小学生の子供に、チラノザウルスは何故二本の足で走るのか聞かれた。その時、次の様に答えた。
二足歩行する動物は、肉食恐竜と人とカンガルーである。草食恐竜は、全て四本の足で歩行している。チラノザウルス等肉食の恐竜は、二足歩行している。これに比べて、肉食の哺乳類で二足歩行するものは居ない。何故、肉食の恐竜は二足歩行し、肉食の哺乳類は四足歩行をするのであろうか。
恐竜の四足歩行と哺乳類の四足歩行とでは、異なるところがある。恐竜は爬虫類であり、その名の通り、足を曲げて地面を這う。哺乳類の四足歩行は、足を伸ばして歩く。地面を這う四足歩行<二足歩行<哺乳類の四足歩行の順で、速く走ることが出来る。肉食の恐竜は、草食の恐竜よりも速く走らなければ、獲物を捕まえることが出来ない。従って、二足歩行になったのである。哺乳類の四足歩行より速く走れる方法はない。従って、肉食の哺乳類も四足歩行をするのである。
では、人やカンガルーは、何故二足歩行をするのであろうか。双方に共通するのは、赤ちゃんが未熟な状態で生まれると言うことである。他の動物の赤ちゃんは、生まれるとすぐに立ち上がり、自力で危険から逃げることが出来る。又はサルの赤ちゃんの様に、自力で親にしがみ付く。しかし、人の赤ちゃんは、自分で歩くのに1年掛かる。カンガルーも、袋の中に赤ちゃんを入れて育てる。
人の場合、危険が迫った時、赤ちゃんを抱いて逃げなければならない。ここから、二足歩行が始まったのである。二足歩行は、物を持って移動する場合に便利であるので、次第に定着して行った。また、石器と言う武器を手にしたので、四足歩行より遅くても良くなったのである。
カンガルーは、袋の中に赤ちゃんが入っているので、四足歩行で逃げると赤ちゃんが落ちてしまう。従って、二足歩行でジャンプしながら逃げるようになったと考えられる。たまたま、オーストラリアには肉食の哺乳類で二本足ジャンプより速く走るものが居なかったので、生き延びたのである。