相対性理論では、物質も光も粒子とします。物質の粒子は静止質量を持ち、光子は静止質量を持たず運動エネルギーです。物質は光になります(物質と反物質の対消滅)。その時、物質の静止質量(=エネルギー)が光子の運動エネルギーになります。このように、両者のエネルギーは等価です。
粒子は振動しながら進みます。ですから、その軌跡は波形です。
ここで、電子を例にし説明します。
電子は、原子核の周りを振動しながら波形を描いて回ります。そして、1周して同じ位置に来なければ、電子のエネルギーは失われてしまいます。ですから、電子は原子核を1周して、元の位置に戻らなければなりません。故に、電子が1周回る間の振動数nは自然数です。これを「ボーアの量子条件」と言います。
物質の粒子の波(物質波)を表現する時、1[rad]の波で表現することが多いです。これは、物質の粒子は電子の様に円軌道を回ることが多いからです。
n=1を想定します。
電子の軌道半径をrとします。すると、@電子の波長λ=2πrです。電子の速度をvとすると、「Aド・ブロイ波長λ=h/mv」です。@とAより
電子の波長λ=2πr= h/mv
∴
B電子の質量m=h/2πrv
C電子のエネルギーE=mc2=hc2/2πrv
D電子の速度v=h/2πrm
です。
しかし、これでは至る所に2πが出て来て煩雑です。2πを除く為に、プランク定数hの代わりにディラック定数hバー(=h/2π)を使います。h=2πhバー、電子の波長λ=2πr= 2πhバー/mvなので
電子の波長λの1/2π=r=hバー/mv
∴
E電子の質量m=hバー/rv
F電子のエネルギーE=hバーc2/rv
G電子の速度v=hバー/rm
と2πが無くなり、数式がすっきりします。
計算を簡素化するため物質波を記述する時、波長λの1/2π(1[rad]のkothimaro波長)を1単位とする波で計算します。
kothimaro波長は、粒子が1[rad]回転した波です。ですから、1秒間に1[rad]回転する角周波数は1[rad/s]です。
これに対し、光は直進します。そのため計算に2πが出て来ないので、光はプランク定数hで計算します。
光のエネルギーE=hf (f=周波数)
です。したがって
1秒間に1回振動する光のエネルギーE=h×1[Hz]=h[J]
です。
一方、物質波はhバーと角周波数ωを使うので
物質のエネルギーE=hバーω
です。振動数が多くなると光から物質になりますが、それは一旦置きます。では、1秒間に1回振動する物質波のエネルギーを求めましょう。
1秒間に1回転=1秒間に2π[rad]なので
2π[rad/s]の物質波のエネルギーE=hバーω=hバー×2π[rad/s]=h[J]
です。
このように、光のエネルギーをhとfで表現し、物質のエネルギーをhバーとωで表現しても、1秒間に1回振動する波のエネルギーE=h[J]となります。
物質も光も1本の「超ひも」の振動で表現されます。1本の「超ひも」の長さ=プランク距離lpです。それがプランク時間tpに1[rad]振動するのが「プランク粒子」です。
これは、半径r=プランク距離lpの円周上(2πlp)を、プランク時間tpに1[rad]回転する粒子です。つまり、2πtp[s]で1回転します。
その時、角周波数ω=1/tp[rad/s]です。ですから
「プランク粒子」のエネルギーE=hバー×(1/tp)=hバー/tp=hバー/√(hバーG/c5)=√(hバーc5/G)=プランクエネルギーEp
です。そして
プランク粒子の質量=Ep/c2=√(hバーc5/G)/c2=√(hバーc/G)=プランク質量mp
です。
物質波の「ド・ブロイ波長λ=h/mv」です。ですから
波長λ×速度v=h/m
です。物質にはhバーを使います。「ド・ブロイ波長」の1/2πの波長(1[rad]のkothimaro波長)λ’= h/2πmv=hバー/mvです。すると
H波長λ’×速度v= (hバー/mv)×v=hバー/m
です。
宇宙には、様々な波長と速度の物質波があります。しかしHの制約があるので、波長λ’を合わせようとすると速度vが合わなくなり、逆に速度vを合わそうとすると今度は波長λ’が合わなくなります。
故に
Δλ’・Δv=hバー/m
です。粒子の位置xを連続すると波の軌跡となります。ですから、粒子の位置x=物質波の波長λ’です。したがって
Δx・Δv> hバー/m
が導かれます。これが「不確定性原理」です。
m[s]の質量が変わった光の波長が「コンプトン波長」です。
m[s]の質量のエネルギーE=mc2
1秒間に1回振動する光のエネルギーE=h[J]
∴mc2[J]の光の周波数f= mc2/h
光の1回の振動に要する時間t=h/mc2[s]
光の波長λ=t×c= (h/mc2)×c=h/mc=「コンプトン波長」
です。
この様に、直進する光には周波数fの波を、回転する物質には角周波数ωの波を使います。
では「ド・ブロイ波長λ=h/mv」の求め方を説明します。
粒子は振動しながら進みます。ですから、その軌跡は波形です。粒子Aの質量をm[s]とします。静止した粒子Aの周波数fを求めます。
光のエネルギーE=hf
です。ですから、「振動のエネルギーE=プランク定数h×周波数f」です。
粒子Aの静止エネルギーE=mc2
です。
mc2=hfなので
粒子Aの周波数f=mc2/h[Hz]
です。
静止した粒子Aは、1秒間にmc2/h回振動します。しかし、この振動は様々な方向を向いているので、それらは打消し合い粒子全体は振動しません。
粒子Aがv[m/s]で移動すると、その静止エネルギーmc2の内(v2/c2)が光の運動エネルギーに換わります。
※ 電子は、光を吸収し速度を上げます。このことから、移動する電子は光の運動エネルギーを含むことが分かります。
※ 振動が様々な方向を向くと、全体は様々な方向へ向かおうとし、それらが打ち消し合い静止します。振動の方向が揃うと、全体はその方向へ向かおうとします。そして、振動が揃うので全体が振動します。
※ 粒子Aの速度がc[m/秒]になると、静止エネルギーmc2が全て光の運動エネルギーになります。即ち、m[s]の静止質量はmc2[J]の運動エネルギーに変換するので「E=mc2」です。
ですから
v[m/s]で移動する粒子Aが含む光のエネルギーE=mc2×(v2/c2)= @mv2[J]
です。
残りのAm(1- v2/c2)[s]の質量は、その振動が様々な方向を向くため振動は打ち消し合い、振動しない粒子として現れます。
Aの粒子を、@のエネルギーの光が前に進めます。光@の波は揃っており、全体が波として現れます。したがって、粒子Aは光@の波に乗り前に進みます。故に、粒子Aが1回上下するのに要する時間は、光@の波が1回上下するのに要する時間と同じです。
では、光@が1回振動するのに要する時間を求めましょう。
mv2=hfなので
光@の周波数f=mv2/h[Hz]
です。∴
光@が1回振動するのに要する時間t=h/mv2[s]
です。
粒子Aの速度はv[m/s]なので
粒子Aが1回振動する間に進む距離(波長λ)= h/mv2×v=h/mv
です。これで「ド・ブロイ波長λ= h/mv」が求まりました。
粒子Aの静止エネルギーE=mc2の全てが、光の運動エネルギーE’に換わると
変換された光のエネルギーE=mc2×(c2/c2)= Bmc2[J]
です。
mc2=hfなので
光Bの周波数f=mc2/h[Hz]
です。∴
光Bが1回振動するのに要する時間t=h/mc2[s]
です。
光Bの速度はc[m/s]なので
光Bが1回振動する間に進む距離(波長λ)= h/mc2×c=h/mc
です。これで「コンプトン波長λ= h/mc」が求まりました。