• CATBIRD日記 (物理・数学・歴史・哲学・宗教の未解決問題を扱ってます)
  • 無限小は四則計算出来るか

    T.無限小の定義

     無限小とは「0でなく、かつ限りなく0に近い」です。この無限小に足したり引いたり掛けたり割ったりと四則計算出来るでしょうか。
     つまり、無限小×2=無限小の2倍・無限小÷2=無限小の半分が成立するのでしょうか。
     成立するとしたら、無限小×2や無限小÷2と「限りなく0にちかづく」とはどう違うのでしょうか。

    U.無限小の2倍とは

     私は、無限小は「限りなく0に近づく」なので、2を掛けても2で割っても「限りなく0に近づく」に変わりはないので、無限小×2=無限小、無限小÷2は無限小であると考えます。つまり、無限小は実数の様に四則計算出来ないと考えます。

     このホームページで「無限小は四則計算出来ない」ことの証明を試みます。

    V. 0.9999・・・=1か

     その方法として、@「0.9999・・・=1」かA「0.9999・・・≠1」と言う問題を考えて見ます。
     その証明方法として
    『「 0.99999・・・」という数を「a[n]=0.999・・・(9がn個)という 数列を定めたときのlim[n→∞]a[n]」と定義する。(1/10)^N < ε⇔log10{(1/10)^N} < log10(ε)⇔N > -log(ε)よ り N > -log(ε) を満たす N をとれば 任意の正の実数及び無限小である ε に対し てn > N を満たす n が存在して|{1 - (1/10)^n} - 1| < εとなる』 があります。この証明については、Wikipedia等を参照下さい。

     この証明において『| (1/10)^n|<ε』の結論を導いたεには、全ての正の数と無限小が含まれるとしています。「0<無限小<最も小さい正の数」なので、「| (1/10)^n|は0以上かつ全ての正の数及び無限小よりも小さい」です。  だから、| (1/10)^n|=0となる訳です。∴C0.999・・・=1−(1/10)^∞=1−0=1です。

     しかし
    | (1/10)^∞|=0の時、0.999・・・=1−無限小=1−0=1、無限小=0、しかし、無限小≠0なので矛盾します。
     この矛盾が生じるのは、無限小を実数と同じ様に四則計算可能としてεに含めたからです。

     従って、
    | (1/10)^n|=無限小≠0です。0.999・・・=1−無限小=1−| (1/10)^∞|≠1−0=1です。

     これで、無限小は四則計算出来ないことが証明されました。

    W.0.999・・・≠1の正しい証明

     ※下記に正しい証明を記載しておきます。
     εは全ての正の数であり、無限小を含まない。従って、『(1/10)^nは0以上全ての正の数未満である』。
     「0<無限小<最も小さい正の数」なので、(1/10)^∞=0又は無限小です。
     (1/10)^∞=0の時
    0.999・・・=1−無限小=1−0=1、無限小=1−1=0、矛盾するので(1/10)^n≠0
     (1/10)^∞=無限小の時
    0.999・・・=1−無限小=1−無限小、矛盾しないので(1/10)^n=無限小
     無限小≠0なので
    0.999・・・=1−無限小≠1−0=1、
     q,e,d,

    X.「0<無限小<最も小さい正の数」の証明

     0と最も小さい正の数の間に無限小がないとすると、0と最も小さい正の数の間はない。従って、最も小さい正の数−0=0である。∴最も小さい正の数=0+0=0、矛盾するので0と最も小さい正の数の間には0でない無限小がある。
     無限小≠0、∴最も小さい正の数−0≠0、最も小さい正の数≠0、矛盾しない。
     これで、「0<無限小<最も小さい正の数」であることが分かりました。

     教科書では、数の「稠密性」とは数と数はつんでおり間がないことである。従って、0と最も小さい正の数との間には何もない。つまり、「0<最も小さい正の数」であり0と最も小さい正の数の間に無限小なるものはないとします。だからεを全ての正の数であり無限小を含まないとしても『(1/10)^nは0以上全ての正の数未満である』より(1/10)^∞=0が導かれると説明します。

     しかし、ここで「方法的懐疑」を使って見て下さい。
     数と数の間がないのであれば、その差は0です。ならば、最も小さい正の数と0の間は0です。
     従って、最も小さい正の数=0+0=0、二番目に小さい正の数も0+0=0、三番目・・・と数は全て0となり矛盾します。

     この様に方法的懐疑を使えば、0と最も小さい正の数との間は0でなく無限小があることを発見出来ます。