ガンマ線バースト

 先ず、「ガンマ線バースト」について説明します。
 太陽の約30倍以上の恒星の核融合反応が終わると、中心に鉄(Fe)のコアがあり、その周りにより軽い元素(ケイ素 Si, マグネシウム Mg, ネオン Ne, 酸素 O, 炭素 Cなど)からなる外層が取り巻いた状態となります。
 中心の鉄コアは強力な自己重力により重力崩壊を起こし、自分自身の中に落下して行きます。こうして、中心部に高速回転するブラックホールが出来上がります。ブラックホールには、周囲の物質が円盤状に落ち込みます。これを降着円盤と言います。その際、円盤面に垂直な二方向に「ジェット」と呼ばれる細く絞られた質量の放出が起こります。それら外層を突き破りガンマ線バーストが起こります。この速度は亜光速に達します。

 この様に、ガンマ線自体がブラックホールから放出される訳ではありません。ガンマ線は、周囲の物質がブラックホールに落ち込む過程で「シュワルツシルト半径」よりも外側で生じます。ですから、ガンマ線はブラックホールに落ち込むことなく放出され「ガンマ線バースト」となります。ただし、この「ガンマ線バースト」の生成過程についてはまだ謎が多く残っており定説はないようです。