• CATBIRD日記 (物理・数学・歴史・哲学・宗教の未解決問題を扱ってます)
  • ケファイド(セファイド)型変光星の絶対光度(絶対等級)が変光周期に比例する仕組み

    セファイド型変光星

     変光星は脈動しており、収縮した時に明るくなり、膨張した時に暗くなります。その仕組みを説明します。

     @恒星の核内の核融合反応が活発になると、恒星の中の膨張圧力が上昇し、重力より強くなり膨張します。
     膨張すると、恒星の表面積が大きくなるので、表面の温度が低下して放射する光が弱くなって暗くなります。
     同時に、膨張すると恒星の核内の圧力も低下するので、核融合反応が弱くなりエネルギーの供給が減ってきます。

     A恒星の核内の核融合反応が弱くなったので、膨張圧力より重力の方が強くなり、収縮して行きます。
     収縮すると、恒星の表面積は小さくなり、表面の温度が上昇し放射する光が強まるので明るくなります。
     @また、収縮すると恒星の核内の圧力が強くなるため、核融合反応が活発になりエネルギー供給が増します。
     そしてAになります。このように、@とAを繰り返し変光星は明るさを周期的に変えるのです。


    変光周期と絶対光度の関係  そして、変光周期の長い星ほど、絶対的な明るさ(絶対等級)が高いのです。それは何故でしょうか。

     質量の大きい恒星ほど、絶対的な明るさが高くなります。つまり、大きな恒星ほど、同じ距離で見ると明るいのです。
     一方、質量の大きい星ほど、@→A→@→Aを繰り返すには時間が掛かります。大きいほど、変化するのに時間が掛かることは、容易に想像出来るでしょう。
     つまり、絶対的に明るい変光星ほど、変更周期が長くなるのです。

    この関係を使えば、変光星までの距離を計算できます。つまり、変光周期を観測すれば、その変光星の絶対等級が分かり、見かけの等級と比較することで、変光星までの距離を計算出来るのです。