量子力学では、重力は質量0のケージ粒子であるグラビトンが質量間を往復することで生じると考えます。往復するグラビトンがまるで輪ゴムの様に2つの質量を近づけます。
一方、@「質量により周りの空間が歪むのでその空間では真っ直ぐに進む物質でも落下して見える」と言う主張があります。その根拠として、本来太陽の影になり見えない筈の星からの光が、太陽の重力により曲がったので地球に届いた観測事実を挙げます。
つまり、光の質量は0なので重力により落下しないにもかかわらず、太陽の重力により星からの光は曲がり地球に届きました。ですから、太陽の重力により太陽の周りの空間自体が曲がったと考えます。そうすると、光は太陽の周りの空間を真っ直ぐに進んだのだが、空間自体が曲がっているので光もそれに沿って曲がって進み、地球に届いたとします。
しかし、地球に届かない星からの光は、幾ら途中の空間を曲げても地球に届くことはありません。
紙に★と○と◎を横一列に描いて見て下さい。★は星です。○は太陽です。◎は地球です。★から直線の光を描きます。光は太陽をかすめ地球には届いていません。では、紙をくしゃくしゃにして広げて見ましょう。星から発せられた光は、地球に届いたでしょうか。
再度説明します。左図を参照して下さい。重力により空間が曲がると仮定しても、空間は歪んだマス目どおりに歪みます。そして、もう歪んでいない空間はどこにもありません。ですから、このマス目に沿った線が唯一の直線です。これ以外に直線はありません。
図上のとおり、光は曲がった空間中を直線で進む(太い線のとおりマス目に沿って進む)とすると、光の到達点は変わりません。マス目の途中が曲がっているだけですから。ですから地球に届かない光は、幾ら途中の空間を曲げても地球に届くことはありません。
主張@では、光は図下の青線のとおり歪んだ空間を直線で進んだとします。しかし、すでに歪んでいない空間はなく、歪んだマス目がその唯一の空間では直線です。この青線は一体何に対して直線だと言えるのでしょうか。つまり、この青線は直線ではありません。
故に、@の主張は、定義上矛盾しています。星からの光は、直線コースを取らなかった(青線のとおりマス目には沿って進まなかった)ので地球に届いたのです。つまり、光は太陽の重力により落下したので直線コースを取らなかったのです。
このことは、光は相対性理論が主張するとおり慣性質量(静止質量)は持たないけれども、重力質量は持ち重力により落下することを証明しています。
光はエネルギーを持ち、エネルギーと質量は等価です。また、慣性質量と重力質量は別物であり、両者が等価である必然性はないからです。
また、空間に実体はなく構造がありません。構造の無いものが変化する仕組みは未来永劫説明不可能です。かつ、上記のとおり空間自体が変化しても何も変わりません。
結論は、重力は空間が質量により歪むので起こるのではなくて、グラビトンが質量間を往復することで起こるです。
一部に、「光自身質量を持っているので光の質量が空間を歪める」との主張があります。
しかし、光自身重力質量を持ち重力により落下するとしたのならそれで十分です。にもかかわらず、更に「説明不可能な空間の歪み」を持ち出す意味はありません。