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  • 光速度不変の原理の簡単な説明

    T.光速度不変の原理とは

     「光速度不変の原理」とは、観測者Aが、Vq/秒で光と並走しても、光と対面する形で移動しても、光の相対速度は(C−V)q/秒や(C+V)q/秒ではなく、常にCq/秒としか測れないと言う原理です。

    U.光速度不変を要請する理由

     「光速度不変の原理」は、電磁気学の理論として提唱されました。電磁気力は、電荷を帯びた物質間を、光の一種である電磁波が往復することにより作用反作用の形で生じます。
     物質間の距離をCqと設定します。静止時には、電磁波は2秒で物質間を往復します。一方、2つの物質が、Vq/秒で並走しながら電磁波を交換仕合うと、電磁波の往復距離は、横(進行方向)2C/ (1−V2/C2)q・縦(上下左右方向)2C/√(1−V2/C2)qとなります。

     従って、電磁波の往復に要する時間は、横2/ (1−V2/C2)秒・縦2/√(1−V2/C2)秒です。電磁気力の強さは、物質間の距離の2乗に反比例します。つまり、電磁波の往復に要する時間の2乗に反比例するので、V慣性系では、生じる電磁気力の強さは横1/(1−V2/C2)2倍・縦1/(1−V2/C2)倍と弱まりそうです。
     しかし、マックスウェルの方程式では、V慣性系でも生じる電磁気力の強さは静止時と同じとしています。そして、現実にも同じなのです。地球は、宇宙の中で様々に加速減速を繰り返しています。それにもかかわらず、地上の電磁石の強さは同じです。

    V.特殊相対性理論による解決方法

     ここから、アインシュタイン博士は、移動する2つの物質から見て、電磁波の相対速度はCq/秒で不変であると考えたのです。そうすると、2つの物質の相対距離はCqで、電磁波の相対速度はCq/秒です。従って、電磁波は2秒で物質間を往復することとなるので、生じる電磁気力の強さは不変であると考えました。

     しかし、Cq/秒の光をVq/秒で追いかけながら観測すると、光の速度は明らかにCq/秒ではありません。これはどの様に考えるべきでしょうか。

    W.高速移動する時計の遅れ

     高速移動する物質には、次の2つの変化が生じます。
     @物質は静止時の√(1−V2/C2)倍しか動けなくなる。A物質は進行方向に√(1−V2/C2)倍ローレンツ収縮する。
     先ず、@から説明します。Vq/秒で移動する粒子を上下左右方向へ動かします。動かせる限界は、√(C2−V2)q/秒までです。この時、粒子の速度はCq/秒とMAXになります。これ以上、上下左右方向へ動くと粒子は光速を超えてしまいます。
     静止時には、Cq/秒まで加速することが出来ました。従って、V慣性系では、物質は静止時の√(C2−V2)q/秒÷Cq/秒=√(1−V2/C2)倍しか動かせないことが分かります。
     従って、Vq/秒で移動する時計は、静止時の√(1−V2/C2)倍しか動けないので、1秒間に√(1−V2/C2)秒を刻みます。Bt’=t*√(1−V2/C2)です。

    X.高速移動する定規の収縮

     次にAを説明します。電子は原子核の周りを回っています。電子は、外側に飛び出そうとする遠心力と原子核からの電磁力である引力との釣り合う一定軌道上を回ります。原子が高速移動すると、電子は上記のとおり動き難くなり、回転速度が遅くなります。すると、遠心力が弱まるので、電子は原子核に引き付けられることになります。この様にしてVq/秒で移動する物質は、進行方向に√(1−V2/C2)倍収縮します。

    Y.全ての慣性系において物理法則は同じ形となる

     Vq/秒で移動する地球全体がローレンツ収縮するので、電磁波の往復距離は、横2C*√(1−V2/C2)/(1−V2/C2)q=2C/√(1−V2/C2)qと、縦の往復距離と同じとなります。従って、電磁波の往復に要する時間は、縦も横も2/√(1−V2/C2)秒です。
     しかし、Vq/秒で移動する時計は、この2/√(1−V2/C2)秒間に2秒を刻みます。従って、電磁波の往復に要する時間は、静止系もV慣性系も2秒と計測されます。この様に、電磁波の往復に要する時間が不変なので、生じる電磁気力の強さもVの値に関係なく不変なのです。
     これを、「全ての慣性系において物理法則は同じ形となる」と言います。

    Z.光の相対速度

     この様に、電磁波の往路と復路とでは、相対速度は異なりCq/秒ではありません。
     光をFP(x,y,z)=(Ct*cosθ,Ct*sinθ,0)とします。V慣性系では、物質である定規が横に√(1−V2/C2)倍収縮するので、測定される距離は1/√(1−V2/C2)倍となります。その間、観測者A自身がVtq移動しているので、その分距離は短く測定されます。従って、Cx’=(x−Vt)/√(1−V2/C2)です。上下左右は変化ないので、Dy’=y、Ez’=zです。

     V慣性系で電磁波の進んだ距離はG√(x’2+y’2+z’2)qです。これに、CDEFを代入すると
     G=(C−Vcosθ)t/√(1−V2/C2)qです。
     電磁波の進んだ時間は、 t’=Ht*√(1−V2/C2)です。
     従って、光の相対速度=G÷H=(C−Vcosθ)/(1−V2/C2)です。この様に、現実には、光の相対速度はCq/秒ではありません。

    静止系の必要性

     しかし、生じる電磁気力の強さは、電磁波の往復時間の2乗に反比例するので、往路と復路も光速度不変と仮設しても良いのです。従って、「光速度不変の原理」は、物理計算を可能にした発明です。

     実際には、往路と復路とでは光の相対速度が異なります。その為には、静止系が必要となります。
     ローレンツ変換は、往路も復路も光速度不変としているので、静止系が必要ありません。このことを説明します。
     相対性理論では、物質も光も全て粒子と考えます。空間は何も無い空虚なものとします。ですから、空間の位置を考えることは出来ません。後に残るのは、動き回る粒子のみです。こうなると、どの粒子が静止しているのか分かりません。この粒子が静止しているとするとあの粒子は移動している、逆に、あの粒子が静止しているとするとこの粒子は移動しているとしか言えなくなります。
     この様に、運動とは、物質と物質との相対的な位置関係の変化でしかなくなります。相対性理論では、静止系と言う特別な系は無いと考えます。
     つまり、自分の居る系は移動しているいや静止していると、自由に考えることが出来るのです。自分は移動しているいや静止していると考え方を変えただけで、観測される光の速度が変化してはなりません。従って、光速度は、常に不変でCq/秒と観測されなければなりません。静止系がないと、必然的にローレンツ変換が導かれます。

     一方、静止系を発見出来れば、各慣性系の移動速度を特定することが出来ます。そうなれば、光速度は各慣性系で異なっても構いません。自然に、kothimaro変換が導かれます。
     では、静止系はあるのでしょうか、ないのでしょうか。
     静止系の存在については、真空には何があるかを参照下さい。