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何故、光は重力により曲がるのか

光には重力質量がある

 光には慣性質量はありませんが、重力質量があります。その為に、光は無限の彼方まで届きますが、重力により曲げられるのです。

 質量には2種類あります。それを説明します。
 力F=質量m×加速度aです。そして、質量mには慣性質量と重力質量があります。慣性質量とは動き難さです。重力質量とは、他の物質の万有引力に引かれる性質です。

 物質AとBが、地球の重力により落下する場面を考えます。物質Aの質量m1=2×物質Bの質量とします。
 物質AとBが地球の重力により引かれる力Fは@のとおり計算されます。
@F=GMm/r2
 このmは、重力質量を表しています。Fは落下する物質の質量に比例するので、
物質Aが地球の重力に引かれる力=2×物質Bが地球の重力に引かれる力
です。
 一方、物体に力を加えると加速します。加速度は質量に反比例します。従って次の様に表せます。
A(a=F/m)⇒(F=ma)、(力=質量×加速度)
 このmは、慣性質量を表しています。全ての物質で慣性質量が2倍となると重力質量も2倍となります。つまり@m=Amです。

@とAより
ma=GMm/r2、∴a=GM/r2となります。つまり、落下する物質の質量に関係なく、重力加速度は同じです。ですから、全ての物質はその質量に関係なく同時に落下します。

 簡単に言えば、落下する物質の質量が2倍となると、動き難さである慣性質量と他の物質の万有引力に引かれる力も2倍となります。動かそうとする力も2倍となりますが、動き難さも2倍となるので、同じ動きをするのです。
 光には慣性質量がないので、無限の遠方まで届きます。しかし、重力質量があるので重力により曲げられるのです。

光の質量

 光にはエネルギーがあります。そして、質量とエネルギーは等価です。
 可視光線は、紫から赤までです。赤い光は3.9×1014Hz(ヘルツ)・紫の光は7.9×1014Hz(ヘルツ)です。1Hzは1秒間に1回振動する光です。そのエネルギー量が、6.626069×10-34J(ジュール)であることは、既に説明しました。
赤い光の1秒当たりの振動回数ν回/秒=3.9×1014
紫の光の1秒当たりの振動回数ν'回/秒=7.9×1014
です。ですから
赤い光のエネルギー量E=h(ジュール*秒)×3.9×1014回/秒= 2.584166×10-19ジュール
紫の光のエネルギー量E'=h(ジュール*秒)×7.9×1014回/秒= 5.234594×10-19ジュール
です。これを質量に直すには、E=mc2⇒m=E/c2を使います。
赤い光の質量m(s)= 2.584166×10-19ジュール÷c2=2.584166×10-19ジュール÷{(2.997924×108)m/秒}2=2.875272×10-36s
紫の光の質量m'(s)= 5.234594×10-19ジュール÷c2=5.234594×10-19ジュール÷{(2.997924×108)m/秒}2=5.824270×10-36s
です。これで可視光線は、2.875272×10-36sから5.824270×10-36sまでの質量を持つことが分かりました。従って、光も重力質量を持ち重力によって落下することが分かります。

重力の仕組み

 量子力学では、重力は、グラビトンがものの間を往復することで生じると考えます。あたかも、グラビトンが輪ゴムの様に、2つのものを近づけるのです。空間が歪むとは考えません。