• CATBIRD日記 (物理・数学・歴史・哲学・宗教の未解決問題を扱ってます)
  • 何故、蛇は足が無いのに前に進めるのか(蛇行の仕組み)

    蛇は鱗で歩く

     子供のころ、蛇がどうやって前に進んでいるのか良く分からなかった。祖父に聞いたところ、「蛇は、鱗で歩いているんだ。」と言われた。「鱗で歩く・・・・???」と言う感じで、左右の鱗を立てて足の様に交互に前後に動かし前に進むことしかイメージすることが出来ず、ますます分からなくなった。

     最近、蛇の腹の写真を見ることがあり、そのことを思い出した。蛇の腹には、鱗の変形した大きな腹板と言うものが並んでいる。腹板の間隔を伸ばしたり縮めたりすることが出来、それに使う筋肉は非常にしなやかで強い。アコーデオンのことを蛇腹と言うが、正にそんな感じである。この腹板は、立てたり寝かしたりすることが出来、腹板のエッジを引っ掛けて、前に進んだり木に登ったりする。蛇腹が使えない砂の上で暮らす蛇は、これとは異なる方法で前に進む。

    蛇の腹板

    腹板

     祖父の言ったことが誤りではなかったことが嬉しいので、蛇の進み方を図で示して見る。
     左図の様に、蛇の腹には大きな腹板と言う鱗が変化したものが並んでいる。この腹板はその間隔を伸ばしたり縮めたり自由に出来、また立てたり寝かしたり出来る。

    蛇行の仕組み

    蛇行の仕組み S字形

     前方の腹板を伸ばし、エッジを立てて樹皮等に引っ掛け、今度は後方の腹板を縮める。これを繰り返して蛇は前進する。

     蛇はS字形にくねって蛇行する。これは、腹板を地面にぴったりとくっ付ける為である。体をI字形にまっすくに伸ばすと、左右に傾いて腹板が地面から離れてしまう。体をS字形にすれば、左右に傾くことは無く、腹板は地面にくっ付く。この様にして、蛇はS字形をして静かに前進する。