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コリオリ力の仕組み

コリオリ力

 詳しい図に基づいて、説明します。
 黒丸Pが台風の目です。赤丸が北極点方向にある空気イです。青丸が赤道方向にある空気アです。地球は時計とは逆周りである左回りに回転しています。
 ですから、空気イも空気アも台風Pに引き付けられなければ、Q線上からR線上の点線の赤丸と青丸の位置に移動します。空気イは、黒の矢印の速度で移動しています。空気アは、水色の矢印の速度で移動しています。台風の目Pは、緑の矢印の速度で移動しています。この様に、地球は球体なので、緯度により自転による移動速度が異なるのです。

 今度は、Q線上にある空気イとアは台風Pに引き付けられます。空気イが台風Pのある緯度まで引き寄せられても、R線上までは届きません。何故なら、黒の矢印が緑の矢印よりも小さいことが表しているとおり、空気イは台風Pよりも自転による移動速度が遅いので、台風Pには付いて行けません。従って、空気イはSの位置にしか行けず、ピンクの矢印の様に右にそれます。


 一方、空気アが台風Pのある緯度まで引き寄せられると、R線上を越えてしまいます。何故なら、水色の矢印が緑の矢印が大きいことが表しているとおり、空気アは台風Pよりも自転による移動速度が速いので、台風Pを追い越してしまいます。従って、空気アはTの位置まで行ってしまい、灰色の矢印の様に右にそれます。
 空気イとアが、それぞれ右にそれるので、台風は左回りの渦となるのです。

 現実には、空気の移動には、遠心力や重力等複雑な要因が絡み合って来ます。これは単純化した説明です。
 私が、上記説明で慣性力と表現したのは、空気アは水色の矢印の速度で移動しており、空気イは黒の矢印の速度で移動していると言うことです。空気アも空気イもその速度を保とうとする慣性力があるので、同じ場所に引き寄せられても、空気アは空気イよりも先に進んでしまうのです。