マイナスとマイナスの数値を掛けると、なぜプラスの数値になるのでしょうか。
速度×時間=距離で考えて見ると、簡単に分かります。
例えば、自動車に乗って、時速30qで前方へ走り続けている場面を想定します。今から2時間後には、30q/h×2h=60q前方に到着します。
時速−30qとは、バックで走行していることを意味します。−2時間とは2時間前を表します。時速−30q/h×−2h=60qです。つまり、私は、ずーとバックで走り続けています。2時間前の位置は、60q前方です。今から、前方に30q/hで2時間走った位置と同じです。
今度は、面積で考えて見ます。
縦15m×横24mの長方形の土地があったとします。この土地の面積は360平米です。縦を5m横を4mそれぞれマイナスすると、面積は幾らになるでしょうか。
結果的には、縦が10m横が20mなので、10×20=200平米です。では、計算式を分析してみましょう。
(15−5)×(24−4)=15×24−15×4−5×24+(−5×−4)=200平米となります。つまり、縦のマイナス(あ・う)と横のマイナス(あ・い)をすると、重複して元の面積から引かれる部分(あ)が生じる計算になる為、その部分(あ)を後で加えなければなりません。その部分は、5×4=20平米です。従って、(−5×−4)=+20でなくてはなりません。
この様に、具体的な事例で考えれば理解出来ます。決して、純粋な数学の理論のみで、マイナス×マイナス=プラスを導くことは出来ません。