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kothimaro長よりπ中間子の質量を求める

T.コンプトン波長

 「π中間子」の質量も、「kothimaro長k」を使って求めることが出来ます。

 粒子の静止質量全てが光となると、その光の波長は「コンプトン波長λ」となります。粒子Aの質量=m[s]とします。
粒子Aの静止エネルギーE=mc2
なので
変換された光のエネルギーE'=mc2×(c2/c2)= @mc2[J]
です。
 一方、光のエネルギーE'=hf (h=プランク定数、h=周波数)なので
E'=mc2=hf
です。∴
光@の周波数f=mc2/h[Hz]
です。∴
光@が1回振動するのに要する時間t=h/mc2[s]
です。

 光@の速度はc[m/s]なので
光@が1回振動する間に進む距離(波長λ)= h/mc2×c=h/mc
です。これで「コンプトン波長λ= h/mc」が求まりました。

 π中間子は、陽子と中性子間(その距離をrとする)を、光として光速度cで往復します。ですから
光@の「コンプトン波長λ」= h/mc
です。

U.kothimaro長

 光のエネルギーはh(プランク定数)で表しますが、物質のエネルギーはhバー(ディラック定数=h/2π)を使います。したがって
「コンプトン波長λ」の(1/2π)の波長=「kothimaro波長k」= h/mc÷2π=hバー/mc
です。kothimaro波長kとは、1[rad]回転する波の波長です。

V.仮想粒子のkothimaro長

 物質波(=粒子)が「ヒッグス場」を移動しそれを1[rad]振動させると、ヒッグス粒子がまとわり付き質量を与えられます。ですから、1[rad]振動する時間内t'[s]であれば、ヒッグス粒子の影響を受けず静止質量0の光でいられます。これを「仮想粒子」と言います。
t'= (hバー/mc)÷c=hバー/mc2[s]
です。
 したがって、π中間子もhバー/mc2[s]間なら、光として陽子と中性子間を光速度cで移動できます。1[rad]振動してしまうと、光はπ中間子に戻ってしまいます。これでは、光速度cで進むことは出来ません。故に
「kothimaro波長k」=hバー/mc=r=陽子と中性子間の距離
です。すると
π中間子の質量m=hバー/rc
π中間子の静止エネルギーE=mc2= (hバー/rc)×c2=hバーc/r
です。これに、r=1.93×10-15[m]を入れると、「パイ中間子」の質量とエネルギーを求めることが出来ます。

 このように電子の約200倍の質量があるので、「パイ中間子」の姿で陽子と中性子間を往復することは出来ません。光としていられる時間はt'=hバー/mc2[s]です。その間だけ光速度cで移動できます。ですから、核力の到達距離は約10-15[m]程度と短いのです。

 これに比べ、電磁気力を生じる「ゲージ粒子」の光子の振動数は小さくエネルギーも低いです。ですから、何時までも光でいることができ、電磁気力の到達距離は無限大です。

W.不確定性原理

 一方、「不確定性原理」からも、「パイ中間子」のエネルギーや質量を計算出来ます。
 「超ひも理論」では、光も物質も1本の「超ひも」の振動で表現します。1秒間に1回回転(振動)する1本の「超ひも」のエネルギーはh[ジュール]です。
 これは周波数fを使った時の表現です。角周波数ωを使うと、1秒間に1[rad]回転(振動)する1本の「超ひも」のエネルギーはh/2π=hバー[ジュール]です。

 「プランク時間tp」に1[rad]回転(振動)する「超ひも」のエネルギーは「プランクエネルギーEp」です。ですから
1秒間に1回振動する「超ひも」のエネルギーE'=Ep×tp=√(hバーc5/G)×√(hバーG/c5)=hバー[ジュール]
です。

 では、質量m[s]の1本の「超ひも」の持つエネルギーE'を求めましょう。
質量m[s]の静止エネルギーE=mc2です。そして、プランクエネルギーEpの「超ひも」が1[rad]回転するのに要する時間t=プランク時間tpなので
質量m[s]の超ひもが1[rad]回転(振動)するのに要する時間t'=tp×(Ep/mc2)=hバー/mc2[s]
です。
 ※Ep×tp=√(hバーc5/G)×√(hバーG/c5)=hバーを使いました。

 故に
質量m[s]の超ひもの角周波数ω=1[s]÷t'=mc2/hバー[rad/s]
です。ですから
質量m[s]のエネルギーE×1[rad]回転するのに要する時間t'= mc2×hバー/mc2=hバー=h/2π
です。このように、粒子が持つエネルギーと1[rad]回転するのに要する時間を掛けると、「改定プランク定数hバー」になります。

 一方、物質波が「ヒッグス場」を伝わりそれを振動させると、「ヒッグス粒子」が生じ質量が与えられます。そして、物質波が1[rad]回転し「ヒッグス場」を振動させると「ヒッグス粒子」が生じます。
 物質波は1[rad]回転する間、「ヒッグス場」の影響を受けません。ですから、その間光速度cで移動できます。光は周波数fが低いので、幾ら「ヒッグス場」を振動させても、「ヒッグス粒子」は生じません。ですから、光は抵抗を受けず光速度cで「ヒッグス場」を進めます。

 自然界には「短時間だけ発生してすぐに消滅してしまう粒子A」があります。その粒子が1[rad]振動する間「ヒッグス粒子」の影響を受けません。ですからその間、質量がないので粒子は自由に存在できます。1[rad]振動すると「ヒッグス粒子」が生じ質量を与えられるので、不安定な粒子はバラバラとなり、他の安定した粒子になります。

 上記のとおりいかなる粒子も、それが持つエネルギーE'と1[rad]回転するのに要する時間t'を掛けると「h/2π」となります。そして「エネルギーと時間の不確定性原理」はこの理を表しています。
 上記理由より、t'[s]内の時間であれば自由にエネルギーEは粒子として存在できます。そして、「ヒッグス機構」の影響を受けず光速度cで移動出来ます。この時間t'を経過すると、不安定な粒子はもう存在出来ず壊れてしまいます。

 「パイ中間子」もt'[s]内なら、「ヒッグス機構」の影響を受けず、光速度cで陽子と中性子間を移動出来ます。陽子と中性子間をλ[m]とすると、「パイ中間子」の波長はλ[m]です。それは、光速度cで陽子と中性子間を1[rad]回転(振動)して移動するので
「パイ中間子」が1[rad]回転(振動)するのに要する時間t'=k[m]÷c[m/秒]=k/c[s] (k=kothimaro波長)
です。

 「パイ中間子」のエネルギーをE'とすると
E'×t'=h/2π→E'=h/(2πt')=h/2π÷k/c= hバーc/k=mc2
です。つまり、数式「mc2=hバーc/k」のkに、核子間の距離rを入れると、「パイ中間子」のエネルギーE'が求まります。

 ですから『不確定性原理』の正しい理解は
パイ中間子(が光速度c)でいられる時間t=< hバー/mc2
陽子と中性子間の距離λ=hバー/mc
パイ中間子の速度v>= hバー/mc÷hバー/mc2=c
速度の上限=c
∴パイ中間子の速度v=c

 以上を言葉で表します。質量が大きい粒子程、つまりエネルギーEの高いもの程、短い時間tでしか存在できません。最長時間存在出来たとしても、「エネルギーE×t=hバー」が成立します。実際にはこれよりも短い時間で他のものに変わってしまう粒子もあるので、不確定性原理は『E×t>=hバー』と表されます。

 電子の約200倍もある「パイ中間子」は極短時間t'= hバー/mc2しか存在できません。その間に陽子から中性子へ移動します。陽子と中性子間はλ= hバー/mc[m]です。ですから、「π中間子」の速度v= hバー/mc÷hバー/mc2=c[m/秒]です。

 証明終わり。

X.プランク定数hとディラック定数hバーの使い分け

 上記のとおりhバーは回転運動する粒子について、「2π」をなくするために使います。しかし、hとhバーどちらを使っても計算結果は同じです。ですから、回転していない「パイ中間子」の質量を求める際、hバーでもhでも好きな方を使えば良いのです。

 実際にhとhバーを使って計算しておきます。
 陽子と中性子間をrとします。光となったパイ中間子は、1[rad]回転(振動)する間に、陽子と中性子間を行き来します。
 まず、hで計算します。
 パイ中間子のコンプトン波長λ= h/mcです。ですから、r=λ/2π=h/2πmcです。∴
@1[rad]振動する時間t'=h/2πmc÷c=h/2πmc2
です。

 次に、hバーで計算します。
パイ中間子のkothimaro波長k=hバー/mcです。ですから、r=k=hバー/mcです。∴
A1[rad]振動する時間t'=hバー/mc÷c=hバー/mc2
 ∴
@t'=h/2πmc2=hバー/mc2=At'

 コンプトン波長λを使うと、B陽子と中性子間の距離r=λ/2π= h/2πmc
 Kothimaro波長kを使うと、C陽子と中性子間の距離r=k= hバー/mc
Bh/2πmc= hバー/mc

 このように、hを使ってもhバーを使っても、計算結果は同じです。