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光速を超えると因果律に反するか

速度の上限は何故光速なのか

 何故、物質は光速を超えて移動することが出来ないのでしょうか。
 それを考えるには、何故光は光速を超えて進まないのかがヒントになります。光が粒子であれば、更にエネルギーを加えると、幾らでも速く動きそうです。しかし、現実にはその様なことは起こりません。それは何故でしょうか。

超ひも理論

 現在の物理学では、「超ひも理論」が最も有力視されています。そして、宇宙を次の様に想定します。
 宇宙開びゃくの瞬間、宇宙は非常にエネルギーの高い状態にあり、個々の「超ひも」は自由に空間を動き回っていました。しかし、宇宙のエネルギーが、100Gevになった時、「超ひも」は第三回目の相転移を起こしました。相転移とは、水蒸気が冷えて氷となる様な現象を言います。水蒸気として自由に動き回っていた水の分子は、冷えて相転移を起こし氷の分子として固定され、もはや自由には動き回ることが出来なくなります。

超ひもの網

 ここからは、オリジナルです。
 ビッグバンの初期には、「超ひも」は光速を超えて自由に移動していました。しかし、宇宙のエネルギーの低下に伴い、宇宙は相転移を起こし、「超ひも」は固定され網状に繋がったと考えます。

 そして、その「超ひもの網」の上を、物質や光及び重力・電磁力・強い力・弱い力の4つの力は、振動として伝わると考えます。つまり、物質が移動して見える現象は、実は超ひもの物質としての振動が、次々と隣の超ひもに伝わる現象であると思います。そして、「超ひも」の振動自体が光速で伝わるので、何ものも光速以上で伝わることは出来ないのです。

 超ひも理論では、物質も光も一本の超ひもの振動として表現されます。超ひもの長さをプランク距離lpと言います。振動が超ひもの端から端まで伝わるのに要する時間をプランク時間tpと言います。超ひもの振動は光速cで伝わります。従って、
 光速c=プランク距離lp÷プランク時間tp=lp/tp= 1.616199×10-35m÷5.39106×10-44秒=299,792.5q/秒となります。

 ここで注意したいのは、1本の超ひも上を光は光速で振動として伝わることです。そして、真空中も同じ光速で光は伝わります。これは単なる偶然でしょうか。
 真空中には、超ひもが繋がったものがあり、その上を光はそのまま光速で伝わっていると考える方が自然です。

高速移動する時計の遅れ

 上記で述べた通り、幾ら光の質量が0でも、光が粒子なら、エネルギーを加えると更に幾らでも加速するはずです。なぜ、光の速度は299,792.5q/秒が限界なのか、そのヒントは1本の超ひも上を伝わる光の速度が光速であることにあると考えます。

 本来は物質も光と同様に、光速で「超ひもの網」上を伝わろうとします。しかし、「超ひもの網」である空間にはヒッグス場があり、物質がその中を移動すると、ヒッグス粒子が生じ物質にまとわり付き動き難さである質量を与えます。その為に、物質は光速未満でしか動くことが出来ないのです。

 私はこの理由により物質は、光速未満でしか移動出来ないと考えます。相転移する前の宇宙は、超ひもが繋がっておらず、自由に飛び回っていたので、光は光速を超えて移動することが出来ました。インフレーション理論でも、宇宙開闢の一瞬あらゆるものは光速を越えた速度で飛び散ったと考えます。その後、宇宙は相転移し、超ひもが網状に繋がったので、光は光速で真空中を伝わる様になりました。

 高速移動すると、時間の座標が変化します。実際に、GPtp衛星搭載の時計は、高速移動するので地上の時計に比べて1秒間に100億分の2.55秒ゆっくりと時を刻みます。また、地上よりも重力の弱い所を回っているので、地上の時計に比べて1秒間に100億分の7秒速く時を刻みます。その為に、GPtp衛星に搭載される時計は、地上では100億分4.45秒ゆっくりと進む様に調整されています。これで、軌道上に乗った時、地上の時計とシンクロするのです。

 しかし、この事実から、高速で移動したり強い重力が掛かったりすると、時間の経過が遅れると言えるのでしょうか。それとも、ただ時計が動き難くなったので遅れただけでしょうか。このことを検証して見ます。

 光速に近づく程、物質は動かし難くなります。これは、加速器の実験でも実証されています。相対性理論では、v[m/s]で移動する物質は、静止時に比べて√(1-v2/c2)倍しか動かないと表現します。
 つまり、v[m/s]で移動する時計は、静止時に比べて部品が√(1-v2/c2)倍しか動かないので、1秒間に√(1-v2/c2)秒を刻む様になります。

時間が未来から過去に流れる事はないので因果律は崩れない

 この様に、高速で移動しても時間の経過自体は変わりません。また、物質は光速を超えることがなく、万が一超えたとしても、時間は変化しないので過去に向かって流れることはありません。ですから、因果律は崩壊しないのです。

 決して、因果律が崩れるから時間は過去に向かって進むことがないのではありません。