。1本の超ひもの端から端まで振動が伝わる速さがプランク時間tpです。従って、
Bc=lp/tp
です。これはB「長さlp[m]の超ひもの端から端まで、振動はc[m/s]の速さで、tp[s]で伝わる」ことを意味しています。

 また、1本の超ひもの振動数が多くなるほど質量が増えます。そして、最短時間であるプランク時間に1回振動する超ひもが最も重くなります。この時の振動回数は、(1/tp)回/秒です。
 一方、換算プランク定数hバーを使うと
1秒間に1回振動する一本の超ひもの持つエネルギーE=hバー×1回/s=(1.054364×10-34)J
です。従って、
最大振動数の超ひものエネルギーE=hバー/tp
です。「E=mc2」→「m=E/c2」なので、
最も重い粒子のエネルギーE=mp*c2
です。従って
hバー/tp= mp*c2=mp(lp/tp)2、Ahバー=(mp*lp2)/tp
です。これはA「tp[s]に一回振動する超ひもが最も大きい静止エネルギーを持ち、それはプランク質量[s]×c[m/s]2=ディラック定数×1秒当たりの振動数[Hz]である」ことを意味しています。

 また、プランク質量mp同士がプランク距離lpまで近づくと、お互いにこの世の最大加速度で引かれます。この世の最大加速度とは、最小時間のプランク時間tpで最高速度の光速度cに達するものです。ですから
この世の最高加速度(kothimaro加速度ak)=c/tp
です。加速度は質量に比例し距離の2乗に反比例するので、万有引力定数Gを使うと
c/tp=G*mp/lp2
となります。この両辺にプランク質量mpを掛けると
mp*c/tp=mp*lp/tp2=「プランク力Fp=G*mp*mp/lp2」→@G=lp3/(mp*tp2)
です。これは@「プランク質量同士がプランク距離まで近づくと、その間にはプランク力の万有引力が働く」ことを意味しています。

 単に、『重力定数Gの単位が[m3/Kg*s2]=「長さの3乗÷(重さ×時間の2乗)」なので、@G=lp3/(mp*tp2)が成立するのだ。ディラック定数の単位が[Kg*m2/s]=「重さ×長さの2乗÷時間」なので、Ahバー=(mp*lp2)/tpが成立するのだ。光速度cの単位が[m/s]=「長さ÷時間」なので、Bc=lp/tpが成立するのだ。』ではないのです。

 これで、プランク単位系は単なる「単位合わせ」で求まるのでないことが分かりました。上記の様に、@ABの方程式の意味を考えて、プランク単位系を求めなければなりません。そうすれば、自ずから「プランク質量mp」の意味が理解出来ます。プランク質量は「一本の超ひもの取り得る最大質量」です。

 @G=lp3/(mp*tp2)が成立するので、重力定数Gの単位は[m3/Kg*s2]なのです。Ahバー=(mp*lp2)/tpが成立するので、ディラック定数hバーの単位は[Kg*m2/s]なのです。Bc=lp/tpが成立するので、光速度cの単位は[m/s]なのです。

 決して、その逆ではありません。@ABの方程式の意味を考えて下さい。単位から導かれるのではありません。単位の元となった方程式から求められるのです。