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換算プランク定数(ディラック定数)を使う意味

T.超ひも理論

先ず、「超ひも理論」から説明します。
物質も光も、重力や電磁力を生じさせるケージ粒子であるグラビトンや電磁波も、全て1本の「超ひも」の振動として表されます。
そして「超ひも」の振動数が増えるに従って、エネルギーが高く質量は重くなります。

U.超ひもの振動回数と質量及びエネルギーとの関係

超ひもの振動とエネルギー  光のエネルギーE=hν[J(ジュール)] h=プランク定数=6.629069×10-34[Js]、ν=周波数[Hz](1秒間の振動回数)です。
 つまり、1[Hz](1秒間に1回振動する)の超ひもは光と見えます。
1[Hz]の1本の超ひもの光エネルギーE= hν=6.629069×10-34[Js]×1[回/s]= 6.629069×10-34[J]
です。

 そして、1秒間当たりの振動回数が増えると物質に見えます。
 物質の静止エネルギーE=hバーω[J] hバー=ディラック定数=h/2π=1.054364×10-34[Js]、ω=角周波数[rad/s](周波数×2π)です。
 光と物質とで、エネルギーEを求める方程式が異なります。これは何故でしょうか。光は周波数を、物質は角周波数を使うからです。角周波数[rad/s]=周波数[Hz]×2πです。

 超ひもの振動は、距離の最小単位である超ひも1本の長さ=プランク距離lp=1.616229×10-35[m]を、プランク時間tp=5.39116×10-44[s]で進みます。したがって
超ひもの振動の速度=lp/tp=1.616229×10-35[m]÷5.39116×10-44[s]= 2.99792458×108[m/s]=光速c
です。

V.光としての振動と物質としての振動

超ひも  光は、1本のひもの様な「開いた超ひも」の振動を想定します。ですから光の周波数は、プランク時間tp[s]に1回振動する1/tp[Hz]が最高です。

閉じた超ひもの振動  一方、物質は輪ゴムの様な「閉じた超ひも」を想定します。
 超ひもの長さは、半径プランク距離lp[m]の円周=2πlp[m]です。光速cの振動が1周するのに2πlp[m]÷lp/tp[m/s]=2πtp[s]掛ります。ですから物質の振動数は、2πtp[s]に1回振動するものが最多です。

 最もエネルギーの高い1本の超ひもの振動回数は、2πtp[s]に1回の振動です。1秒間の振動回数ν=1[s]÷2πtp[s]=1/2πtp[回/s]です。光と同様に、物質の持つエネルギーはプランク定数h×振動数v[Hz]で表されます。故に
最もエネルギーの高い1本の超ひものエネルギーE=h×v=(h/2π)×(2πv)=hバーω[J]=hバー2πν[J]=hバー2π/2πtp [J]=hバー/tp[J]=1.054364×10-34[Js]÷5.39116×10-44[s]= 1.956150×109[J]=プランクエネルギーEp
です。

 この1/tpをプランク角周波数ωpと言います。これは最高の角周波数を表します。
プランクエネルギーEp=換算プランク定数hバー×プランク角周波数ωpなので
プランク角周波数ωp=プランクエネルギーEp÷換算プランク定数hバー=√(hバーc5/G)×1/hバー=√(c5/hバーG)
と表せます。

 「E=mc2」→「m=E/c2」なので
最も重い1本の超ひもの質量mp=Ep/c2=1.956150×109[J] ÷(2.99792458×108[m/s])2= 2.17647×10^-8 [s]=プランク質量
です。
 従って一般的に
物質の持つエネルギーE=hν=hバーω[J]
と表されます。

 この様に、プランク定数hを使っても、或は換算プランク定数hバーを使っても、物質の持つエネルギーを計算することが出来ます。
 では、どうして換算プランク定数hバーを使うのでしょうか。
 これは、2πが数式に出るのを防ぐ工夫です。プランク定数hを使うと数式の中に何回も2πが現れます。一方、h/2π=hバーの換算プランク定数(ディラック定数)を使うと数式の中の2πを消すことが出来ます。ですから、プランク定数hの代わりに換算プランク定数hバーを使うのです。