物質は粒子としての特徴と、波としての特徴とをあわせ持っている。
小さな穴に電子を通し、スクリーンに映し出す。すると、穴よりも大きな同心円状の幾つものリングが現れる。これを回折像と言う。
電子が粒子であれば、スクリーンに映し出されるのは、穴と同じ大きさの円である。しかし、電子は水面上を伝わる波の様に、
同心円状に広がりながら進む。物質の実体は粒子であると同時に波である。しかし、これは矛盾している様に思われる。
どの様に考えたら良いのか。
現在では、全ての物理現象は、超ひもの振動で記述されるとする考え方が最も有望である。
それによると、物質も光も超ひもの振動である。また、物質を動かす4つの力も超ひもの振動である。
何も無い真空と見えても、振動していない超ひもが存在している。物質として振動している超ひもは物質と見え、
振動していない超ひもは真空と見える。
しかし、物質として振動する超ひも自体が空間を移動すると考えると、スクリーンに映し出されるのは、穴と同じ大きさの円となる。
一歩考えを進めて、超ひも自体は動かないとする。そして、物質が動いていると見える現象は、
本当は物質としての振動が隣の超ひもに、次々と伝わっている現象となる。超ひもの振動が光速で伝わるので、
何者も光速以上で移動する事は出来ないのである。
物質は、超ひもの網上を、水面上を伝わる波の様に広がりながら伝わるとイメージすると分かり易い。
同時に、物質同士は引き合う為、質量が大きくなり引き合う力が強くなるに従い、物質は広がり難くなる。
そして、次第に1つの固まりとして粒子の特徴を持つ様になる。つまり、質量が大きくなる程、波が小さくなり、
物質は小さな空間に固定されるようになる。
ド・ブロイは物質を波と考え、その波長は質量に反比例するとした。