量子力学ではものを波と考え波動関数で表現する。そして、波であるものは一定範囲の空間を占め大きさを持ちます。しかし、実際に実験では、ものは空間の一点を占めるだけの粒子と観測されます。
観測しなければ空間的な広がりを持つ波であり、観測すると広がりを失い粒子となるのです。
ここで、観測によりどの様な影響をものに与え波が粒子となったのか(ものが空間的な広がりを失い点となったのか=これを「波動関数の収縮」と言う)と言う超難問が生じました。
コペンハーゲン解釈は、@観測前にものは波として広がりを持っていたこと、A観測時点にものは粒子として一点に収束したこと、Bどこにどの様に収束するかは、波動関数より確率で求められることの三点以外は考えないと言う立場です。
つまり、ものは観測前に波として広がりを持っていたことは否定しません。しかし、粒子への収縮が、観測と言う行為によって起こったのかは分かりません。ただ、観測時点では、波動関数の収縮(ものの波から粒子への変化)が起こっていることは事実です。
だから、なぜ波から粒子への変化が起こったのかを考えることは止めて、事実として受け入れるのがコペンハーゲン解釈の立場です。