• CATBIRD日記 (物理・数学・歴史・哲学・宗教の未解決問題を扱ってます)
  • 何故、波は回折(障害物を回り込む運動)するのか

    光の回折現象

    光の回折

     光は障害物があると、それを回り込む様に進む。これを回折現象と言う。物体αがあり光がその角Pに来た時、光はQ方向へ回り込む。光が光子と言う粒子が真空中を進むのであれば、この回折現象は説明出来ない。光子はS→Pと進んでも、そのまま真っ直ぐに進むからである。何故、光は回折するのであろうか。Oの位置には、光が回折するどの様な仕組みが在るのであろうか。

    水の波の回折運動

    水の波の回折

     水の波は、物を回り込む様に進む。Oで発生した波は、同心円状に広がり、物体αに到達する。αの角Pで波はQ側に同心円状に広がる。角Qに到達すると、波はR側に広がる。角Rに到達すると、今度はS側に広がる。この様に波は障害物を回り込んで広がる性質がある。これを波の回折現象と言う。この回折は、水の波・音波に見られる。

     しかし、一口に波と言っても、水の波・音波では、波の生じる仕組みは異なる。何故、波は回折運動をするのか、波の種類毎に考察して行く。

    水の波の発生

    水の波の発生

    水の波は、重力により発生する。従って、動きは上下運動である。物体αが水に落ちる。すると、OP部分の海水は、αに押されて周りに移動する。周りには既に海水があるので、αが落下した周辺の海水はQRの様に盛り上がる。

    水の波の広がり  QとRの部分の水は、持ち上げられているので落下する。高いところから落下した勢いにより、下に在った海水を押しのける為に、QR部分は凹む。QRの凹んだ部分の海水は、半分がOP部分に流れ込み、OP部分が高くなる。残り半分の海水はTS部分に流れ込み、TS部分の水面が盛り上がる。この様に、水がその位置で持ち上がったり落下したりすることで、波は同心円状に広がる。水の波は上下に震動するので、これを横波と言う。

    水の波の回折現象  今、波が物体αの側面に沿って、奥から手前にR→Pとやって来たとする。Pがこの物体の角である。青の半円部分Oが海水の盛り上がった所である。物体の角Pの部分で盛り上がった海水は、物体αの側面に沿って右側にP→Qに流れ落ちる。そして、波は物体の側面に沿ってP→Qに伝わる。これが、水の波の回折現象である。

    音の回折現象

    太鼓の音

     水の波は上下運動である。しかし、音は空気の前後運動である。音波は重力は関係しない。太鼓をバチで叩くと、太鼓の皮が前方へ押される。そうすると、前の空気が圧縮される。圧縮された空気は、元に戻ろうとして全ての方向へ膨張する。

    音の伝播  Oの部分の空気が圧縮される。すると、Oは元に戻ろうとして膨張し、隣の空気Pを押し圧縮する。Pも元に戻ろうとして膨張し空気Qを押す。Qも元に戻ろうとしてRを押す。RはSを押す。この様にして、空気の振動が伝わって行く。空気は前後に振動するので、これを縦波と言う。音は空気の弾性により生じる。従って、一口に波といっても、海の波と音とは全く異なったメカニズムで生じる。


    音の回折  音がR→Pに伝わり、空気Oが圧縮される。すると、空気Oは元に戻ろうとして四方八方に膨張する。その膨張はP→Q方向にも当然向かう。こうして、音は回折する。

    ギターの弦の振動

    弦の振動

     ギターの弦の振動は、弦の弾性により生じる。弦のPの部分を弾く。この行為は、弦をOまで引っ張り離すことである。弦はOまで伸びる。離されると、弦は弾性により元に戻ろうとする。弦はPまで戻るが勢いが付いているので慣性により、更にQ方向へ向かう。弦が次第に伸びると、元に戻ろうとする力が段々強くなってくる。弦はQの位置で止まり、今度は逆方向であるO方向へ向かう。これを繰り返して、ギターの弦は振動する。この場合、振動は弦の方向にしか伝わらないので、回折現象は問題とはならない。

    光の回折現象

    光子の前進

     光も回折する。若し光が光子と言う粒子が空間を進んでいるだけであるなら、回折する理由がない。
     光子がOからスリットを通り抜けて、物体αの角Pに到達した。この光子はそのままQ方向へ進むはずであり、R方向へ曲がる理由がない。

    光の回折現象  光が物体αの角Pに来た時、O部分には弾性を持った何かが存在しており、それが緊張した状態でなくてはならない。それが元に戻ると勢いが付き通常よりも逆の緊張となる()。その反動で、今度は周りが緊張される。従って、光は四方八方へ広がる。P→Q方向へも伝わる。

    エーテルに代わる超ひもと言う光を伝える媒体

     弾性を持った光を伝える媒体であるエーテルの存在は否定された。しかし、それで光を伝える媒体の存在自体が否定された訳ではない。

     光も物質も、超ひもの振動である。光や物質として振動する超ひもは、光や物質として観測され、振動していない超ひもは真空として観測される。Oの部分には超ひもが存在している。光がOに到達した時、Oの部分の超ひもは緊張する。それがはじける様に四方八方のの超ひもに伝わる。そうして光はP→Q方向へ回折する。

     エーテルに替えて超ひもを、光の媒体として考えるべきである。光子では光の回折現象は説明出来ない。