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静止系と双子のパラドックス

 特殊相対性理論では、物質も光も全て粒子であり、空間には何もないと考えます。何もない空間の位置は考えることが出来ません。後に残るのは、動き回る粒子のみです。そうなると、どの粒子が静止しているのか誰にも分かりません。
 この粒子が静止しているとするとあの粒子は移動している、逆にあの粒子が静止しているとするとこの粒子は移動しているとしか言えなくなります。こう言う意味で、物質の運動は相対的なものとなります。そして、静止系と言う特権を有する系はないと考えます。

 ですから、相対性理論では、@宇宙船がv=0.99cで移動し地球とケンタウスルα星は静止していたとも、逆に、A宇宙船が静止しており地球とケンタウスルα星がv=0.99cで移動したとも考えることが出来ます。

 @と考えると、Bは28.88889歳でAは21.25393歳となります。Aと考えるとAは28.88889歳でBは21.25393歳となります。  これで、ローレンツ変換の時間の変換式は完全に矛盾します。ですから、双子の「パラドックス」と言います。この様に、相対性理論では、単純にBが静止していてAがv=0.99cで移動したとは言えないのです。静止していると定義出来る1点を発見出来ないからです。

 この矛盾は、Bただ相手の時間の経過が変化した様に見えるだけであり、お互いに再開した時は同じ歳であると考えるか、C静止系があり地球と宇宙船の絶対速度を特定出来ると考えると解消されます。Bではウラシマ効果は起こらないことになります。Cでは起こります。

 最近、ヒッグス粒子の存在が確認されました。真空中にはヒッグス場があり、物質がヒッグス場を移動するとヒッグス粒子が生じ物質にまとわり付くので、物質は動き難くなり質量が与えられます。つまり、このヒッグス場(ヒッグス粒子のプール)が静止系です。物質は、この中を動くことにより質量を与えられるのですから。
 この静止系を基準として、物質が光速に近づく程動き難くなります。相対性理論では、これをm=m0/√(1-v2/c2)と表します。m=v[m/s]で移動する物質の質量・m=静止時の質量です。しかし、実際に質量が増加する訳ではありません。v[m/s]で移動すると、静止時に比べて√(1-v2/c2)倍しか動けなくなるので、この様に言うのです。

 この様に、v[m/s]で移動する時計は、静止している時計と比べて、√(1-v2/c2)倍しか動くことが出来ません。従って、この時計は1秒間に√(1-v2/c2)秒を刻む様になります。これを方程式で表わすと
t'=t*√(1-v2/c2)
です。

 地球も宇宙船も、ヒッグス粒子のプールを基準に考えると、宇宙の中を動いています。便宜上、地球は静止しており、宇宙船がv=0.99cで移動したと考えると、Bは28.88889歳でAは21.25393歳となります。