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物理学で確率が導入された経緯

不確定性原理

 「不確定性原理」は、@「h/2π(パイ)m<Δx×Δv」と表現されます。h=プランク定数=6.629069×10-34[Js]、π(パイ)=円周率3.141592、m=物質の質量(単位:[s])、x=波長(単位:[m])、v=速度(単位:[m/s])です。
 言葉にすると、「物質の位置を正確に確定しようとすると物質の速度が不確定になり、逆に物質の速度を正確に確定しようとすると物質の位置が不確定になる」です。これを、順を追って説明します。

ドブロイの物質波

 物質も光も、超ひもの振動です。振動数の多い超ひも程、質量が大きくなります。つまり、物質は波で表現することが出来ます。
 物質波の長さλ(単位:m)は、「ドブロイの物質波」の方程式A「λ= h/mv」です。
 実は、プランク定数hよりも、h/2π(パイ)であるディラック定数(hバー)の方が正確な様です。従って、
 「ドブロイの物質波」の方程式はB「λ= h/2π(パイ)mv」と訂正されます。

 Δx=物質の波長の最小増加単位・Δv=物質の速度の最小増加単位です。物質波の長さが滑らかに長くなれば、Δx=0mです。また、物質波の速度が滑らかに速くなれば、Δv=0[m/s]です。
 しかし、「ドブロイの方程式」では、速度も波長も飛び飛びの値を取ります。そして、波長の最小単位Δxを小さくすると、速度の最小単位Δvが大きくなり、逆に速度の最小単位Δvを小さくすると、波長の最長単位Δxが大きくなってしまうのです。
 この為に、精密な物理計算が出来ず、物質の正確な未来像を予測する事が出来ません。

光のエネルギー量

 以下の予備知識が必要となります。
 光や物質の持つエネルギー量は
C光のエネルギーE=hν{プランク定数×振動数ν(単位:[Hz])}
です。実は、プランク定数hよりもディラック定数(hバー)の方が正確なので、
DE=(hバー)×ν
と訂正されます。

プランクエネルギー

 そして、1本の「超ひも」の振動数が多くなると、その質量が増します。そして、最大の振動数は、「プランク時間」tp=(5.39×10-44)秒に1回振動する超ひもの1秒間の振動数です。それは
ν'=1秒÷tp=1.855287×1043[Hz]
です。この時のエネルギー量は
E'=(hバー)×(1/tp)= 1.956150×109 [J]
です。これを「プランクエネルギー」と言います。

プランク質量

 E=mc2、∴m=E/c2です。光速c=(2.997924×108) [m/s]です。従って、
最大質量=「プランクエネルギー」÷c2= (2.17651×10-8)[s]
です。これを「プランク質量」と言います。

プランク距離・プランク時間

 また、この世の最速は光速cであり、この世の最短距離である「プランク距離」lpを最小時間である「プランク時間」tpで移動する速さです。従って、
lp=c×tp =(1.616×10-35)mです。

ドブロイの物質波導出

 では、「ドブロイの物質波」の方程式を求めて見ましょう。
最大の振動数の1本の超ひもが光速cで移動する時の移動エネルギー量E=Mc2[J]
です。超ひもの移動エネルギー量に比例して、振動数が増えます。従って、
ブランク質量の超ひもが光速cで移動した時の1回振動するのに要する時間=h/2π÷Mc2×1秒=tp秒
Eh/(2πMc2)=tp
です。

不確定性原理導出

 では、その超ひもが、速度vで移動する時の移動エネルギーは幾らでしょうか。速度の2乗に比例して移動エネルギー量は増加します。光速時のエネルギー量はMc2なので、
「プランク質量」の超ひもがv[m/s]で移動する時の移動エネルギー量E= Mc2×(v2/c2)=Mv2
です。従って、
ブランク質量の超ひもがvで移動した時の1回振動するのに要する時間= Fh/(2πMv2)=tp(c2/v2)秒

です。  今度は、m[s]の1本の超ひもがvで移動した時の1回振動するのに要する時間を求めます。移動エネルギーは、質量に比例します。ですから
m[s]の1本の超ひもがvで移動した時の1回振動するのに要する時間= Gh/(2πmv2)=tp(c2/v2)(M/m)秒
です。

 波長=1回の振動時間×速度vです。従ってGの両辺にvを掛けると
m[s]の質量がvで移動した時の波長λ= h/(2πmv2)×v= H「h/(2πmv)」= tp(c2/v2)(M/m)秒×v[m/s]
と、H「ドブロイの物質波」の方程式が導出されました。

 Hの両辺にvを掛けると
h/(2πm)= tp(c2/v2)(M/m)秒×v[m/s]×v[m/s]=(M/m) tp( c2)= (M/m) tp( lp2/tp2)= (M/m) { lp *( lp/tp) }= (M/m) { 「プランク距離」lp ×光速c }
∴Ih/(2πm) = {(M/m) lp*a}(波長) ×{c/a}(速度)
です。つまり、m[s]の質量は、速度vに関係なくIの波長と速度の関係が成立します。

 波長を、最小の(M/m)lpの長さづつ増やすには
Ih/(2πm) = (M/m) lp(波長) ×c(速度)
としなければなりません。しかし、これでは速度は一気に最高の光速になってしまいます。逆に、速度を最小速度のlp([m/s])づつ増やすには
Ih/(2πm) ={ (M/m) lp/tp}(波長) ×{(lp/tp)*tp}(速度) ={(M/m) c}(波長) ×lp(速度)
としなければなりません。しかし、これでは波長が(M/m)×299,792.5qづつ増えることになります。

 この様に、物質の速度を正確に規定しようとすると、物質の位置(物質波の長さ)が大雑把となり、逆に物質の位置(物質波の長さ)を正確に規定しようとすると、今度は物質の速度が大雑把となる関係が成立します。
 この為に、物理計算では物質の未来像を正確に予測することが出来ないのです。これを「不確定性原理」と言います。

 更にIの両辺にmを掛けると
Kh/(2π) =(Mc2)tp=プランクエネルギーEp(超ひものエネルギー量)×プランク時間tp(1回の振動に要する時間)
と言う関係が成立します。

 ここでも、物質の質量mと速度vに関係なく、一本の超ひもの持つエネルギー量×一回の振動に要する時間はディラック定数になるので、エネルギー量を精密に規定すると振動に要する時間が雑となり、振動に要する時間を精密に規定するとエネルギー量が雑となります。

 このために、物理学では正確に物質を表現することが出来ないので、確率で表現するしかなかったのです。