光の質量は、0とされている。つまり、重さがない。従って、物質を引き付ける重力も生じなければ、
物質が発した重力に引き付けられることもない。それならば、光は重力の影響を受けず、直進する筈である。
しかし、現実には光は重力により曲げられる。
一般相対性理論が発表された直後、1919年にちょうど日食があった。 もし一般相対性理論が正しければ、
太陽に隠れている星から来る光は、太陽の重力によって曲げられ、 地球上でその星が見えるはずであった。
そして、観測の結果、その星は相対性理論で予言した通りの位置に見えた。
相対性理論では、太陽の質量により空間が曲げられたと考える。光は直進したのだが、空間の曲がりに沿って進んだ為、
曲がったと説明する。
しかし、本当に光の質量は0であろうか。光の質量が0でなければ、重力によって曲がっても良いこととなる。 何も、空間を曲げる必要はない。
1個の光の重さは何gかを計算するには、プランク定数から始めなくてはならない。
物質を加熱すると、光を発する。これを輻射エネルギーと言う。光は高温になるに従い、赤色→橙色→黄色→白色と変化する。
光の波長は高温になるに従い短くなり、振動数は多くなる。そして、輻射エネルギーの量は、光の振動数が増えるに従って多くなる。
プランクはそのエネルギー量を調べた。その結果、輻射エネルギーはなめらかに連続した量ではなく、
一定の量の倍数であることを発見した。輻射エネルギー量は、E=hv(プランク定数×光の振動数)と表わされる。
つまり、輻射エネルギーは、プランク定数と呼ばれる光エネルギーの最小単位の倍数となっていた。
このプランク定数と呼ばれる光エネルギーの最小単位は、何を意味しているのか。光は、超ひもの振動として記述される。
その超ひも1本の長さは、プランク距離の1.616199×10-33pである。
光は波として、超ひも上を伝わる。1本の超ひもの端から端まで光の振動が伝わるのに、5.39106×10-44秒掛かる。
これをプランク時間と言う。従って、光の速度=プランク距離÷プランク時間= 299,792.4q/秒となる。
プランク時間に1回超ひもが振動する光は、最もエネルギーが低い。そのエネルギー量が1hである。
プランク時間での振動回数が増えるに従って、光のエネルギー量は増す。2回振動すればエネルギー量は2倍の2hとなる。
プランク時間に振動する回数は、何らかの理由により、自然数となっている。
また、1回振動する光が2個集まれば、2hとなる。従って、光のエネルギーは、hの倍数なのである。
では、最もエネルギーの低い光1個に相当する1hは、何グラムか。
公式の数値では、1h= 6.62606957×10-34J*s(1秒間当りのジュール値)= 4.135667516×10-15eV(電子ボルト)である。
次に電子と陽子を参考にして、1hは何gか計算する。電子と陽子のエネルギー量と質量は、公式の数値で表すと、次の通りとなる。
電子=510.99890221×103 eV=9.1093897×10-28g
陽子=938.272004×106 eV=1.672621777×10-24g
従って、電子を使うと
1g=510.99890221×103 eV÷9.1093897×10-28g=5.60958856×1032eV
=5.60958856×1032eV÷4.135667516×10-15eV=1.35639253×1047h
となる。陽子を使っても同様の値となる。
∴1h=7.34172037×10-48gである。
これで、最も軽い光1個の重さは、
7.34172037×10-48gであることが分かった。従って、光も質量を持ち、
重力により曲げられる。