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インフレーション理論の超光速で物質が飛び散る仕組み

相対性理論

 相対性理論では、「いかなる物体も、光速を超えて移動することはない。」(アインシュタイン博士)と考えます。
 では、何故光は光速を超えて進まないのでしょうか。光が粒子であれば、更にエネルギーを加えると、幾らでも速く動きそうです。

超ひも理論

 現在の物理学では、「超ひも理論」が最も有力視されています。そして、宇宙を次の様に想定します。
 宇宙開びゃくの瞬間、宇宙は非常にエネルギーの高い状態にあり、個々の「超ひも」は自由に空間を動き回っていました。しかし、宇宙のエネルギーが、100Gevになった時、「超ひも」は相転移を起こしたと考えられています。相転移とは、水蒸気が冷えて氷となる様な現象を言います。水蒸気として自由に動き回っていた水の分子は、冷えて相転移を起こし氷の分子として固定され、もはや自由には動き回ることが出来なくなります。

超ひもの網

 ここからは、私見です。
 ビッグバンの初期には、「超ひも」は光速を超えて自由に移動していました。しかし、宇宙のエネルギーの低下に伴い、宇宙は相転移を起こし、「超ひも」は固定され網状に繋がったと考えます。

 そして、その「超ひもの網」の上を、物質や光及び重力・電磁力・強い力・弱い力の4つの力は、振動として伝わると考えます。つまり、物質が移動して見える現象は、実は超ひもの物質としての振動が、次々と隣の超ひもに伝わる現象であると思います。そして、「超ひも」の振動自体が光速で伝わるので、何ものも光速以上で伝わることは出来ないのです。

光速度不変

 超ひも理論では、物質も光も一本の超ひもの振動として表現されます。超ひもの長さをプランク距離Lと言います。振動が超ひもの端から端まで伝わるのに要する時間をプランク時間Sと言います。超ひもの振動は光速cで伝わります。従って、
光速c=プランク距離lp÷プランク時間tp=lp/tp= 1.616199×10-35m÷5.39106×10-44秒=299,792.5[km/s]
となります。

 ここで注意したいのは、1本の超ひも上を光は光速で振動として伝わることです。そして、真空中も同じ光速で光は伝わります。これは単なる偶然でしょうか。
 真空中には、超ひもが繋がったものがあり、その上を光はそのまま光速で伝わっていると考える方が自然です。

 私は、この理由により物質は光速未満でしか移動出来ないと考えます。相転移する前の宇宙は、超ひもが繋がっておらず、自由に飛び回っていたので、光は光速を超えて移動することが出来ました。インフレーション理論でも、宇宙開闢の一瞬あらゆるものは光速を越えた速度で飛び散ったと考えます。その後、宇宙は相転移し、超ひもが網状に繋がったので、光は光速で真空中を伝わる様になりました。

時計の遅れ

運動する時計の遅れ  次に、高速で移動する時計は遅れます。
 左図に基づいて説明します。今、観測者K'がX軸の正方向へvm/秒で移動しています。時計もvm/秒で同じ方向へ移動しています。観測者K'には、この時計は1秒間に1秒を刻んでいると観測されます。では、静止しているKには、この時計は何秒間に1秒を刻むと観測されるでしょうか。

 v[m/s]で移動すると、物質を構成する粒子は静止時の√(1-v2/c2)倍しか動けなくなります。このことは、加速器の実験やカウフマンの実験でも証明されています。相対性理論では、これをm=m0/√(1-v2/c2)と表します。

質量増加

質量増加  例えば、v[m/s]で移動する粒子を、進行方向に向かって上下左右方向へ動かします。その方向へ動かせる限度は√(c2-v2)[m/s]までです。この時、粒子の速度は、√{v2+(√(c2-v2))2}=c[m/s]となります。これ以上粒子が、上下左右方向へ動けば、その速度は光速を超えてしまい矛盾します。
 静止時には、その方向へはc[m/s]まで動かすことが出来ました。従って、v慣性系では、静止時の√(c2-v2)[m/s]÷c[m/s]=√(1-v2/c2)倍しか動かせないことが分かります。

 速度は質量に反比例します。同じ力を加えても、質量が2倍になれば速度は1/2倍となります。従って、v慣性系では、粒子が√(1-v2/c2)倍しか動けなくなることを、「v[m/s]で移動する粒子は、質量が1/√(1-v2/c2)倍に増加した様に振る舞う」と表現するのです。

 この様に、v[m/s]で移動する時計を構成する粒子は動き難くなります。そして、時計は1秒間に√(1-v2/c2)秒を刻む様になります。
 また、私の肉体を構成する粒子も動き難くなります。私は、ゆっくりと動き思考し年を取る様になります。私が静止している人を見ると、あたかもその人に流れている時間は速く経過している様に見えます。

インフレーション理論

 この様に、光速に近づくにつれて、私の肉体も持っている時計もゆっくりと時を刻むので、周りを見ると時は速く経過している様に見えます。そして、光速に達すると私は動きを止め時計も止まります。従って、何も見えません。更に加速しようとしても、光速を超えることは出来ません。

 インフレーション理論によると、宇宙が相転移する前(=この世ではない時)では、実際にものは光速を超えて移動出来たのです。

 インフレーション理論とは、ビッグバンにより宇宙が出来たごく初期の時、宇宙が10-36秒間に1026倍に急激に膨張したとする理論です。現在、ビッグバンより138億年経過しています。しかし、観測可能な宇宙の大きさは、半径465億光年の球体です。

 ものが光速以下でしか移動出来ないのであれば、現在の宇宙は、半径138億光年以下の筈です。この矛盾を解消するものとして、インフレーション理論が提唱されました。ビッグバンの極初期には、ものは光速を超えて移動出来たと考えます。

 つまり、宇宙開闢当初超ひもは個々に自由に光速を超えて飛び回っていました。その後、宇宙のエネルギーが低下し相転移が起こり、超ひもは繋がり網状になりました。そうなると、物質や光としての振動は「超ひもの網」上を光速未満でしか進むことが出来なくなります。超ひもの振動自体が光速なのですから。

 現在でも、地球から遠く離れた天体は光速を遥かに超える速度で遠ざかっています。その部分では未だ超ひもは網状になっておらず、光速を超えて飛び散っているのです。一方、「超ひも」が網状に結び付いた部分では、そこに光として放出された「超ひも」の運動エネルギーが入射して、物質と反物質が対生成し、その物質と反物質が衝突して対消滅し、ビッグバンが起こり、物質が光速度c未満で四方八方へ飛び散っています。これに対して宇宙開闢当初は、超ひもが光速度cを超えて飛び散ったので、宇宙は激しく膨張出来ました。

 そしてその外側では、超ひもが飛び散りながら結び付き、超ひもの網がどんどん形成され続けています。